るるの日記

なんでも書きます

古事記 神武天皇となる御子生まれる 上巻終わり

2020-12-11 20:11:05 | 日記
この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあへずのみこと)
其のおば玉依毘売に娶(みあ)ひて生みませる御子の名は
五瀬命
稲氷命
御毛沼命
若御毛沼命★【神武天皇】
亦の名は豊御毛沼命
亦の名は神倭伊波礼毘古命

御毛沼命は浪の穂をふみて常世国に渡り坐し

稲氷命は妣(はは)の国として海原に入り坐しき

古事記 共寝した、おまえのことは忘れない、私が生きているかぎり

2020-12-11 19:55:46 | 日記
しかれども後は、其の伺ひし情(こころ)を恨みませども、恋しき心に忍びずて、其の御子を治養(ひた)しまつる縁によりて、其の弟(いろど)玉依毘売に附けて、歌を献(たてまつり)き

『赤玉は、緒さへ光れど、白玉の
君が装し、貴くありけり』
とうたひき。其の【ひこぢ】答へて歌日ひたまはく

『沖つ鳥、鴨どく島に、我が率寝し、妹は忘れじ、世のことごとに』
とうたひたまひき

故、日子穂穂手見命は高千穂宮に
伍佰捌捨歳(いほとせまりやそとせ)坐しましき。御陵(みはか)は【高千穂の山の西】に在り

★附けて
託して

★ひこぢ

★高千穂の山の西
鹿児島県姶良郡溝辺村大字麓字菅ノロ

■しかしその後、豊玉毘売命は火遠理命が覗き見した心を恨んではいたが、夫恋しさの心に耐えられず、その御子を養育することを理由にすがり、その妹の玉依毘売に託して歌を差し上げた

『赤玉は、それを通す緒まで美しく光りますが、それにもまして、白玉のような、あなたの姿は立派で美しい』とうたった

この歌を受けた夫の火遠理命は答えて

『沖ち鳥、鴨の寄り着く島で、私が共寝をしたおまえのことは忘れない。私の生きているかぎり』とうたった

日子穂穂手見命(火遠理命)は、高千穂宮に580年いた。御陵はその高千穂の山の西にある


古事記 火通理命・約束を破り出産中の豊玉毘売を見ると、、

2020-12-11 19:02:38 | 日記
其の言を奇(あや)しと思ほして、其の方(まさ)に産まむとするを窃(ひそか)に伺ひたまへば、八尋和邇に化(な)りて、はひ【委蛇(もごよ)ひき】。即ち見驚き畏(かしこ)みて遁(に)げ退(そ)きたまひき

豊玉毘売命、其の伺ひ見し事を知らして、心恥(うらは)づかしとおもほして、其の子を生み置きて
「妾(あれ)、恒(つね)は海つ道(ぢ)を通りて往来(かよ)はむと欲(おも)ひつるを。しかれども吾(あ)が形(すがた)を伺ひ見たまへる。これ甚怪(いとあや)し」と白して、【海坂(うなさか)】を塞へて返り入りましき。これをもちて其の産みませる御子を名(なづ)けて
【天津日高日子波限建鵜草葺不合命
(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあへずのみこと)】と謂ふ

★委蛇(もごよ)ひき
身をくねらせて動く
のたうちまわる

★海坂(うなさか)
海神の国と葦原中国との境
さか→境界

★天津日高日子波限建鵜草葺不合命
(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあへずのみこと)
渚にある産屋の屋根を鵜の羽で葺き終わらないうちに生まれた勇ましい神


■火遠理命は豊玉毘売命の言葉を不思議に思い、豊玉毘売命が子を産もうとする様子を覗き見すると、八尋もある大鰐に姿を変えて、這いのたうちまわっていた

火遠理命はこの有様を見るや、驚き、恐れをなして逃げ出した。豊玉毘売命は見られたことを知り、恥ずかしいことだと思い、御子を生み、その場に残して
「私はずっと海中の道を通って、この国と往き来しようと思っていたのに、それなのに、私の姿を覗き見なさったのは、まことに心外です」と言って、すぐ葦原中国と海神の国との境をふさいで、海神の国に帰られた

このようなわけで、豊玉毘売命が生んだ御子を命名して
天津日高日子波限建鵜草葺不合命
(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあへずのみこと)という







古事記 臨月の豊玉毘売命が海原から海上へやって来た

2020-12-11 18:12:55 | 日記
海(わた)の神の女(むすめ)の
豊玉毘売命、自ら参出てまをさく「妾(あ)は已にに妊身(はら)み、今産む時に臨(な)りぬ。こを念(おも)ふに、天つ神の御子は海原(うなはら)に生むべからず、故(かれ)参出到れり」とまをしき

其の海辺の波限(なぎさ)に、鵜の羽をもちて葦草(かや)にして、産殿(うぶや)を造りき。其の産殿未だふき合へぬに、御腹の急(せ)まるに忍びざれば、産殿に入り坐しき。

方(まさ)に産まむとする時、其の日子(火遠理命)に白して言はく「凡(すべ)て他(あた)し国の人は産む時に臨れば、本つ国の形(すがた)をもちて産うむなり。故、妾(あれ)、今本の身をもちて産まむとす。願はくは妾(あ)をな見たまひそ」とまをしき

■海の娘の豊玉毘売命は、自身で夫の火遠理命のいる葦原中国に出向いてきて「私はすでに身重になっていましたが、今ちょうど出産の時になりました。このことを思いますと、天つ神のの御子は海原で生むべきではないて思いまして、こうして出向いて来ました」と申し上げた

すぐ海辺の波打ち際に、鵜の羽を屋根をふく材料にして産屋を造った。その産屋の屋根をまだふき終わらないうちに、お腹の子の生まれる時が迫ってきて、耐えられなくなったので産屋に入った

まさに子を産もうとする時に、夫に
「すべての異郷の者は出産する時になると、本国の姿になって子を産みます。ですから私も今、本来の姿になって出産しようと思います。どうぞ私の姿を見ないでください」と申し上げた



古事記 火遠理命・火照命を服従させる

2020-12-11 14:45:34 | 日記
ここをもちて備に海の神の教へし言の如くして、其の鉤を与へたまひき。故、それより以後はいよよ貧しくなりて、更に荒き心を起こして迫め来。攻めむとする時、塩みつ珠を出して溺らし、其れ愁へ請へば、塩乾珠(しほみつたま)を出して救ひ、かく惚(なや)まし苦しめたまふ時、【稽首(のみ)白さく】
「僕(あ)は今より以後、汝命の昼夜の【守護人(まもりびと)】と為りて仕へ奉らむ」とまをしき

故、今に至るまで、其の【溺れし時の種々の態(わざ)】、絶えず仕へ奉るなり

★稽首(のみ)白さく
※のみ→頭を下げて願い頼む

★守護人(まもりびと)
護衛する。隼人が護衛する本録

★溺れし時の種々の態(わざ)
溺れ苦しむ時のわざの隼人舞の本録

■本国に帰った火遠理命は、手落ちなく海の神が教えた言葉のとおりにして、その釣針を兄の火照命(ほでりのみこと)に返した。

それから後は、火照神は次第に貧しくなって、荒々しい心を起こして攻めてきた

兄が攻めようとする時は塩みつ珠を出して溺れさせ、哀れみをこえば塩乾(ふる)珠を出して救い、このように悩ませ苦しめると、兄の火照神は頭を下げ哀願して
「私はこれからのちは、あなたの昼夜守護する者となってお仕えしましょう」と申し上げた

このことによって、今日に至るまで火照命の子孫の隼人は、その溺れた時のさまざまの仕草を演じて、ずっと宮廷に仕えるのである

♦️二重の主題
1 火遠理命が海の神の娘と結婚することで、農作に必用な水を制御する力を獲得し、国土を支配する威力を拡大させた

2 大和朝廷(火遠理命)が、阿多隼人(火照命)を服属させた