■彗星に乗って■ これはファンタジー系だろうか? どう分類したモンかな。カレル・ゼマン、チェコアニメ映画の巨匠ってことでシュワンクマイエルみたいなグロめの期待してたら全然違って、でも面白かったす。実写とアニメと書き割りセットの合成をむしろはっきり見せびらかしてるアート仕立てか。地球やら別のわけわからん惑星やらが水平線に近づいたり遠ざかったり、ものすげえ幻想的。モノトーンへ切り替えを多用してなんか緊張感をあえて緩める不思議な異空間ムード放出しっぱなし。天井の崩れをしつこく繰り返すほどほどギャグも効果的ね。しかし絵葉書の女、とことんいい女やなあ。口もとの表情がたまらんですね。陸と海を行ったり来たりちんたらちんたらストーリーが漂っていく中で、歩くお魚には笑っちまいました。次の瞬間イノシシみたいなのに変わってたけどね。肝心の恐竜たちなんぞ金物の騒音に遭って素直に逃げてくところが可愛い。超巨大ウミヘビにいたってはこっちを睨みすらせず潜ってっちゃうチョー引っ込み思案ぶりで。で異生物は一切さしおき人間どうしのバトルがどうしても中心てことで、ちょびっと帝国主義への批判が? とも思わされるが時代的にその必要性があるとも思えない、そのアナクロぶりが異次元ファンタジーっぽさを補強しておりますな。いやいや1970年チェコだからやはりリアルな政治性はたっぷりか。で結局は夢落ちでフツーに終わるんだけど、アンジェリカだっけ、あの女の典型的東欧美人ぶりが、非実在とわかった瞬間また切ない輝きを増すんだな。妙にオリエンタルなかつ壮大なBGMが情緒盛り上げてます。しみじみ系+不条理系の、まあ傑作いうより奇作ですな。
■前世紀探険■ いかにもカレル・ゼマン。1955年作だよねこれ。そんな昔なのかって目で見るからかもしんないけど、驚くべきレベルの高さっすよ。おとなしすぎるというかアクションやスペクタクル皆無だけど、頭上の豹なんかリアルだったし、肉食恐竜対ステゴザウルスは近年のドタバタCGよりか真に迫ってるんじゃないか、接写がないのだけがそりゃ物足りないけど。水浴びするトラコドンのひょうきんな表情には笑えた。石炭紀のトカゲ型両生類が無意味にしつこく抵抗するとこなんざも。石炭紀の巨大トンボを帽子でつかまえようとする最年少坊やに一番笑えたかな。冒険心発揮するかと思うとボートが壊されてただけで大泣きするしね。なにしろ男の子4人がずーっと川を遡って行くだけでそのままタイムマシンになっているなんて、なんの説明もなく始まってるファンタジー仕立てが夢の中感を当り前のように前提して、ふわふわした霧が時代を区切っているというのもまた漂い模様を深めてる。大した事件も起きぬまま、本物の三葉虫と持ってきた化石を掌に並べるとこでおしまいという、なんとも理科の教育番組的な色彩も混じった何気なさが気に入りましたわ。子どもたちがすっかり科学者してるし、原始人との余計な交流なんぞ無しで済ませて住居&道具にだけ対面という抑えまくった作りにも感心、シュールと称する必要もない自然体の準メルヘンタッチ。女の子が一人も登場しないのも正解でしたよね。
■アナコンダ2■ 前作からだいぶ落ちやがりましたねェ。ありきたりすぎる低空ジャングル空撮のオープニングはまあいいとしてと。サルが飛び出してギョエエエー、ヒルにくっつかれてウヒャーウヒャー、骸骨見るたびにドヒャヒャヒャー、ったくテメーらオーバーだっつんです。蛇サイドももうチョイ頑張ってほしかったよ、数が多くなったぶん一匹一匹がやはり弱っちくなりましたねと。あんなヘナチョコ落盤でオッ死なんでくださいよと。4人もぞろぞろ生き残る意味あったんですかねと。前作の濃いオジサンに匹敵しようと力んでたチーフがどーも役者不足でしたよと。なんか見せ場なかったなあ。サルが見下ろしてる水面にみんな気づかぬ大蛇の影がぼわわーっ、てとこだけかな、「お?」と思ったのは。
■ボア vs パイソン■ ヘビ対ヘビとは何たるセンスの悪さよ、かたっぽワニかUMAにでもすりゃいいのによう、と始めから諦めていたらなんと、そんな諦めをも軽く凌駕する長々駄作ときやがった。うはー。CGを節約しまくってるからそもそもヘビがほとんど画面に出てこねえ。それにどっちがボアでどっちがバイソンか、たぶん色と装着メカで判別しろってんだろーけどわかりづらいこと夥しい。全般、人間とヘビが直近で緊迫してるはずのシーン、どれもこれもヘビだけショット、ヘビの気配ゼロの人間だけショット、これ見よがしにチラッと両方いっしょショットと、テンポズタズタのバラバラやんか。絞め殺された女の死体が無傷ってのも納得ゆかんぞ。だいたい二体が戦うのは終盤の終盤1~2分程度ってどーゆーことさ。地下鉄車両越しの決着の付きかたも何とカタルシスのない。あ~あ。
■前世紀探険■ いかにもカレル・ゼマン。1955年作だよねこれ。そんな昔なのかって目で見るからかもしんないけど、驚くべきレベルの高さっすよ。おとなしすぎるというかアクションやスペクタクル皆無だけど、頭上の豹なんかリアルだったし、肉食恐竜対ステゴザウルスは近年のドタバタCGよりか真に迫ってるんじゃないか、接写がないのだけがそりゃ物足りないけど。水浴びするトラコドンのひょうきんな表情には笑えた。石炭紀のトカゲ型両生類が無意味にしつこく抵抗するとこなんざも。石炭紀の巨大トンボを帽子でつかまえようとする最年少坊やに一番笑えたかな。冒険心発揮するかと思うとボートが壊されてただけで大泣きするしね。なにしろ男の子4人がずーっと川を遡って行くだけでそのままタイムマシンになっているなんて、なんの説明もなく始まってるファンタジー仕立てが夢の中感を当り前のように前提して、ふわふわした霧が時代を区切っているというのもまた漂い模様を深めてる。大した事件も起きぬまま、本物の三葉虫と持ってきた化石を掌に並べるとこでおしまいという、なんとも理科の教育番組的な色彩も混じった何気なさが気に入りましたわ。子どもたちがすっかり科学者してるし、原始人との余計な交流なんぞ無しで済ませて住居&道具にだけ対面という抑えまくった作りにも感心、シュールと称する必要もない自然体の準メルヘンタッチ。女の子が一人も登場しないのも正解でしたよね。
■アナコンダ2■ 前作からだいぶ落ちやがりましたねェ。ありきたりすぎる低空ジャングル空撮のオープニングはまあいいとしてと。サルが飛び出してギョエエエー、ヒルにくっつかれてウヒャーウヒャー、骸骨見るたびにドヒャヒャヒャー、ったくテメーらオーバーだっつんです。蛇サイドももうチョイ頑張ってほしかったよ、数が多くなったぶん一匹一匹がやはり弱っちくなりましたねと。あんなヘナチョコ落盤でオッ死なんでくださいよと。4人もぞろぞろ生き残る意味あったんですかねと。前作の濃いオジサンに匹敵しようと力んでたチーフがどーも役者不足でしたよと。なんか見せ場なかったなあ。サルが見下ろしてる水面にみんな気づかぬ大蛇の影がぼわわーっ、てとこだけかな、「お?」と思ったのは。
■ボア vs パイソン■ ヘビ対ヘビとは何たるセンスの悪さよ、かたっぽワニかUMAにでもすりゃいいのによう、と始めから諦めていたらなんと、そんな諦めをも軽く凌駕する長々駄作ときやがった。うはー。CGを節約しまくってるからそもそもヘビがほとんど画面に出てこねえ。それにどっちがボアでどっちがバイソンか、たぶん色と装着メカで判別しろってんだろーけどわかりづらいこと夥しい。全般、人間とヘビが直近で緊迫してるはずのシーン、どれもこれもヘビだけショット、ヘビの気配ゼロの人間だけショット、これ見よがしにチラッと両方いっしょショットと、テンポズタズタのバラバラやんか。絞め殺された女の死体が無傷ってのも納得ゆかんぞ。だいたい二体が戦うのは終盤の終盤1~2分程度ってどーゆーことさ。地下鉄車両越しの決着の付きかたも何とカタルシスのない。あ~あ。