斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

豊田高専訪問

2011年01月21日 18時53分18秒 | 高専訪問記
愛知県にある豊田高専を訪れました。はじめての訪問です。昨日と本日の2日間で、校長先生ともじっくりお話し、寮を含めて主だった施設の見学をおこないました。

校長の末松良一先生はからくり人形でたいへん功績のある方です。
http://www.toyota-ct.ac.jp/~jimu/syomu/suematsu/karafro.html

滞在期間中に、時間があけば、からくり人形のお話をおきかせいただきました。新潟県小千谷市がからくり人形の北限だということも知りました。(近くにありながら知りませんでした。)もっとたくさんお聞きしたかったのですが、時間が足りませんでした。

豊田高専の校門に続く接続道路は、両側からアーチを形成する桜並木でした。いまは冬ですからだめですが、桜のシーズンはたいへんすばらしい景色を楽しめることでしょう。

校門から入りますと、噴水のある庭園になっています。写真はのちほど貼り付けますが、たいへんきれいな植栽で埋められていました。校門の近くだけということがよくあるのですが、豊田高専は内部の隅々にわたって植栽がきれいに剪定されていました。気の遠くなるような作業ですが、きっとスケジュールがあって、一年たつと全部おわるようになっているのでしょう。

豊田高専の特徴をいろいろと聞きました。全部を書いてしまうと、ノウハウに抵触するところもあるかもしれませんので、おおよそを書いてみます。

1)鈴鹿サーキットで安全運転講習会
学生向けの安全運転講習会はよく聞く話ですが、豊田高専では鈴鹿サーキットに学生を引率して、そこでプロから安全運転を勉強するということです。きっと目の前を競技車が走るってこともあるかもしれませんね。聞いただけでもわくわくします。なんていっても技術者の卵です。機械装置の正しい運転の仕方、より深く触れてかかわるという取り組みが高く評価できると思います。

2)海外留学
1年間のプログラムで、2,3年生が全校で30-40人、毎年留学するそうです。アメリカなどよく聞く国もありますが、ホンジュラスとかボリビアとか私が聞いても刺激的な国にも留学する学生がいるそうです。これって本学でもやろうと声をかけているのだけれども、なかなかその気になってくれる人が増えないのですが、豊田高専では、だいぶ前から実施しています。
http://www.toyota-ct.ac.jp/intro/education/student_support/kaigairyugaku.html

高専とあまり関係のない方は、この話を読んでもぴんとこないかもしれませんが、高専関係者は「これはすごい」と絶句することでしょう。

3)AED
AEDの設置校は常識になりました。校内に5台、という話も旭川高専に続き豊田高専でも聞きました。豊田高専も地元の消防から指導員がきて、普通救命講習を全教職員で受講している(3年に一回)そうです。
次がびっくりしました。校内AEDで3名の方が救命されて、無事に社会復帰しているそうです。そのうち、2名は授業中の学生だったそうです。3名とも救命できたこと、これはAEDの設置ばかりでなく、繰り返し行われる講習会に真剣に出席して実技を維持している証拠だと思います。高専で学ぶ人、働く人、すべての人の命を考えている高専です。

今回もいい訪問になりました。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

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