標記の通り、先週の土日に富士山に登ってきた。
登山に関しては本当にド素人のくせにいきなり富士山に登った。そして登頂を果たした。
しかも山頂からのご来光を見るということで、
真夜中、真っ暗な中をヘッドランプをつけての登山。
自分でもこんな体たらくな生活を送っている人間が日本のてっぺんに立ってしまっていいのだろうかという印象である。
結論から言うと、インストラクターが言うには自分が参加した中で、
最も天候がよく、雑誌に載せてもいいんじゃないかという位のご来光ぶりだった。
天気もよく、雨が降らず、ご来光もバッチリ。
この上なく、天候に関しては恵まれた。
まぁ、そこまでご来光に関心を払っている余裕はなかったけど。
今回の登山に関しては富士登山用のグッツを揃える事が何より楽しかった。
何ヶ月も替えから少しずつ登山用品専門店に通い、
着実に装備を揃えていく。
しかも『今年は登るぞ!富士登山ガイドブック』なるものを購入し、
準備と知識は万全であった。
特にその中で恐れていたのは高山病。
その対策として、酸素缶×2本、酸素入り水×2本、加えて食べる酸素まで購入して臨んだ。
周りからはどんだけ高山病を恐れているんだと揶揄されることもあったが、
今考えるともっていってよかったと思う。
では時間を少し遡って、誰も興味はないだろうと思われる俺の富士登山っぷりを、
順を追って書いていこうと思う。
10日金曜日、この日は普通に仕事。
仕事終わりに速攻新宿のエルブレスへ。残っていた最後の荷物を購入。
その後、飯を食って帰宅。
パッキングに思いの外時間がかかり、9時に寝るはずが12時近くになってしまった。
明日は5時おき。土曜日なのに。
そして新宿に6時45分集合…早えよ…
11日土曜日、起きたら4時50分。
…そして次に起きたのは5時35分。
最寄り駅に集合するのは5時45分というとんでもない状況下で富士登山は始まった。
5分で風呂入って、ダッシュ。
このときに既に体力を消費した。
同行するメンバーと合流。
新宿に到着、メンバーは揃い、都庁前バス停留所へと移動。
このときはみんな元気だったなー…
ピクニック気分で朝飯食ったり、しゃべったり。
このときはみんな元気だったなー…
そしていよいよ、新宿から富士山に出発。
途中、談合坂Pに寄ったりして、富士スバルラインに入り、五合目に向かう。
車内で金剛杖を購入できるということになり、ミーちゃんハーちゃんな俺は購入した。
富士山では途中途中の山小屋で、その金剛杖に焼印を押してくれるのである。
それがどうしてもやりたくて。
絶対に登山の邪魔になるのは明らかであったが、その欲望に負けて買ってしまった。
山小屋ドリンク50円引き券なるものも頂いたのだが、
実際の山小屋ではそんなものを思い起こすほどの余裕なんて一切なかった、なんてのは後の話。
富士スバルラインの五合目に到着したのは11時30位。
ここから13時までの時間は高度順応の時間&登山準備&昼飯の時間。
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余り美味くなくて高いラーメンを食し、荷物の整理をしていざ出発。
天気もよく、五合目周辺は景色が綺麗だ。
まだごつごつとした岩ではなく、林道といった感じですがすがしさを感じる余裕もあった。
六合目までは馬に引いてもっらって行くことも出来るらしい。
スタートから既に高山病対策として極力黙り、呼吸を乱さないようにする俺。
六合目くらいになってくると早くも雲の上に立つことになった。
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途中の休憩ではメンバーもまだまだ非常に元気で、
お菓子を食ったり、笑いあったり、ピクニックのような感じであった。 メンバーの笑顔が眩しい。
俺もこの辺はまだカメラかたてに写真を撮っている余裕があったな…
これが頂上付近になると、一言も発さず、
鬼気迫る表情で一心不乱に酸素を吸うという状況になるのだが、それはまた後の話。
ひたすら登山。4時間かけて七合目まで登る。
途中の休憩場所となる山小屋では焼印を押してもらい、モチベーションを繋ぐ。
山で飲むポカリスウェットはなぜあんなにもおいしいのだろう。
しかしここまで書いてきて気付いたのだが、
五合目から七合目までは4時間ひたすら登山なので、あまり特記するようなことがない。
感想としては思ったより全然辛くない。
富士登山用に購入していたcaravanの登山靴がいい仕事をしてくれていたおかげで足も全然もった。
もっと地獄のようなものを想像していた。
何より、ここまでは高山病の兆しが皆無だったので、それが一番よかった。
そして5時前に宿泊する(って言っても23時にはまた登山開始だけど)山小屋、東洋館に到着。
七合目から見える景色でも十分達成感が味わえる。
雲の上から見る景色。雲海を望む。
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そして、こっから真の地獄のような惨劇が幕を開けることになるのだ。
寝床に移動する。
…まぁ、想像はしてたけど、やはり衝撃は隠せなかった。
噂に聞くとおり、一人分のスペースが枕一個分しかないのね。
あれをまさにすし詰め状態って言うんだろうな。
身動きひとつ取れない。寝返りなんかもっての外だ。
荷物を整理し、飯に食らいつく。
山小屋の飯があんなに美味いとは思わなかった。
今思えば、あれが最後のあたしいひと時だったな……
飯を食って食欲も満たされ、七合目から見る景色を眺め、写真に収める。
そして、寝る時間となる。
地獄が始まった。
俺はかなり、神経質な体質なので、環境が変わったりすると、熟睡できないタイプなのだ。
そんな人間があんなすし詰め状態のところで寝れるわけがない、最初っから。
案の定、寝ることができない。
しかも時間が経つにつれて焦ってくる。
早く寝ないと、早く寝ないと…
焦れば焦るほど寝れなくなる。
そして、寝れない状態で、何時間も時間が過ぎるのを待つ。
これほど苦痛な時間は無い。
俺はこんなところで誰が寝れるか、って思ってたんだけど、
世間は広いもので、いびきかいて寝てる人もいて、それがまたうるさくてしょうがない。
加えて、何十人も狭いスペースに閉じこもっているお陰で、
酸素が非常に薄い。
同行メンバーの一人が直前になってカミングアウトする。
「やばい、俺高山病になった… さっきいきなり吐きそうになった…」
メンバー全員、必死で自己弁護する。信じたくないのである。
「俺もまさか… いや、そんなはずはない。こんなところで終わるはずがない…」
メンバー一同が登頂に成功し、ご来光を見ている頃、
一人で山小屋にて待機。
これほどの屈辱はない。
何かここまで来たら意地でも登らざるを得ない。
結局寝ることが出来ず、徹夜で登頂アタックを迎えてしまった。
体調は限りなく宜しくない。
あたまがグラングランする…
ついにきたか…
外に出ると、やはり七合目。気温は低い。
上着を着て、ヘッドランプを装着し、睡眠もとれず、頭くらくらする中、
山頂アタックは始まったのであった…
続く