忘れてしまっていた頃に、図書館から手に入った「ぼくはイエローで・・・」。
予約待ちが我が図書館は157番目、利用できるお隣の市では27?番目でした!
隣の市の方が図書館利用率が高いということ?
アイルランド人の夫と息子と3人で、英国の南端にあるブライトンという街で
20年以上前から暮らしている作者ブレディみかこのノンフィクション小説です。
様々な文化や慣習を持つ人々が暮らす英国の中で、人種差別、女性差別、階級差別や
社会格差を元・底辺中学校に通う息子の学校生活を通して英国の地ベタ事情を語っ
ています。
意外だったのは、「チャヴ(chav)」と呼ばれている労働者階級の英国白人の殆ど
が元・底辺中学校に通っていることです。
人種多様性のある学校が優秀で、リッチな学校という奇妙な構図が出来上がっている
ようです。
英国の子どもたちは小学生のときから「子どもの権利」を繰り返し教わり、大切な
問題である「エンパシーとは何か?」など、日本でいう「道徳・倫理」の授業に力を
入れているのを感じました。
「英国人は傘をささない」という説を以前から聞いていて、実際に英国旅行した時
に、かなり本降りの雨の中をイケメンの英国青年、紳士たちが傘もささず濡れながら
闊歩しているのを見ました! この本にも男子については本当だと書かれていました!
中学生になった息子が「男が傘なんてさして歩くなんてかっこ悪い(uncool !!)」と。
Cool ! (^_-)~☆☆☆
他にもいろいろと勉強になりました。
雇用主の都合次第で勤務が「0時間」になる可能性もある「ゼロ時間雇用契約」とか、
英国の公立校の「フリー・ミール制度」という福祉制度がある等多くの事を知りました。
「slit eyes (つり上がった目)」、「What the hell is that? (なんじゃこりゃ)」、
「posh(中流階級の家庭)」、「spring roll(春巻き)」等々たくさんのカタカナ語で
語られていました。
重くなりがちな話題を自然にあっさりと大袈裟でなく紹介されていたので、素直に
理解出来ました。