朝日新聞 天声人語に高村光太郎さんの「冬が来た」(詩集「道程」)を取り上げていた。
私は教養不足なのでこの詩を知らなかった。手をぐっと握り直し気合が入った。
「道 程」より
冬が来た
きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹(いちょう)の木も箒(ほうき)になった
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
僕に来い、僕に来い
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のような冬が来た
私は、長年、サムエル・ウルマンの「青春」の詩を大事にしてきた。
きっぱりと/きりきりと/刃物のような
冬がストレートに飛び込んでくる。
腰砕けだった私に真正面から・・・。
きちんと受け止めようではないか。
研ぎ澄まされた本物の冬だ。
梅も春を待ちかねている。