20130804
屋久島2日目
いよいよこの日は縄文杉に会いに行く。
なんとまさかの3時起きである。
この位の時間に起きないとバスがないのである。
しかも一本しかなく、これを逃したら縄文杉登山に行くことはできない。
おそらく早朝に出発し、午後の5時くらいには下山しないと、真っ暗になってしまい、戻ってこれなくなってしまうのだろう。
前日の夜に準備は一通り済ませていたので、眠気以外は比較的順調に進んだ。
昨日の段階で注文していた登山弁当を、宿のフロントで受け取る。
この弁当を受け取る辺りからわくわくする気持ちが高まってくる。潰されたりこぼれたりしないように注意しながらザックに詰め込む。
縄文杉登山では登山届というものを提出することが義務付けられている。
記入しておいた登山届も提出し、準備万端。
バス停は宿の目の前にあり、まずはここから「屋久杉自然館」という場所まで行かなければならない。
真っ暗な中、バス停の前で逃すまいとバスを待つ。なんていったって逃したら行けないからね。
ほどなくしてバスは来た。客は我々のみ。
運転手のオッチャンはやたらハイだった。
しばらく真っ暗な屋久島の道をバスで移動。景色なんて全く見えない。まだ4時だからね。
途中オッチャンがバスを停め、我々に話しかけ始めた。
なんとこの日は種子島の宇宙センターでロケットが打ち上げられる日だったのだ。
しかも我々がバスに乗っている時間にちょうど打ち上げられるとのこと。
オッチャンはそのことを告げ、打ち上げが見えるスポットにバスを停め、デジカメで撮影準備をし始めた。
テンションがやたら高く、はしゃいでいる。
こういうゆるい感じがとてもローカルっぽくて楽しい。
ロケットは真っ暗な空を、まばゆい光を放ちながら突き抜けていった。
偶然いいものが見れた。
その後1時間弱バスに揺られ、少し空が白んできたころ、屋久杉自然館に到着。
さらにここからバスを乗り継ぎ、「荒川登山口」まで行かなければならない。
ここがいわゆる縄文杉登山の入り口である。
この荒川登山口までのバスは、先ほどの道とは違い、うねうねと山道を行く。
極度の眠気もあり、うとうとするのだが、遠心力が強すぎて振り回され、寝るどころじゃない。
30分位、バスに振り回され、登山口に着いたのは6時ごろ。
ようやく空は明るくなっていた。
準備運動を軽く済ませ、朝食。
朝食は、先ほど宿でもらった登山弁当である。意外と食欲はあり、ペロリと平らげた。
端っこで一服を済ませ、いざ出発! 昨日携帯灰皿も購入し、万全である。
縄文杉までは片道5時間の道のりである。
やはり世界遺産である屋久島、その中でも特に人気がある縄文杉。
登山客が非常に多かった。
我々は人ごみが究極的に嫌いなので、少し時間をずらし、人が少なくなってから出発。
登山の序盤はひたすらトロッコ道という、かつてトロッコが走っていたという線路の上をひたすら歩く。
登山のように傾斜がある道を進むわけではないが、この道がひたすら3時間くらい続くので、結構疲れる。
途中、景色が開けたり、
両脇に何もない橋を通ったりと、歩いてるだけでも刺激的であった。
ガイドブックで読んだ情報でヤクシカに遭遇することもあるとおいうことだったので、ぜひ見てみたいと思っていたが、
そんな心配は無用だった。
ヤクシカには何匹も出会った。
しかも人懐こく、結構近づいても逃げない。
普通のシカに比べると小柄でかわいらしい。天敵があまりいないからであろうか。
3時間くらいひたすら歩き、途中休憩所を見つける。
この位になってくるとアブが周りをブンブン嫌な音を立てて飛び回っていても平然としていられるようになっていた。
トイレを済ませ、一服を済ませ、湧水を思いっきり頭から浴びる。
キンキンに冷えた水がとても気持ちがいい。
この時点でシャツ絞れる位汗だくだからね。
後半の2時間は登山道。傾斜が激しい道を登っていく。
途中、“翁杉”を見た。以前の台風で倒木してしまい、今はその亡骸を残している。
気の中はすでに死んでいたというが、縄文杉ももう長くはないのだろうか…
次に立ち寄ったのは、“ウィルソン杉”。
ハートマークで有名な木の洞窟である。
写真を撮ったら、ポストカードになってもおかしくないようなショットが撮れた。
何とも神秘的な空間であった。
途中座り込んで、登山弁当を食らう。
体を動かしているので腹は減っており、何とも美味しかった。
その後、“大王杉”、“夫婦杉”を見て行って、体力的にもピークに達したころ…
やっと会えたよ。
君に会うために片道5時間かかった…
目の前にはあの縄文杉が。
思っていたよりもデカい。何より太い。
そして真っ白な見た目からは、それがすでに杉には全く見えなかった。
何か違う種類の木にしか見えない。
確かに7000年の迫力があった。これまで屋久杉を何十本も通り過ぎてきたが、彼らなんて赤ちゃん、せいぜい青年くらいだろう。
おじいちゃんのどーーん!とした圧倒的な存在感に心打たれた。
っていうか、本当にあれがこれまで見てきた屋久杉と同じ種類なのか…
やつらも7000年も経てばあんな風になるのか…
7000年って… 7000年前は日本はどんな感じで何があったんだろう。
こいつは7000年前からここにて、7000年間ずっとここで時間の流れを見続けていたのか…
そう考えると悠久の時間を感じる。
人知れずこの屋久島の山奥で、こいつは一体何を見てきたんだろうな。
縄文杉には展望デッキが2か所設置されているのだが、片方のデッキは閉鎖されていた。
よりよく見えるほうだったので残念だったが、その理由は、倒木の危険があるため。
現在、縄文杉は修復作業等が行われているらしいが、もしかしたら縄文杉ももう長くはないのかもしれない…
今ここで見ることができてよかったのかも。
見た目は翁杉と同じくらい真っ白だからな…
記念撮影を済ませ、帰り道へ。
帰り道はめっちゃ飛ばした。
途中のトイレ休憩ぐらいしか休憩せず、後はひたすらすっ飛ばして帰った。
なんか中途半端にちょくちょく休んだりすると逆に疲れそうだし、そもそももう目的を果たしたし。
景色は行きに十分楽しんだし。
行きは5時間かかったが、4時間弱で登山口まで到着。
また荒川登山口戻って、寄付をする。屋久杉のストラップをもらうことができた。
屋久杉自然館までのバスもあまり待つことはなく、スムーズに乗ることができた。
行きはグロッキーだった山間バスも、帰りは爆睡。
屋久杉自然館から宿までのバスは結構待った、30分位かな。
自然館のレストランなんかもすでに閉まっていたのが残念。
飲み物とアイスはぎりぎり買わせてくれた。
その間、飲み物を飲んだり、アイスを食ったりしながら、登山の行程と、やり切った自分に浸っていた。
宿に戻ったら真っ先に風呂。マジで気持ちいい。
その後はちょっと早い飯。マジで美味い。
たばこを吸いに外に出ると、星がきれいに見えていた。
この日は本当にやり切った感で一杯であった。
俺は確かにこの目で縄文杉を見た。
明日はいよいよ、もののけ姫の舞台となった“白谷雲水峡”である。
屋久島2日目
いよいよこの日は縄文杉に会いに行く。
なんとまさかの3時起きである。
この位の時間に起きないとバスがないのである。
しかも一本しかなく、これを逃したら縄文杉登山に行くことはできない。
おそらく早朝に出発し、午後の5時くらいには下山しないと、真っ暗になってしまい、戻ってこれなくなってしまうのだろう。
前日の夜に準備は一通り済ませていたので、眠気以外は比較的順調に進んだ。
昨日の段階で注文していた登山弁当を、宿のフロントで受け取る。
この弁当を受け取る辺りからわくわくする気持ちが高まってくる。潰されたりこぼれたりしないように注意しながらザックに詰め込む。
縄文杉登山では登山届というものを提出することが義務付けられている。
記入しておいた登山届も提出し、準備万端。
バス停は宿の目の前にあり、まずはここから「屋久杉自然館」という場所まで行かなければならない。
真っ暗な中、バス停の前で逃すまいとバスを待つ。なんていったって逃したら行けないからね。
ほどなくしてバスは来た。客は我々のみ。
運転手のオッチャンはやたらハイだった。
しばらく真っ暗な屋久島の道をバスで移動。景色なんて全く見えない。まだ4時だからね。
途中オッチャンがバスを停め、我々に話しかけ始めた。
なんとこの日は種子島の宇宙センターでロケットが打ち上げられる日だったのだ。
しかも我々がバスに乗っている時間にちょうど打ち上げられるとのこと。
オッチャンはそのことを告げ、打ち上げが見えるスポットにバスを停め、デジカメで撮影準備をし始めた。
テンションがやたら高く、はしゃいでいる。
こういうゆるい感じがとてもローカルっぽくて楽しい。
ロケットは真っ暗な空を、まばゆい光を放ちながら突き抜けていった。
偶然いいものが見れた。
その後1時間弱バスに揺られ、少し空が白んできたころ、屋久杉自然館に到着。
さらにここからバスを乗り継ぎ、「荒川登山口」まで行かなければならない。
ここがいわゆる縄文杉登山の入り口である。
この荒川登山口までのバスは、先ほどの道とは違い、うねうねと山道を行く。
極度の眠気もあり、うとうとするのだが、遠心力が強すぎて振り回され、寝るどころじゃない。
30分位、バスに振り回され、登山口に着いたのは6時ごろ。
ようやく空は明るくなっていた。
準備運動を軽く済ませ、朝食。
朝食は、先ほど宿でもらった登山弁当である。意外と食欲はあり、ペロリと平らげた。
端っこで一服を済ませ、いざ出発! 昨日携帯灰皿も購入し、万全である。
縄文杉までは片道5時間の道のりである。
やはり世界遺産である屋久島、その中でも特に人気がある縄文杉。
登山客が非常に多かった。
我々は人ごみが究極的に嫌いなので、少し時間をずらし、人が少なくなってから出発。
登山の序盤はひたすらトロッコ道という、かつてトロッコが走っていたという線路の上をひたすら歩く。
登山のように傾斜がある道を進むわけではないが、この道がひたすら3時間くらい続くので、結構疲れる。
途中、景色が開けたり、
両脇に何もない橋を通ったりと、歩いてるだけでも刺激的であった。
ガイドブックで読んだ情報でヤクシカに遭遇することもあるとおいうことだったので、ぜひ見てみたいと思っていたが、
そんな心配は無用だった。
ヤクシカには何匹も出会った。
しかも人懐こく、結構近づいても逃げない。
普通のシカに比べると小柄でかわいらしい。天敵があまりいないからであろうか。
3時間くらいひたすら歩き、途中休憩所を見つける。
この位になってくるとアブが周りをブンブン嫌な音を立てて飛び回っていても平然としていられるようになっていた。
トイレを済ませ、一服を済ませ、湧水を思いっきり頭から浴びる。
キンキンに冷えた水がとても気持ちがいい。
この時点でシャツ絞れる位汗だくだからね。
後半の2時間は登山道。傾斜が激しい道を登っていく。
途中、“翁杉”を見た。以前の台風で倒木してしまい、今はその亡骸を残している。
気の中はすでに死んでいたというが、縄文杉ももう長くはないのだろうか…
次に立ち寄ったのは、“ウィルソン杉”。
ハートマークで有名な木の洞窟である。
写真を撮ったら、ポストカードになってもおかしくないようなショットが撮れた。
何とも神秘的な空間であった。
途中座り込んで、登山弁当を食らう。
体を動かしているので腹は減っており、何とも美味しかった。
その後、“大王杉”、“夫婦杉”を見て行って、体力的にもピークに達したころ…
やっと会えたよ。
君に会うために片道5時間かかった…
目の前にはあの縄文杉が。
思っていたよりもデカい。何より太い。
そして真っ白な見た目からは、それがすでに杉には全く見えなかった。
何か違う種類の木にしか見えない。
確かに7000年の迫力があった。これまで屋久杉を何十本も通り過ぎてきたが、彼らなんて赤ちゃん、せいぜい青年くらいだろう。
おじいちゃんのどーーん!とした圧倒的な存在感に心打たれた。
っていうか、本当にあれがこれまで見てきた屋久杉と同じ種類なのか…
やつらも7000年も経てばあんな風になるのか…
7000年って… 7000年前は日本はどんな感じで何があったんだろう。
こいつは7000年前からここにて、7000年間ずっとここで時間の流れを見続けていたのか…
そう考えると悠久の時間を感じる。
人知れずこの屋久島の山奥で、こいつは一体何を見てきたんだろうな。
縄文杉には展望デッキが2か所設置されているのだが、片方のデッキは閉鎖されていた。
よりよく見えるほうだったので残念だったが、その理由は、倒木の危険があるため。
現在、縄文杉は修復作業等が行われているらしいが、もしかしたら縄文杉ももう長くはないのかもしれない…
今ここで見ることができてよかったのかも。
見た目は翁杉と同じくらい真っ白だからな…
記念撮影を済ませ、帰り道へ。
帰り道はめっちゃ飛ばした。
途中のトイレ休憩ぐらいしか休憩せず、後はひたすらすっ飛ばして帰った。
なんか中途半端にちょくちょく休んだりすると逆に疲れそうだし、そもそももう目的を果たしたし。
景色は行きに十分楽しんだし。
行きは5時間かかったが、4時間弱で登山口まで到着。
また荒川登山口戻って、寄付をする。屋久杉のストラップをもらうことができた。
屋久杉自然館までのバスもあまり待つことはなく、スムーズに乗ることができた。
行きはグロッキーだった山間バスも、帰りは爆睡。
屋久杉自然館から宿までのバスは結構待った、30分位かな。
自然館のレストランなんかもすでに閉まっていたのが残念。
飲み物とアイスはぎりぎり買わせてくれた。
その間、飲み物を飲んだり、アイスを食ったりしながら、登山の行程と、やり切った自分に浸っていた。
宿に戻ったら真っ先に風呂。マジで気持ちいい。
その後はちょっと早い飯。マジで美味い。
たばこを吸いに外に出ると、星がきれいに見えていた。
この日は本当にやり切った感で一杯であった。
俺は確かにこの目で縄文杉を見た。
明日はいよいよ、もののけ姫の舞台となった“白谷雲水峡”である。