よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

試練

2011-02-22 07:49:02 | 住まいづくりの進め方、考え方

昨日、知人の紹介で店舗建設にあたり設計事務所に図面を依頼し、施工業者に見積もりを依頼したところ予定予算3000万を超え4400万円の見積もりが出たので相談に乗ってほしいと言う事だった。

三社から見積もりを取ったが4400万円が一番安い見積もりだったらしく、
一番高い業者はいったいいくらででたのだろう?
設計された図面を見せてもらい、見積もり書も見せてもらったが、たかくつく要素はいくつかあり、施主の要望を満たすため高くなったものもありそうだった。

高くついた大きな問題は設計者にあり、もしその設計者が依頼者の予算を
意識し設計していれば1400万円も予算をオ-バ-する筈はなく、
調整可能な予算が出た筈で、今回の見込み違いの責任は設計者にあると言える。

設計するにあたり設計者がまずやらなければならないのは、店舗に必要な備品、設備など店舗を動かすうえで必要なものの金額をだし、予定予算から
その金額を引いた残りの金額で建物を考えなければならないはず。

ところが図面をみれば100㎡の平屋建ての店舗を鉄骨造で設計しており
鉄骨造にした理由は開口が広すぎ鉄骨でなければ作れないとの理由だったと言う。

予算の中から言えば鉄骨造を提案すれば予算の範囲内でできない事は
プロであればすぐに分かる筈。
予算の中から備品の費用を引けば、1500万~1700万円で出来る
建物を設計しなければならず、鉄骨造は論外となるだろう。

木造基礎と鉄骨造の基礎を比較しても、100万円の差額はでてくるはず。
多くの設計者が建物の費用がわかっていない。
だから、入札の手段を使わざるを得ない。

複数の業者から見積もりを取り、その中から安い業者を選ぶ方法が殆どで
もし設計者が予算を見極める事が出来れば入札をする必要がなく
安心のできる施工業者と膝詰めの金額交渉をすれば予算を極端にオ-バ-することはない。

依頼者は建築の知識はなく 設計者を信じ自分の思いを託し
予算を預ける。
その予算を生かせず、設計された図面は商品とは言えず予算にはまらない
図面は単なる絵でしかない。


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