本番前の試写として、
1966年放映の『ウルトラQ』全28話のNo.28「あけてくれ!」を上映してみました。
基本的に子ども向けの1話完結シリーズで、カネゴン、ガラモン、ペギラ、ケムール人といった古典的怪獣の初登場の舞台です(『ウルトラQ』の後番組が『ウルトラマン』シリーズとなる)。高度経済成長期の日本の風景を見るのにちょうどよいテレビドラマです。
『ウルトラQ』には『ウルトラマン』のような正義のヒーローは登場せず、この「あけてくれ!」のように明らかにターゲットを大人に絞っているエピソードもいくつか含まれています。その「手加減のない」作りが、当時小学校1年生だった私たちには奇妙な魅力を感じさせました。
ただし、この「あけてくれ!」はとくに難解とされ、本放送時には放送されずに、翌年の再放送時に初オンエアされました。私も、小学校2年生のときに初めて観た「あけてくれ!」に「なんじゃこれ?」とびっくりしながら、怪獣の出てくる他のエピソードよりも強烈な印象が残りました。子どもにはわからないだろうというくらいの作品が、子どもに最も強いインパクトを与えるもののようです。
「あけてくれ!」のテーマは人間蒸発。高度経済成長真っ最中の資本主義日本の、社会レベルでの急成長とは裏腹に個人レベルでの行き詰まりが露わになった頃の、社会風刺作品といえます。東京オリンピックと東海道新幹線開通の直後の日本の風景を見直すのに絶好の教材として、機会があれば『ウルトラQ』の他のエピソードも観てほしいと思います。怪獣らしい怪獣の出てこないNo.6「育てよ!カメ」No.17「1/8計画」No.25「悪魔ッ子」などがおすすめ。作品としては、No.19「2020年の挑戦」が最高かもしれません。
↑ ここから2006年前期の「言語と社会」&「文学講義」
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1966年放映の『ウルトラQ』全28話のNo.28「あけてくれ!」を上映してみました。
基本的に子ども向けの1話完結シリーズで、カネゴン、ガラモン、ペギラ、ケムール人といった古典的怪獣の初登場の舞台です(『ウルトラQ』の後番組が『ウルトラマン』シリーズとなる)。高度経済成長期の日本の風景を見るのにちょうどよいテレビドラマです。
『ウルトラQ』には『ウルトラマン』のような正義のヒーローは登場せず、この「あけてくれ!」のように明らかにターゲットを大人に絞っているエピソードもいくつか含まれています。その「手加減のない」作りが、当時小学校1年生だった私たちには奇妙な魅力を感じさせました。
ただし、この「あけてくれ!」はとくに難解とされ、本放送時には放送されずに、翌年の再放送時に初オンエアされました。私も、小学校2年生のときに初めて観た「あけてくれ!」に「なんじゃこれ?」とびっくりしながら、怪獣の出てくる他のエピソードよりも強烈な印象が残りました。子どもにはわからないだろうというくらいの作品が、子どもに最も強いインパクトを与えるもののようです。
「あけてくれ!」のテーマは人間蒸発。高度経済成長真っ最中の資本主義日本の、社会レベルでの急成長とは裏腹に個人レベルでの行き詰まりが露わになった頃の、社会風刺作品といえます。東京オリンピックと東海道新幹線開通の直後の日本の風景を見直すのに絶好の教材として、機会があれば『ウルトラQ』の他のエピソードも観てほしいと思います。怪獣らしい怪獣の出てこないNo.6「育てよ!カメ」No.17「1/8計画」No.25「悪魔ッ子」などがおすすめ。作品としては、No.19「2020年の挑戦」が最高かもしれません。
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