よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

日本人の価値観

2010-06-30 08:32:17 | とりとめもなく

私達日本人は、選択肢を迫られたとき、自分の奥の心まで探ることなく、その時の感動の大きさだけで決めてしまいがちな 気質を持っている。
契約して頂いたら 50インチの液晶テレビが付いてきます、とかそんな感動につい心が動かされ、契約という最も大事な事を忘れてしまい、乗ってしまう。

過去に、出会ったクライアントと、設計契約を交わし、半年間をかけ打ち合わせをし、
建物を造るだけの関係ではなく、信頼も生まれお互い気を許しあって、住まいづくりに
懸命になっていた。

プランも出来上がり、本設計図まで完了し、全てを確認して積算している途中で、クライアントのところに ハウスメ-カ-が訪れ、この「図面に書かれている柱を全て4寸の柱にしましょう」・・・と言ったそうで、ことらはまだ積算も出来上がっていないにも関わらず、
「貴社と進めてきた 設計を白紙に戻したい」と電話があり、理由を聞くと、「柱が4寸になるから」という単純な理由からだった。

では、「この人にとって今まで打ち合わせてきた 6ヶ月間は一体何だったんだろうか?」との疑問だけが残った。
4寸の柱を使うことが 家を建てる理由では無いはず!

自分の想いを伝え、それを設計図に書きその時々の感動が積み上がり、その重さを知りながら、住まいに思いが組み込まれ、自分達のライフスタイルが生まれ、思い入れを形にするのが 「住まいづくり」の最も大事な事であり、大事な6ヶ月であったはず。

ところが、人は その人の価値観や、人の心を大事に考えず、一瞬の感動の大きさに出会ったとき、本質を忘れてしまい、その時いいと感じた事に心を奪われ、楽観的に事を決めしまい、物にはない、「人の思い」や、「心」を簡単に切って捨ててしまえる優先順位を持っているようだ。

4寸柱は物理的な大きさであり、物を創り上げる事は、物理的な物では計れない筈なのに、瞬間的に満たしてくれる刺激に弱いのが 日本人なのかも知れない。



 


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