斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

洗濯系男子その2-高専教育フォーラム会場より

2013年08月22日 08時51分58秒 | 高専訪問記
昨日のパネルディスカッションではパネラーとして参加し、グローバルを先進国向けイノベーションと途上国向けイノベーションに分けて考えなければならないと発言しました。

若い学生のうちから2輪車に馴染むために、バイク通学を許可している高専はぜひそれを続けてほしいとお願いしました。なぜかということで、バイクと若い時の経験の話を持ち出すとピンと来ない恐れがあったので、洗濯系男子の話も合わせてお話しました。

高専の寮においては1年生のときから自分で洗濯機をまわして洗濯をします。洗濯機市場はわが国においては年2000億円市場です。それに付随して家庭用ファブリックケア市場も2000億円です。さらにファブケア市場は年率2-3%で伸びています。洗濯系男子は洗濯機の取り扱いに習熟しているばかりでなく、寮内の情報交換を通じてファブケア製品(要するに洗剤や柔軟剤)にも詳しくなります。ファブケア製品は、化学品の集大成であり、最先端の化学が詰め込まれています。洗濯機がハードウエアなら、ファブケアはソフトウエア市場となります。技術系学生にとって国内国外に大きく展開できる有望市場の一つです。そういった方面に興味を持つようになるのに、就職するまで5年間とか7年間使いその道の達人になることが必要で、大学にいって就職を決めるまでの2-3年間使う程度では、その製品を知って就職を考えるにはまだ時間が足りないということです。世の中の製品を好きになるのに、興味をもってそういった産業で活躍したいと思うのに、大学にいったあとでよいとか、就職した後でよいでは、遅いものばかりです。それが技術に触れるのは若ければ若いほうがよいという論理です。

家庭内の家電品は、どちらかというとお母さんが使う時間が多いという事実。お母さんのほうがお父さんよりファブケア製品に対して情報通であるという事実。では中学生や高校生が洗濯機を作る会社に入り、自分が使いやすいと思う洗濯機を自由に設計したいとおもっているか?ここが、「産業を考えていない教育」といわれる根源です。

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高専教育フォーラム1日目 その2

2013年08月22日 06時00分39秒 | 高専訪問記
豊橋技術科学大学の風景を写真に撮りました。
なんとなく長岡と似ていて、しっくりきます。ただ、こちらは草木の勢いがすごいように感じます。
  

フォーラムが開催されました。
まずは、小畑高専機構理事長から挨拶がありました。
グローバル・イノベーションがキーワードで、世界で活躍する技術者の教育を目指す、高専はこれから更なる展開を目指すため、このフォーラムが重要な位置を占めるというお話をされました。続いて、文部科学省常盤審議官、長岡技術科学大学新原学長、豊橋技術科学大学榊学長と挨拶が続きました。
 

教員の表彰があり、文部科学大臣賞、理事長賞が授与されました。私の知っている先生がたくさん受賞されました。これからもさらに邁進してください。おめでとうございます。


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