よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

住まいづくりの進め方ー2

2009-07-23 09:34:35 | とりとめもなく

 先週、ご夫婦とお子さま一人連れでお客様が見えられ、8畳程度の居間を増築したいとの相談で、8年前に本屋の隣に若夫婦の新居を新築され、子供が出来、狭くなったので家族がくつろげる居間が必要になって、どのように進めるか検討しているとのお話でした。  

 過去に、当社が設計し完成した実例を説明したところ、「同じ3000万で建てた家でも全く違う」とのお話で、詳しく聞けば、8年前に大工さんにお願いして建てた家が、30坪未満の広さで、建設費用が3000万円要ったとの話でした。  

この話を聞いただけでは、高いとは言えないだろうが、問題は納得された建物なのかどうかの問題なのだろう。 お客様に対し、家の広さを決める際に10年後の事も見越した上で、決めたのだろうか?、 

 又、建材においても、一本10万円の柱もあれば、2万円の柱もあり、それらも含めて検討されたのかどうかによって建物の金額を大きく変えていく。  家の善し悪しは、建設費によって決められるものではなく、各々の持ってる予算をどれだけ生かせるかが、その建物の価値を決める。 その為には、建築主が主導でなければならず、建設業者主導の中では満足出来る建物はできないと言えるだろう。  

施工業者に依頼し建物を進めると、どうしても業者主導で進み、手間のかかる要望は予算の理由で却下されてしまう場合が多く、面倒な工事は請けない方が利益があがるという考え方が、施工業者の考えの中にはあり、建築知識のない建築主には、業者の要望通りの費用を認めるか、或いは諦めるしか選択肢は無い。  

 このような場合、業者としてはどっちらに転んでも損は無く、進んでくれれば利益はあがり、諦めてくれれば面倒な手間のかかる工事は避けられる事になる。 

このようにして、知らず知らずのうちに夢は縮小され、「何故出来ないのか?」とうい疑問がおきる前に、予算という問題を提示され、それに対抗する知識や、方法論は、専門知識に乏しい依頼主には無く、費用を出すか出さないかの選択となる。  

 物を作る中には工夫という知恵があり、その知恵は良い住まいを作りたいと思う意識の中から生まれ、利益を意識しない純粋な思いから生み出されてくるのだろう。