日本人としてのアレ。

通りすがりで会ったなら、その出会いを大切にしたい

『人生変えちゃう、300円』

2018-10-21 | ラーメン
最近、担々麺にハマっている。




だけど、食べると絶対にお腹が痛くなる。



痛くなって、お店を出た時に、すぐにコンビニに入った。





トイレには誰かが入っていて、立てこもり犯を追い詰めるSWATばりに蹴破ってでも入りたかったが、そんな風に力を入れたら、うんこぶりぶり事件発生って感じだったから、無言で我慢。



悟る、寸前まで無の状態で待機。






そのトイレから作業着のオジサンが出てきた時、


小学生の男の子が、「ゆうすけ!トイレ空いたよ!」と言って、友達を呼びに行った。








え?そんな・・・・・・・・


俺は、もう、「中道で生きる」と決めた仏陀状態なのに・・・







奇妙な偶然とは起こるもので、僕の名前も、「裕亮(ゆうすけ)」と言う・・・





ゆうすけ少年!!!!

申し訳ない!!!並んでいなかったお前が悪いんだ!!世間は冷たいと言う事を思い知れ!!


ゆうすけオジサンには、もう時間がないんだ!!!!








小学生の頃の自分から顔を背けるように、僕はトイレにイン!!!!


圧倒的苦悩からの解放。






ふぅ・・・・・と落ち着いたのも束の間、もしかして、ドアを開けた時に、ゆうすけ少年が俺を恨むような目つきでうんこを漏らしていたら、



僕は、煉獄から出られないだろう。




ゆうすけオジサンは、トイレで悩んだ、その悩んでいる時間も一刻の猶予もないゆうすけ少年には、永遠とも思えた絶望的時間だったかも知れない。




しかし、よく考えると、トイレは二個あった。


もう一つは女性用だ。










ゆうすけ少年!!

間に合わないなら迷うな!!!と俺は思った、



だが小学生くらいだと、男性や女性と言う事に敏感な年ごろだ、女性用トイレに入るのは、迷宮!!!!




ウォシュレットを強めて早く出ようとすればするほど、まだ俺のうんこは俺をトイレに縛り付ける・・・






解決策はないのか?!


幸い、、、僕は大人で多少なりとも経済力がある。







よしここは、トイレットペーパーの棚の上に、いくらかの小銭を置いて、出て行こう。

もし、トイレから出て、ゆうすけ少年が女子トイレに入って事なきを得ていたら、この小銭をまた持って帰ればいい。

そうしよう。






いくらにするか考えた。

最初は500円四枚置いて、友達と二人で分けてくれと思ったが、

1000円ってなると、子供にとっては大金だ。




お菓子を買って帰るとなると、全て食べきれないかも知れない。

なので、500円にしようかと思ったが・・・そうすると半分こで、250円。




んーーーっと迷った挙句、100円三枚を置くことにした、決めたら即行動、



ささっと出て、、ゆうすけ少年の安否確認。





幸い、ゆうすけ少年は、俺が思っていたほどヤワな人間じゃなかったらしい・・・一安心、ゆっくりとトイレの中に入っていった。



もしかしたら、心の中ではブッダになりかけていたかも知れない。








僕は、「俺の300円、受け取ってくれよ」と思って、本棚のコーナーにいた・・・





心の何処かで、ゆうすけ少年に無言で盗って行って欲しくはなかった。







その刹那、ドアが開き、ゆうすけ少年は将来の自分、つまり俺に向ってこう言った。




「オジサン、300円忘れてますけど・・・」


お、、、お前!!まだそんな余裕があったのか!!大丈夫だったんだな!!!良かった!!!




僕はこう言った「偉いね、あげるよ、300円」






ゆうすけ少年の友達は、何が起きているのか解らず、ポカンとしていた。





ゆうすけ少年「いいんですか???」




ゆうすけオジサン「うん、いいよ、今日暑いから、アイスでも買いなよ」






ゆうすけ少年は一瞬考え、「アイスか・・・チョコでもいいですか?!」と純粋な質問を、トイレの順番も守らないオジサンに聞いてきた。





ゆうすけオジサンは、「300円は、君達にあげるから、好きなものを買ってよ」とだけ言って、立ち去った・・・。










トイレの順番を守りもしないくせに、子供に300円を握らせ、少し「良い事をした」なんて気分になった。



ゆうすけ少年には、僕みたいになって欲しくない。



罪悪感を300円で買い戻す、汚い大人になんて・・・





















これは余談だが、ゆうすけ少年や、その友人が、親にこの事を伝えたのかも、もちろん知る由もない。





もしかしたら正直に話して、知らないオジサンさんからお金を貰うな!と怒られたかもしれない。


親に黙って、こっそりチョコを食べていても、問題ない。




正直にオジサンに伝えたら、きもちよく300円貰えた。

だまっていたら、300円を取ったという罪悪感が芽生えたかもしれない。









ゆうすけ少年へ。



これから起きる人生の選択肢は、全て自分で決めるのだ、



全て自分で決めて、自由に生きて行こう、俺も頑張って生きていく。




俺がうんこを漏らしそうになった時、また会おうな、そしてその時、俺は君に「あの時はオジサンを許してくれてありがとう」と言う、男と男の約束だ。












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