三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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ファンタジー系1

2004-10-31 05:35:08 | モンスター映画
 ■ユニコーン 奇跡の航海■ ふうむ。ミノタウロスにメデューサにスフィンクスにこびとに、どのシーンにも必ずクリーチャーって豪華さが大満腹の大満足。人間型以外でもユニコーンに大海蛇に賢者亀にそして真打ちのドラゴンにと。凶暴なはずのミノタウロスたちがみんな善人なのがちょっとしょせんファンタジーだし、メデューサの眼力を使えばトロールどもなんか簡単に撃退できたはずでしょとか、エルフとドワーフはもっとメイク考えてほしいよとか注文は数限りなく湧くにせよ、妖精の国をはじめ色彩ったら美麗きわまりない。ファンタジーってのはどうせ血ぃ出ないんでしょと敬遠していた私が、クリーチャー度や映像美がこれほどならもっと観てみよーかなと、ハリーなんとかやロードなんたらなど一層メジャー路線へも仕方なく興味向けさせられた転換点がこれ。
 ■ジャックと悪魔の国■ クリーチャーがどれもおもちゃみたいな質感なのがナ。双頭巨人vsタコ足トカゲなんか造形いいんだからもうちょい丁寧にやってくれればさ。でもまあ光る幽霊みたいなウィッチは蛙的爬虫類的形相がなかなかよろしくて。ファンタジー特有のくつろぎきった戦闘場面には目をつぶればまあ全般、ビームや炎など光学的装置が豊富でまずまずだったかも。プリンセス可愛かったし。

ドキュメンタリー系1

2004-10-28 19:31:04 | モンスター映画
 ■ウォーキングwithダイナソー■ 「うぉ、マジかよ?」てノケゾッちまいましたです。素晴らしいリアリティ。飛沫跳ね散らしながら川面を走る小型恐竜の鮮明映像など、ほんとCGの時代に生きてて幸せだナぁって。エピソード3の冒頭、海辺で憩う恐竜が映ったかと思うと次の瞬間モササウルスだったかなんだったか、突如飛び出してバクーッと海面下にさらっちゃうあの戦慄の一瞬! もうたまりません。人間が登場しないぶん、『ジュラシック・パーク』よりのめり込んで観られたような。ただ魚竜の動きだけはなんだか堅い。尾びれのくねりが『ディープ・ブルー』並み。CGの不得意部門だろうか。とはいえ魚竜の子がサメの目を盗んで海面へ呼吸しにゆくすれすれのスリルは相当なものですが。
 ■フューチャー・イズ・ワイルド 500万年後■ カラキラー対ラトルバックが白眉でしょうか。あの対戦、もうちょっと観賞したかったです。火事場での両者の生態もね。スピンクをかっさらうデスグリナーの滑空も見逃せません。あれも願わくはもっと長く。中途半端な知能で魚獲りなんかするバブーカリなんぞどうでもいいから。しかしこのシリーズ、未来生物のCG映像と原生生物の実写映像が呼応しあって、CGへの信頼感をますます固めさせてくれますね(ほんと、解説ナレーションがなけりゃどっちだかわからんじゃん)。
 ■フューチャー・イズ・ワイルド 1億年後■ スワンパス対子どもトラトンが白眉でしたね。スワンパスの色素胞がひらひら変色しておるし。驚異の鳥喰い昆虫ファルコンフライの祖先ってやはりヘビトンボだろうか? それからもちろんムシ好きとしてはあの4匹一組の甲虫のハンティングをもっとアップで。あとなんといってもシルバースパイダー社会の四季をもっと観たかったよな。哺乳類の末路を代表するポグルの哀れぶりをじっくり噛みしめるためにも。
 ■フューチャー・イズ・ワイルド 2億年後■ シャーコパスの発光パターンが忘れられません。彼らがレインボースクイードを狩る様子をもっとじっくり見せてほしかったですよ。フリッシュ×嵐×バンブルビートル×デスボトルプラント、メガスクイード×キノコ×スリザーサッカーなど、寄生・擬態システムのエコロジーがますます複雑精妙になってきましたな。変形菌スリザーサッカーのどろどろぶりパラサイトぶりなんかどんなモンスター映画もかなわんレベルだ。脳を操ってクシャミさせて飛散繁殖とはな! しかしこのシリーズ、生物進化の方向が予期できるとの前提に立っているのがチト気になる。この「2億年後」の最後でもスクイポンにちなんで「生物は脳が大きくなる方向に進化してきた。その流れが止まる理由は見当たらない」などと、そういう定向進化論は、まともな生物学者なら口にしてはならぬ禁句であるはずなのだが(素人への啓蒙の場面では)。
 ■エイリアン・インタビュー■ まあねえ……。エイリアンがむせて苦しむ場面には笑ってしまうが、こういうの本気で見ている人が多数実在する、って事実はむしろ怖ろしいかも。アメリカ政府が隠したがるほどの科学知識をもたらすエイリアンなら、あんなナサケナイ状態で監禁されたりしませんよね。

魔界・悪霊系2

2004-10-28 04:57:17 | モンスター映画
 ■地獄■ 中川信夫版。トホホだわこりゃ。現世パートでは、偶然が重なりすぎるうえ天知茂の実家に友人恩師が意味もなく集まって無理な展開、それに死亡者が無駄に多すぎる。地獄パートは盛り上がりもなくだらだらと。反時計回りにみんなでぐるぐる回るだけのあれなんか勘弁してほしい。結局天知茂のやたら罪悪感強すぎる良心体質が逆に咎められる展開かと思いきやそれも無し。まことに虚ろな映画でした。霞のかかった三途の川辺だけかな、見どころは。
 ■地獄■ 石井輝男版。俺はこっちのほうが好かったなあ。とはいえ思いっきり俗だけど。丹波哲郎以外ほぼ全員が台詞シロートだけど。まぁ宮崎勤や麻原彰晃が忘れられた頃になったら価値増す映画かも。鬼たちも中川信夫版よりハッキリ異形見せてるし、閻魔大王なんか女だし。丹波哲郎も普通にカッコよかったな、三途の川のこちら側では鬼もヒトにかなわぬ場合ありと。しかしせっかく反省した女たち、性懲りもなく太陽教めいた変な宗教に入信しちゃったらしき後味悪いエンディングはナイスでしたよ。馬鹿はいつまでたっても馬鹿なんです。

パラサイト系2

2004-10-24 21:39:53 | モンスター映画
 ■アライバル 侵略者■ 密室の暗殺サソリにお株を奪われましたが、節足動物(バッタかな)っぽい宇宙人の脚の逆関節がいつまでも余韻を響かせ続けていい感じ。ラストでもピョコンピョコンとしつこく出てきてくれるし。最後の天文台の倒壊シーンはやっぱ金かけたんでしょうね。
 ■アライバル2■ のっけから脚カックン場面が引き継がれて、昆虫好きには嬉しい出だし。前作あれだけ奮戦したチャーリー・シーンが殺された後のハナシなので、弟を主人公に心機一転作り直された世界がビミョーに新鮮。前作のサソリ群が金属製単体となってまたも密室殺人達成とか。演技度はもちろん生サソリを上回る。ただ、足首ブッ刺し場面をアップにしてくれれば、『死霊のはらわた』(陰鬱ホラー系1)のくるぶし鉛筆に並ぶ名シーンになったかもしれないのに。(えーと待てよ、アライバル二部作は、パラサイトというよりはナリスマシものと言うべきだっけ? まぁいいや)
 ■クリープゾーン エイリアン・インベージョン■ 吹雪で閉鎖空間になった空港にしろエックス線でのエイリアン捜しにしろ、『物体X』の緊張感を引き継ごうという意欲はマル。殺人犯のイニシャティブで一致団結、やっと救出してみたらエイリアンだったなんて、悔しすぎです。その後の乱闘からプロペラで裂殺の流れは咄嗟にしては手が込んでいてまるでプロレスでしたね。結局やけに子どもの命が軽く扱われていたのが印象的でしたが。あ、それと、あのムカデ形ブレスレットの絶妙の動きをもっとよく見たかったです。
 ■シーバース■ グロいエロいと聞いていたので期待が大きかったぶん、脱力。あれ、もうおしまい?って。寄生虫も大きさ足りないし、テカリ度というかリアリティいまいちだし、宿主となった人間の壊れかたもチト方向間違っているような。まあ私の期待の方向が間違っていた可能性も否定できませんが、クローネンバーグって、内臓的シーンを映し出しさえすりゃかなりの観客が気持ち悪がってくれるだろう的レディ・メイド方式の安全運転に頼っている案外ナサケナイやつなんじゃないかと。日本にも何人かいたでしょ、暴力や性やドラッグを題材に選びさえすりゃ好便ポジションで批評してもらえること当て込んでる安易な小説家。クローネンバーグの長編デビュー作品らしいですが、後年の惰性的露悪戦略がすでにしっかり見え透いとりますわ。

妖怪系2

2004-10-24 16:49:26 | モンスター映画
 ■妖怪天国■ こりゃ意外な傑作だ。河童の造形が良いとかいう以前に、正統ホラー+コメディ+シュール、色違いの小話を全部強引リンクさせた遊び力に脱帽。あの宇宙飛行士のわけわからんシメは結局ナンセンス劇と理解していいんでしょうな。ああいうのもありでしたか系妖怪「へらへら」にゃ率直に爆笑。まあこれだけいろんなジャンルの混成体だと、モンスターものプロパー的には損な面もあるが、芸術作品としては特級品と認定したいですね。手塚治虫に楳図かずおに水木しげるが出演というプレミアすら霞ませる個性派ずらりの人物たち。ここまで揃えば、鯉釣りや城主の最期やエンディングで『妖怪百物語』(妖怪系1参照)をなぞりまくる必要なんかなかったのにね。
 ■妖怪天国 ゴーストヒーロー■ 前作に劣らずこれも楽しめたなあ。そりゃいろいろ注文はあるけど、たとえば亡霊対ゲームキャラより亡霊対妖怪の方をもっと観せてくださいとか、かぶり物丸出しの妖怪メイクはなんとかなりませんでしたかとか、とくに「チビ」は素顔の全身をもっと露出してくださいとか、黒塚部長とやらの公認パワーの源がいまいち不明だぞとか、出たとこ勝負的偶然の終わり方はちょっとな、始めから刀を石碑で押さえときゃいいでしょうにとか、まあいろいろですが基本的に快作。最後、例によりナンセンスな「鎧武者亡霊をごっくんする巨大笛吹美女」なんか、もー身震いものの超名場面でした。
 ■怪談本所七不思議■ おいてけ堀の狸の恩返しだったとは。恩返しが間に合わずに肝心の左繕が殺されてしまうところや、狸が仕方なく正体現わして改めて恩返しを誓うところなど、ディテールがけっこうイケる。大立ち回りの後の狸踊りも微笑ましかったですよね。
 ■妖婆 死棺の呪い■ ヴィイの目玉がしっかりデカければもっと怖かったのですが。子どもの頃観た記憶ではもっとコワイ映画のはずだったのにあんまり。だんだんげっそりしてくる神学生のへとへとぶりが見モノではありました。
 ■トイレの花子さん 消えた少女の秘密■ 台詞や演技が中学生モノ特有の紋切り型なのは、このテの映画じゃ仕方ないとして、音楽がいいじゃないですか、のっけから。環境音楽ぽくて。しかしハイライト(?)ではどうして俗っぽいピアノメロディになっちゃうかな。ま、花子さんも赤マントも話の中の登場だけでモンスター映画にゃなってない単なる憑依モノなわけだけど、続編と合わせれば、まあ一応。
 ■トイレの花子さん 恐怖校舎■ 今回は電子掲示板だのラジオだの屋上の模様だのガラスだの鏡だのとりとめのないごった煮系に踏み込んで、でもまあこういうのもありかなと。鎌を持った連続殺人犯とやらはシラケけるけど、校舎がぼろぼろほつれてゆくイメージは不条理でナイスでした。巨乳(なの?)の先生の出番は少なめで、そのぶん女の子たちの人間関係が鬱陶しかったけど(でもそれが一つのテーマらしいんだよな)、音楽は前作と同じなので理屈以前の雰囲気はたっぷりでした。(しかし2作とも、エンディング音楽にフランク・ミルズのタイトル何だったかな、おざなりにデフォルメしてほとんどまんま使ってるのはいかがなものかと)