■私達は初めての場所に行く場合、スマホを使っても道に迷ったりする。また会社に入ったばかりの新人は、数ヶ月後には簡単にこなせるようになる仕事でも、初めての場合はうまくこなせない
これは過去の経験に照らし合わせて行うことができない、つまり何も参考にするものがないため起こる
初めてのことは何でも難しい
さらに初めてのことを、初めてと認識せずに「いつも通り」こなそうとすると、多くの場合、悲惨な失敗に陥る
仕事における初めてを特定し、対策をたてよ
■1955年、ある街に新たな建築物を建設することになり、その設計に関するコンペが開催された。全部で200件を越えるデザイン案が提案された。多くのデザインの中からどの1つを選ぶべきか、審査員たちは頭を悩ませた
そんな時、審査員の1人が、1次審査で落とされたデザインの1つを取り出し「諸君、これが私達の街の新たなランドマークとなるにふさわしい建築物である」と叫び、それが採用された
1959年、建設作業が開始された、、だが、、当初の完成予定時期を過ぎても一向に完成しない。建設費用も増えていく。そのうちデザインを考案した人はプロジェクトから外された
結局、完成したのは、当初の予定日から10年後。建設費用は当初の14倍にも膨れ上がった。この建築物は、オーストラリアのシドニーにあるオペラハウス
オペラハウスの屋根の形は極めて独創的。だがあのような形が力学的に安定した建物として存在できるのか、当時の建築技術では検証できなかった
にもかかわらず「デザインが素晴らしい!早く完成させたい」という気持ちから設計作業が完成するまえに工事が開始された。つまり【世界ではじめてのデザインを持つ建築物なのに、十分な設計を経ずして、工事期間と建設費用を決めたのだ】
これではその期間内と費用内で完成できるはずはない