るるの日記

なんでも書きます

古事記 須佐之男命のきいさち 母の元へ行きたい→追放

2020-11-26 14:00:50 | 日記
伊耶那岐大御神、速須佐之男命に詔りたまはく「何のゆえにか汝は事依せし国を治めずて、哭きいさちる」とのりたまひき

答へて曰さく、「僕は★妣(はは)の国根之堅州国(ねのかたすくに)にまからむと欲(おも)ふが故に哭く」とまをしき

伊耶那岐大御神いたく忿怒(いか)りて詔りたまはく「然らば汝(いまし)はこの国に住むべからず」とのりたまひて、乃ち★神(かむ)やらひにやらひ賜ひき。故、其の伊耶那岐大御神は★淡海(あふみ)の多賀に坐すなり

■【伊耶那岐大御神が速須佐之男命に向かって、「どうしたわけで、おまえは私の委任した国を治めないで、泣きわめくのか」と言われた

須佐之男は「私は亡くなった母のいる国の、地底の片隅にある根之堅州国に参りたくて泣くのです」と申し上げた

伊耶那岐大御神はひどく怒って「それならば、おまえはこの国に住んではならぬ」と言われて、すぐに須佐之男命を追放してしまわれた

さて、その伊耶那岐大御神は近江の多賀に鎮座している】

★妣→死んだ母、伊耶那美命

★根之堅州国
根→地底
堅州→片隅または固い砂

★神やらひにやらひ
神→神としての行動を示す
やらひ→追放、重ねたのは強めるため

★淡海(あふみ)の多賀に坐すなり
※滋賀県犬上郡多賀町の多賀神社に鎮座。伊耶那岐命の終焉地

※淡海を淡路とすれば、兵庫県津名郡(淡路島)一宮町多賀の伊弉諾神宮

※国生みの時に淡路島が最初に生まれた点などを考えると、淡路島の方を古伝とすべきか




古事記 須佐之男命啼く 草木や川海をすいとり啼く

2020-11-26 13:20:10 | 日記
故、各(おのも、おのも)依(よ)さし命の随(まにま)に知らしめす中に、速須佐之男命、命(よ)させし国を治めずで、★八拳須心前(やつかひげむなさき)に至るまで★啼きいさちき

其の泣くさまは、★青山は枯山如(からやまな)す泣き枯らし、河海はことごとに泣き乾(ほ)しき。ここをもちて悪しき神の音(おとなひ)、狭蠅如(さばへな)す皆満ち、万(よろず)の物の妖(わざはひ)ことごとにおこりき

■【それぞれ伊耶那岐命の委任された命令のままに治めていたが、中で速須佐之男命だけは委任された国を治めないで、長い髭が胸先に垂れ下がるほど大人になるまで激しく泣きわめいていた

その泣く有様は、青々と草木の生えている山を、枯木の山にするほど激しく泣いて枯らし、川と海を泣く涙に吸いとって、すっかり干してしまうほどだった

その結果、禍をもたらす悪神のたてる物音は、五月ごろ湧きさわぐ蠅のようにあたり一面に満ち、様々な悪霊による禍が至るところに起こった】

★八拳須心前(やつかひげむなさき)
※大人になるまで
※やつか→長いこと
※須→髭

★啼きいさちき
※激しく啼く

★青山は枯山なす泣き枯らし
河海はことごとく泣き乾しき
※涙の方に水分が吸いとられるので、草木が枯れ、川や海が干される
※暴風神としての属性

★狭蠅如(さばへな)す皆満ち
さ→五月・早苗・早乙女
田植えをする五月の、蠅の大群のものすごさ

★万の物の妖
物→物の怪
悪霊




古事記 三貴子の分治 伊耶那岐命 三人の子に治める領域を委任

2020-11-26 12:24:26 | 日記
■此の時、伊耶那岐命いたく歓喜(よろこ)びて詔りたまはく
「吾は子を生み生みて、生み終(はて)に三(みはしら)の貴(たふと)き子を得つ」とのりたまひて、即ち御頸珠(みくびたま)の玉の緒もゆらに取りゆらかして、天照大御神に賜ひて詔りたまはく、「汝命(いましみこと)は高天原を知らせ」と事依(ことよ)さして賜ひき。故、其の御頸珠の名を御倉板挙之神(みくらたなのかみ)といふ。

次に月読命に詔りたまはく、「汝命は夜之食国(よるのおすくに)を知らせ」と事依さしき。

次に建速須佐之男命に詔りたまはく、「汝命は海原(うなはら)を知らせ」と事依さしき

■この時に伊耶那岐命は、たいへんに喜んで「私は多くの子を生みつづけてきて、その最後に三柱の立派な子を得た」と言われて、すぐに首飾りの珠をゆらゆらと音をたてながら手にとって、それを揺すり鳴らして、天照大御神に授け言う「おまえは高天原を治めなさい」と委任し、授けた。その首飾りの玉の名を御倉板挙之神(みくらたなのかみ)という

月読命に言われるのは「おまえは夜の世界を治めなさい」と委任された

建速須佐之男命に言われるのは「おまえは海原を治めなさい」と委任された





古事記 伊耶那岐命の禊祓 身体を漱ぐことで生まれた神々、天照大御神もここで生まれた

2020-11-26 11:49:40 | 日記
■水底に漱きたまふ時、成れる神の名は
1 底津綿津見神
(そこつわたつみのかみ)
底筒之男命
(そこつつのおのみこと)

中に漱ぎたまふ時、成れる神の名は2 中津綿津見神
(なかつわたつみのかみ)
中筒之男命
(なかつつのおのみこと)

水の上に漱ぎたまふ時、成れる神の名は
3 上津綿津見神
(うはつわたつみのかみ)
上筒之男命
(うはつつのおのみこと)

此の三柱の綿津見神は、阿曇連(あづみのむらじ)等の祖神(おやがみ)といつく神なり。故、阿曇連等は、綿津見神の子、宇都志日金析命(うつしひかなさくのみこと)の子孫(うみのこ)なり

底筒之男命・中筒之男命・上筒之男命の三柱の神は、墨江の三前の大神なり

これに左の御目を洗ひたまふ時、成れる神の名は、天照大御神
次に右の御目を洗ひたまふ時、成れる神の名は、月読命
次に御鼻を洗ひたまふ時、成れる神の名は、建速須佐之男命

■【水の底に潜って身を洗い清められる時に生まれた神の名は
海を司る底津綿津見神
航路を司る底筒之男命

水の中で身を洗い清められる時に生まれた神の名は
中津綿津見神
中筒之男命

水の表に出て身を洗い清められる時に生まれた神の名は
上津綿津見神
上筒之男命

この三柱の綿津見神は、安曇連たちが祖神として、いみ謹んでお仕えする神である、わけは安曇連たちは、綿津見神の子の宇都志日金析命(うつしかなくのみこと)の子孫だからである

底筒之男命
中筒之男命
上筒之男命
三柱の神は住吉神社に祀られる三座の大神である

黄泉国の穢れを見た
左目を洗った時に生まれた神の名は天照大御神

右目を洗った時に生まれた神のは
月読命

黄泉国の穢れを嗅いだ鼻を洗った時に生まれた神の名は
建速須佐之男命

以上にあげた十柱の神は、身体の穢れを祓で洗い清めることによって生まれた神である】

★阿曇連
阿曇(安曇)は氏、連は姓
志賀島(福岡市志賀町)を本拠とした海人族。この島の志賀海(しかのわたつみ)神社は三柱の綿津見神を祀る

★いつく神
※斎く
※心身を清め、謹んで聖なるものに仕える

★宇都志日金析命
うつしひかなさくのみこと
名義未詳

★墨江(すみのえ)の三前の大神
住吉神社の三神
清の江
福岡市下関市の住吉神社は歴史が古く、日本三住吉と称される

綿津見神と、住吉の神を祀る古社は、北九州から壱岐、対馬にかけて分布し、大陸と航海を守護する海神の宗教圏を成していた

前→神を数えることば

★天照大御神
※天にあって照りたまう大神
※自然神としては日の神
※人格神としては女性の皇祖神
※伊勢内宮の祭神、神体は八咫の鏡

★月読命(つきよみのみこと)
※読(よみ)は数を数える
※月齢を数える神
※月の神
※壱岐は月読信仰の本拠で月読神社がある

★建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
※勇敢敏速に荒れすさぶ男の神
※すさ→出雲国飯石郡の須佐で、この首長がスサノオ説
※荒(すさ)ぶのスサ説
※出雲の英雄神で、暴風、農耕、植林、冶金などの神としての属性をもつ
※鼻から生まれたのは、鼻(風)は息を出す器官であり、この神の属性の一つが暴風神であるため



古事記 伊耶那岐命の禊祓 禍を直す神生まれる

2020-11-26 10:10:14 | 日記
その禍(まが)を直さむとして成れる神の名は
★神直毘神(かむなほびの神)
大直毘神(おおなほびのかみ)
★伊豆能売(いづのめ)

■【その禍をもとの状態に直そうとして生まれて三神が生まれた】

★神直毘神
※神(かむ)→美称
※禍をもとの状態に直す霊力をもった神
※直毘→古神道の中心(本居宣長)

★伊豆能売
祭祀に奉仕する神聖な巫女
ここにこの神を配したのは、三神にするためか