よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

建物の金額

2010-10-24 17:27:41 | 住まいの原価

わが国には建物の金額を坪単価で表現し、大体の目安としている。
これは、過去の大工さんが見積書として予算組みをせず、「大体こんなもんやろ!」とアバウトで過去の実績から表現した予算が、今尚残っており、「坪単価25万で家が出来ます」・・と売り物にしているフランチャイズ会社も存在する。

聞くところによると、多くの訴訟を抱えているとか聞くが、常識的に考えても、何処から何処までが25万なのかわからないまま、坪単価のいい加減さに惑わされ、依頼し結局、住めるようにするには倍ほどの金額が必要になる場合があると聞く。

信頼させるのが悪いのか、信頼するのが悪いのか?
その辺は微妙なところでも有るが、「私たちは素人ですから」と言う事になるのだろうが、その言い訳を使うときは既に被害に遭ったときが多く、出来ればその前に転ばぬ先の杖を持たなければ
損をすることになる。

近年 消費者保護法が確立され、弱い消費者を守ろうとする法律が
かえって、消費者を弱いままにし、何処かで誰かが守ってくれると言う
依存体質から抜け切れなくなるのではないだろうか?

基本は、「自分の身は自分で守る」ということが大事なことであり、
全てを法律で片付けようとする事に疑問を感じてしまう。

以前にも書いたが、日本には商品の金額表示に、定価があり、売価があり、原価がある、定価と原価の差は大きく開き、誰も「この原価は御幾ら?」とは聞かないし、また聞いても言ってくれない。

日本の流通の複雑さの中で、どの時点を原価と呼ぶかが問題ではあるが、手に入れられる最短の流通時を原価と表現するしか無いのかもしれない。

例えば システムキッチンを例に取ってみると、キッチンメーカーの展示場があり、そこで仕様を決め後日見積書として提示されるが、それはあくまでも定価ベースの金額で、工務店が決まらない限り、ネット金額は展示場では教えてもらえない。

つまり、我々はキッチンメーカーからは直接買うことが出来ないシステムになっており、キッチンに限らす、日本の流通は殆どがこの販売方法となっており、結局工務店を通じて、交渉しなければならないのが現実であり、工務店に入る金額を、原価と考えて予算を組み上げなければならない。

結局、この複雑さの中では、一般消費者が原価を追求するのは容易なことではなく、商品知識を実につけ、交渉術を、駆使しないと商品は安くならず、結局施工業者に任せてしまい、安いのか高いのかもわからないまま、家が出来上がってしまう。


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