2011年度前期 サブカルチャーA
にて、日本人による環境音楽(瞑想音楽・ヒーリング音楽)の、アーチスト(作曲家)の性別を受講生に推測してもらう、というクイズふう試みをしました。
興味深いデータとなりうるので、以下に報告しておきます。
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♂♀* は投票結果(♂が正解の場合。*は無回答)
♀♂* は投票結果(♀が正解の場合。*は無回答)
正解が偶数人ならば女性アーチスト、奇数人ならば男性アーチストの作品を次回に問題とした。
――〈 〉内は参考視聴作品(クイズの対象外)
■4/11 梨木良成『jair』ナッシュスタジオ 1999
♂69 ♀9 *1
■4/18 広瀬豊『NOVA』ミサワホーム 1986
――〈招き猫カゲキ団『招き猫カゲキ団第一歌曲集』ディウレコード 1984〉
♂31 ♀51 *2
■4/25 今和泉皓文編『catalyst for meditation』アイオーンレコード 1995
1.臼井弘行(ディジリデュー、パーカッション) 2.西條芳弘(サンプラー)
3.横川理彦(シンセサイザー) 4.今和泉皓文(マルチループ・エレキギター)
――〈ディジリデュー・ソロ現地録音『オーストラリアン・アボリジニー名曲集』〉
――〈松宮幹彦『無明』デラ 1994〉
♂44 ♀33 *0
■5/2 宝達奈巳『White Space』STARNET RECORD 1999
♀50 ♂28 *0
■5/9 矢吹紫帆『PURPLE SAILS』Hearts of Space(米国) 1989
――〈Meefa(ミーファ佐々木)『天地和合』キャッスル・イン・ザ・スカイ 1995〉
♀40 ♂43 *0
■5/16 宮木朝子『Virtual Resonance sound image for 4D2U』Te Pito Records 2009
(国立天文台内「4次元デジタル宇宙シアター(4D2U)」のサウンドトラック)
♀20 ♂55 *0
■5/23 内田房江『消えた水族館』スタジオ・アビー 1992
(ストライプハウス美術館「ヴォイスリウム’92」でのボイスパフォーマンスを素材に、自分で加工デザインした作品。声はすべて内田房江)
♀45 ♂32 *1
■6/6 中田悟『海の月光浴』プレム・プロモーション 2001
――〈ナカダサトル with フィールド・オーケストラ『月光浴音楽―京都編』ファイブエース 2004〉
『月光浴』(小学館、新潮社など)の写真家石川賢治とのコラボレーション。
♂51 ♀24 *0
■6/13 坂本龍一『Aromascape』フォーライフレコード 1997 (中谷美紀『cure』のDISC-2)(後半のno piano mixは教室では省略)
坂本龍一『Music for Yohji Yamamoto Collection 1995』gut bounce 1996(山本耀司のファッションショーのための音楽)
♂29 ♀42 *0
■6/20 ――〈吉澤徹(吉澤瑛師)、小田島浩子『合体式組曲』ゼウスレーベル 1992〉
長屋和哉『サイレントガーデン』ame-ambient 2010
♂65 ♀18 *0
■ 6/27 尾島由郎『ハンサム』NEWSIC(スパイラル) 1992
(越美晴、柴野さつき、周防義和、中野テルヲ、パトリス・ジュリアンらが参加。台詞の半分ほどは尾島由郎自身の考案)
――〈尾島由郎『コレクシオン・デ・シェノンⅠ』NEWSIC(スパイラル) 1988〉
♂46 ♀27 *0
■7/4 ――〈キヨ・ササキ・モンロウ(声とクリスタルボウル演奏)『瞑想へのいざない2』M.I.A.坂入三津子 1995〉
RAURA『Serenity』sea star records 2010
♀41 ♂35 *0
■7/11 TAMARU『hypno...keep that same old feeling』(私家版・非売品) 2006
――〈TAMARU『MEIOUSEI』1040label 1995〉
――〈TAMARU(ベースの即興演奏+エフェクター) 『FIGURE』Trumn 2009〉
♂72 ♀8 *0
■7/25 冨田有重『YURAGI』アオイスタジオ 2010
♀35 ♂28 *0
■8/1 ――〈シィエル アンフィニー(作曲・演奏+ナレーション)『Infiniへのいざない』シィエル 1991〉 ¥7000
矢吹紫帆『New Meditation』アポロン 1990
梨木良成『調和への共振 イメージワークの音世界5 川を聴く』ナッシュスタジオ 1992
――〈菅野満(監修、エナジー・リファイン・ワーク、ロケーション環境:エネルギー調整)他『エナジーリファインCD 愛&富裕実現深層サポートシリーズ 神理の扉』(プレス・スタンダード版) エナジーリファインサービス 2007〉 ¥168000(音声メディア制作料¥4200+エナジーリファイン化特殊技術料¥12600)
♀♂36 ♂♀27 *6
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正解者 のべ674名 不正解者 のべ460名
↑これは明らかに有意な差ですから、音楽というセマンティックでない芸術において、しかも環境音楽という非情緒性の濃いジャンルにおいてすら、作者の性別を推測する能力が人間には備わっていることがわかります。
矢吹紫帆のような明らかに女性的と思われる作風の音について不正解者の方が多かったのは、事前に、米国のレーベルからでているベスト盤であることを告げたため、「それほど活躍しているアーチストは男性に決まっている」という思い込みが受講生に生じたからであるようです(実際、そう発言した学生がいました)。
また、長屋和哉のような幽玄系、TAMARUのような音響系で正解者が多いのは、硬質でストイックな作風からして尤もだと頷けますが、TAMARUの場合は、ベーシストであることを途中で告げたため、楽器のイメージから「男性」という推測が発生したものとも考えられます。