■仙厓(せんがい)
40歳で博多の聖福寺住職に
以後88歳でこの世を去るまで博多に住み、禅画もどきの戯画にあそび、俳句を書きなぐり、寓話や寓画をつくり笑いこけていた
★仙厓の戯画にはカエルがよく登場する。芭蕉の「古池や、蛙飛びこむ、水の音」を下敷きにしている
それらの戯画の中で大きなカエルが一匹うずくまっているのがある。尻と両手を大地につけ、体を上に向け、背をそらしている。表情はどこかを眺めてニンマリ笑っている
愛嬌があるが、どこか油断がならない不気味な面構えでもある
その脇に
「座禅して人が仏になるならば」
と書いてある
禅僧が座って悟るならば、カエルだって座っているから仏になる。仙厓がカエルにのりうつって芭蕉と格闘しているようだ
★バショウの葉が大きく描かれ、そばに小さく旅姿の芭蕉本人が立っている。
バショウの葉の下にはカエルが天を仰ぎ、飛び立とうとしている。白い腹には心臓の鼓動のピクピクが伝わってくる。前足を宙に浮かし後足を地につけている。
カエルの目線を上にたどると
「古池や芭蕉飛びこむ水の音」
という文字がサラッと書かれている
「芭蕉さん、さあ飛んでみな」
誘いをかけるカエルにのりうつった仙厓和尚の軽やかな声がきこえてくる
そこには非僧か?非俗か?の緊張が消えていく。ほどけていく。そんなもんあるものか、である。
これこそ【軽みの世界】。
この世界の中に芭蕉の本領が浮かび上がる。
日本の根っこに流れつづける太い地下水脈。大地から吹き出す固有のリズム。。ユーモア。アニメ。コンカフェ。オタク、、、
」