私が小学生の時、親父は一世一代の想いで家を建てた。
家族全員が家造りに加わり、土壁を塗り、木に塗料を塗り、夜遅くまで家族で家造りをしたのだった。
今のように広くはなく、家族9人が暮らせる家にしたは狭く30坪程度の平屋ではあったが、出来上がったときの喜びと、新築の家のにおいは
今でもはっきりと思い出すことが出来る。
多分その頃、私の中に家を作る楽しみや喜びが心に残り、今こうして
住まい作りに携わる仕事をしているのだろう。
物を産み出す喜び、わくわく感、家族みんなが同じ方向を向き、汗をかき仕事が終わったとき、みんなでおにぎりをほおばった時の美味しかった味は忘れられません。
時代は変わり昔のような家造りをしている人は少ないだろうが、
でも、その思いは今でも変わっていないと思います。
少ない資金の中で、出来る限りの想いを実現しようと家族みんなが参加した家造り。
そんな価値ある家造りの過程を、少しでもクライアントの皆様に味わってもらい、参加した喜びと、自分が作り上げた愛着を持って、そんな家で暮らしていただければと思っています。