るるの日記

なんでも書きます

古事記 邇邇芸命 高千穂に天孫降臨

2020-12-09 16:44:06 | 日記
邇邇芸命に詔らしたて、【天の石位(いはくら)】を離れ、【天の八重たな雲】を押し分けて、【いつのちわきちわきて】、【天の浮橋】に【うきじまりそりたたして】、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の高千穂の【くじふるたけ】に天降り坐しき

天忍日命(あめのおしひのみこと)【天津久米命(あまつくめみこと)】の二人、【天の石靱(いはゆき)】を取り負ひ、【頭椎(くぶつち)の大刀】を取りはき、【天のはじ弓】を取り持ち、天の真鹿児矢(まかこや)を手挟み、御前に立ちて仕へ奉りき。故、其の天忍日命【(大伴連等の祖)】。天津久米命(久米直等の祖)

是れに詔りたまはく、「ここは【韓国(からくに)に向ひ】、【笠紗の御前】に真来通りて、【朝日の直刺す国】、夕日の日照る国なり。故、ここは甚吉(いとよ)き地(ところ)」と詔りたまいて、底つ石根(いはね)に宮柱ふとしり、高天原のひぎたかしりて坐しき



★天の石位(いはくら)
高天原にある神座
神霊を招き降す座のこと
岩石が多く用いられた

★天の八重たな雲
天上に幾重にもたなびいてる雲

★いつのちわきちわきて
稜威(いつ)の道別(ちわ)きに道別(ちわ)きて
いつ→威力ある

★天の浮橋
天界と下界との間にかけられた橋

★うきじまりそりたたして
うきじまり→浮島あり
そり→身をそらして、胸を張って、威勢よく

★くじふるたけ
※神秘な峰
※宮崎県西白杵郡高千穂にクジフル神社があり邇邇芸命を祀る

★天忍日命
(あめのおしひのみこと)
おし→力を持って制圧する
ひ→霊力

★天津久米命
(あまつくめのみこと)
久米部のこと
久米直は大和朝廷の中核をなす品部

★天の石靱(いはゆき)
岩のような頑丈な矢入具

★頭椎(くぶつち)の大刀
柄の上部が槌のような塊状をしている大刀


★天のはじ弓
櫨(はぜ)の木で作った弓

★大伴連
物部氏とともに、大和朝廷の軍事力をになう有力氏族。久米部、佐伯部らの兵を率いて仕えた

★韓国(からくに)に向ひ
朝鮮との交通を意識している

★笠紗の御前
鹿児島県川辺郡笠沙町の野間半島

★朝日の直刺す国
日継の御子が住むのにふさわしい、明るい表方の国を賛美した言葉


■邇邇芸命は高天原の岩の神座を離れ、天空に幾重にもたなびく雲を押し分け、威風堂々と道を押し分け押し分けして途中、天の浮橋から空に浮いてる島に威勢よくお立ちになって、そこから筑紫の日向の高千穂の霊峰に天降りなさった

その時に天忍日命・天津久米命の二人は頑丈な靱を背負い、頭椎の太刀を腰に下げ、聖なるはじ弓を持ち、聖なる真鹿児矢をたばさんで、天孫の前に立って先導申し上げた

邇邇芸命は「ここは遠くは朝鮮に面し、近くは笠沙の岬に真っ直ぐ通じて、朝日の直にさす国、夕日の照り輝く国である。だからここはまことによい土地だ」

と言われて、地底の岩盤に宮柱を太く立て、高天原に千木を高くそびえさせる壮大な宮殿を作ってお住まいになった










古事記 邇邇芸命有力氏族の神々を従える

2020-12-09 15:15:13 | 日記
この【二柱(ふたはしら)の神】は、【さくくしろ】、【いすず】の宮に拝(いつ)き祀る

次に【登由宇気神(とゆうけのかみ)】、此は【外宮(とつみや)の度相(わたらひ)に坐す神】なり

次に天石戸別神、亦の名は櫛石窓神(くしいはまどのかみ)といひ、亦の名は豊石窓神(とよいはまどのかみ)といふ。此の神は御門の神なり

次に【手力男神は佐那の県(あがた)に坐すなり】

天児屋命は【中臣連】等の祖
布刀玉命は【忌部首(いむべのおびと)】の祖
天宇受売命は【猿女君】等の祖
伊斯許理度売命は【作鏡】連等の祖
玉祖命は【玉祖連】等の祖

★二柱の神
天照大御神の魂代である鏡
思金神

★さくくしろ
いすずの枕詞
裂釧→口の裂けた鈴のついた腕飾り

★いすず
五十鈴宮
伊勢の五十鈴川のほとりにある皇大神宮

★登由宇気神
(とゆうけのかみ)
豊宇気毘売神

★外宮(とつみや)の度相(わたらひ)に坐す神
外宮の度相→三重県度会郡の社→豊受大神宮(伊勢外宮)

★手力男神は佐那の県(あがた)に坐す
『延喜式神名帳』の伊勢国多気郡の条に「佐那神社二座」とある
多気郡多気町にあり、手力男神と曙立王(あけたつのみこと)を祀る

★中臣連(なかとみのむらじ)
宮廷の神事を司った古代の名門氏族

★忌部首(いむべのおびと)
中臣氏とともに宮廷の神事を司った氏族

★猿女君(さるめのきみ)
宮廷の祭祀、特に鎮魂の儀に舞楽を奉仕する女性を世襲的に献上する氏族

★作鏡連(かがみづくりのむらじ)

★玉祖連(たまのやのむらじ)
神器である玉類を制作した氏族










古事記 天孫降臨・邇邇芸命の従者決まる

2020-12-09 14:17:46 | 日記
天児屋命
(あめのこやねのみこと)

布刀玉命
(ふとたまのみこと)

天宇受売命
(あめのうずめのみこと)

伊斯許理度売命
(いしこりどめのみこと)

玉祖命
(たまのやのみこと)

あはせて【五伴(いつとも)の緒】を支(わか)ち加へて、天降(も)りたまひき

ここに其の【をきし】
八尺の勾玉
草那芸剣

亦、常世思金神
(とこよおもひかねのかみ)
手力男神
(たぢからをのかみ)
【天石門別神】
(あめのいわとわけのかみ)

副(そ)へ賜ひて、詔りたまはく
「この鏡は専ら我が御魂として、吾が【前を】【拝(いつ)く】が如(ごと)いつき奉(まつ)れ。次に【思金神は前への事を】取り持ちて【政為(まつりごとせ)よ】」とのりたまひき



★五伴の緒
※伴→同じ職業に従事する部曲(かきべ)
※緒→部曲を統率する族長

★をきし
おき→招く
天の岩屋戸から天照大御神を招き出したことを言う

★天石門別神
あめのいわとわけのかみ
門を守る岩石の神
天の岩屋戸そのものの神格化か

★前を
神や天皇の面前であるが
転じて神や天皇そのものをさす

★拝(いつ)く
心身を清め、謹んで聖なるものに仕える

★思金神は前の事を取り持ちて
※天照大御神に関する祭事を引き受け執り行って
※古事記が思金神を特に重視していることがわかる

★政せよ
この主体は、文脈上は思金神
天照大御神に関する祭式上の実務


■こうゆうことがあって
●天児屋命
●布刀玉命
●天宇受売命
●伊斯許理度売命
●玉祖命

合わせて五つの部曲(かきべ)の族長にそれぞれの職務を分担させ、従者に加え、邇邇芸命は天降りした

その際に天の岩屋戸から天照大御神を招き出した八尺の勾玉と鏡、それに草薙剣の三種の神宝

それから
●思金神
●手力男神
●天石門別神

をも邇邇芸命に従わせ、天照大御神は「この鏡は、ひたすら私の御魂として、私に謹み仕えるように心身を清めて祀り仕えなさい。そして思金神は私の祭事を受け持って、祭式上の実務をしなさい」と言われた







古事記 猿田毘古神と天宇受売神

2020-12-09 12:51:39 | 日記
日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)、天降りまさむとする時、【天の八衢(やちまた)】に居て、上は高天原を光(てら)し下は葦原中国を光す神ここにあり

故、ここに天照大御神・高木神の命をもちて、【天宇受売神(あめのうずめのかみ)】に詔りたまはく
「汝(いまし)は【手弱女人(たわやめ)】なれども、【いむかふ】神と【面勝(おもか)】つ神なり。故、専ら汝(いまし)ゆきて問はむには、『吾が御子の天降りする道に、誰ぞかくて居る』ととへ」とのりたまひき

故問ひ賜ふ時、答へてまをさく、「僕(あ)は【国つ神】
名は【猿田毘古神】なり。出で居るゆえは、天つ神の御子天降り坐すと聞きつる故に、見前に仕へ奉らむとして、参向へ侍ふ」とまをしき

★天の八衢(やちまた)
天降りする道の八方に分かれた所

★天宇受売神(あめのうずめのかみ)
うずめ→おすめ→強く猛き女
大嘗祭、鎮魂祭に奉仕した猿女君(さるめぎみ)の祖神

★手弱女人(たわやめ)
かよわい女

★いむかふ
向き合う、対抗する

★面勝(おもか)つ
面と向かって睨み勝つ
気おくれしない

★国つ神
その国に土着の神

★猿田毘古神
(さるたびこのかみ)
※さ→五月女、五月と同じく、神稲の意味
※る→のと同義の助詞
※た→田
※神稲の田の神

■日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)が天降りされようとする時に、天降りの道が幾つにも分かれてている所にいて、上は高天原を照らし、下は葦原中国を照らす、異様な神があった

そこで天照大御神と高木神のは天宇受売神(あめのうずめのかみ)に
「おまえは、かよわい女ではあるが、対抗する神には面と向かって睨み勝つことができる神である。だからおまえ一人だけで行って、その神に「わが御子が天降りする道に、誰がそうしているのか」と尋ねよ」と言った

それで、天宇受売神が行って尋ねなさると、その神は答えて、「私は国つ神で、名は猿田毘古神(さるたびこのかみ)と申します。ここに出ておりますわけは、天つ神の日継の御子が天降りなさると聞いたものですから、その先導をいたそうと思って、お迎えに参ったのです」と申し上げた





古事記 邇邇芸命の母は、高木神(高御産巣日神)の娘、万幡豊秋津師比売命

2020-12-09 11:51:40 | 日記
この御子は高木神の女(むすめ)
【万幡豊秋津師比売命
(よろづはたとよあきつしひめのみこと)】
に御合まして生みませる子、
【天火明命
(あめのほあかりのみこと)】
次に、日子番能邇邇芸命
二柱なり

ここをもちて白したまひし随に、日子番能邇邇芸命に詔(みことのり)を【科(おほ)せて】、「此の【豊葦原水穂国(とよあしはらみずほのくに)】は汝(いまし)知らさむ国と言依(ことよ)さし賜ふ。故、命の随に天降(あまも)りますべし」とのりたまひき

★万幡豊秋津師比番命
(よろずはたとよあきつしひめのみこと)
※ゆろずはた→たくさんの機(はた)
※とよあき→稲の収穫の多い
※つ→の
※し→未詳
※機織りが盛んで豊な出来秋をもたらす姫
※思兼神の妹

★天火明命
(あめのほあかりのみこと)
ほあかり→穂赤り
稲穂の神
尾張連(おわりむらじ)の遠祖

★科(おほ)せて
言いつけるの尊敬語

★豊葦原水穂国~
(とよあしはらみずほのくに)
日本国の美称
以下は天孫降臨の神勅であるが、神代紀の一書には、天照大御神の神勅として「葦原の千五百秋(ちいほあき)の瑞穂の国は、是れ吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり。いまし皇孫(すめみま)就いでまして治(しら)せ。さきくませ。宝祚(あまのひつぎ)の隆(さか)えまさむこと、当に天壌(あめつち)と窮り無けむ」とある

■この御子は、高木神の娘の万幡豊秋津師比売命と、忍穂耳命が結婚して生れた子で、この両神の子は天火明命と、邇邇芸命の二柱である

忍穂耳命が進言なさったとおりに、先の二柱の神は、邇邇芸命に神勅を下されて、「この豊葦原水穂国は、おまえが治める国であると委任する。よって命令のとおりに天降りなされよ」と言われた