『ユニークな方』

毎日、色々な所で、色々な方に手品を見てもらっていると、本当にユニークな方に出逢います。

それが楽しくて、『ながしの手品師』してるんですけどね。

昨日は、結構濃い変な人に会ったので、一応。

まず、『いい人』から、基本的にいきなり飛び込み営業なんで、誰も手品なんか見たくない状況です。

その空気を自分のものにするのは、そこそこ大変だったりします、ほぼ門前払いですからね。

でも、たまに面白がって観てくれる方もいらっしゃいまして、本当に感謝です。

とあるスナックで、お客様に披露したあとに帰ろうとしたら、奥の方で座っていた、ちょっと怖目のスーツをお召しになられた方が『おい、小僧、勝手に手品かなんだかやってタダで帰るんかい！』と・・・（場所代払え、みたいな雰囲気ね）

うお！久しぶりにきたぞ！こういう怖い人！！と思って・・・、あー、この店のオヒネリは無しになるのか・・・と残念に思った刹那。

徐に胸のポケットに手を入れ、拳銃でも取り出すのかと思ったら、お財布を取り出し、『なんか楽しそうだったじゃねーか』と言いながら、全然僕の手品も見ていないのに、×円のオヒネリ。

えぇ？こんなにもらっていいんですか？僕何もしてないのに・・・と思いましたが、素直に受け取り、目をしっかりと見て大きな声で『ご馳走様です！！』と言いました。

ママさんもニコニコしながら、『そんだけもらったんだから、早く帰って』みたいな顔してたので、そそくさと帰ろうとしたら、『一杯飲んで行け』と、断る訳にもいかず、少し飲みました。

怖いなぁーとか思いながら(笑)

で、なんで僕が手品をしているのか？とか、そんな話を聞いてもらえて、最後には『俺も、お前みたいな生き方したかったよ』と言ってくれて、徐にもう×円。

さすがに受け取れないと思い、『僕、何もしてないので、ちょっと貰えませんよぉー』と言うと、『お前、俺の金が貰えないのか？！』と、ちょっとお怒りになられたので、『あ、やべぇ！』と思って、すぐ、『いや、いただきます！有難うございます！』と言いました。

で、さすがに何か手品をしようと思ったら、『手品なんかいいんだよ、それ飲んだら早く帰れ！今日はもうそれで充分だろ！』と言われて・・・(笑)

いや、本当に充分です、と思いながら、お店に響き渡る大声で『ごちそうさまでした！！』と叫び、店を後にしました。

たった、40分位で×円・・・。

本当は帰ってもよかったんだけど、もう少し頑張らないと・・・と思い次の店へ。

この日は、本当にラッキーとしか思えなく、次の店（居酒屋さん）でもいきなり×円。

マジックを一個しかしていないのに、いきなりでした。

すると、四人で飲まれていたお仲間のもう一人（サラリーマン風）が『あげすぎだよ！』と何故か、本気で切れだす。

オヒネリをくれたお客様は『いいんだよいいんだよ』と、言ってくれましたが、切れてる人は、『こんなペテン師に金なんかやる必要ねぇ！！』と、まぁ、言いたい事分かるけど、僕は心の中で『いや、お前の金じゃねーじゃん(笑)』と思ってました。

その人があまりにも大きな声で僕に罵声を浴びせてくるので、お店の人もカウンターから出てきちゃって、なんだか僕がトラブルを起こしたみたいな空気になりました。

勿論、あとで事情を説明したけどね。

『テメー！今、いくらもらったんだよ！』と、今にでも飲んでるビールを浴びせて来そうな勢い、だんだん僕もムカついてきたので『あなたから貰ってませんよね？』と言いそうになったけど、そこは我慢我慢、笑って誤魔化す！！！！

オヒネリをいただいたお客様は、『もう、いいよ、楽しかった！お前の生き方へのチップだ！』とか、また嬉しいお言葉をいただける。

で、切れてる客『納得いかねぇー！納得いかねーよ！○○ちゃん！』とか、今度は自分の友達にも切れ始める。

すると、今まで静観していた、Cさんとしておきましょうか、Cさんが『じゃ、もう一個なんかやって！』と・・・

うわぁ！！この状況でリクエストっすか？！

まー、リクエストがあれば、喜んでやりますけど・・・、ご友人が、ムッチャ切れてますよ・・・と内心『こんなんじゃ、何やってもウケないだろー』と思いつつ、すぐ終わるカードマジック！

日本人としてのアレ。