三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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ナンセンス系3

2005-02-28 01:16:23 | モンスター映画
 ■極道恐怖大劇場 牛頭■ こっ、ここりゃあいいゾぉ! 弩ハイレベルな不条理劇だ! 劇場公開は見送られたんだって? まあわかるけど。イヌ叩き潰したり、おばちゃんがオッパイから執拗にミルク飛ばしてくれたり、おやっさんのケツにオタマが深ぶかと突き刺さったり、おねえちゃん(イイ!)の股間から兄貴の腕が粘液まみれの頭がそして体全体コンニチワしたり、まあ過激とか悪趣味とか褒めちぎられても仕方ないですよ。通常上映のレベルじゃないです、しっかし笑えたなァもう。童貞ヤクザが行く先々の非常識現象におどおどびくびくズッコケまくりつつ、さすがにキレちゃう瞬間もちゃんとあったり(一人で兄貴の処分場送り任されるだけあってケンカは強いみたいだしね)、傑作のピークは酒屋のアメリカ人ワイフ!どひゃひゃひゃひゃやられちャったよ全くもう。どいつもこいつも真打ちクリーチャー牛頭をクう勢い全開だけど牛頭だってそりゃ、短時間の出番にしっかり鮮烈印象、ベトベトに残してってくれた異形度だし。いい、これいい。ヤクザが良識を代表して支離滅裂異空間と対峙するって構図ですでにアタリ! こんだけ無意味なハチャメチャを皆さん真顔で演じてくれて、こっちも久々に創作意欲掻きむしられました。名古屋のローカル色はもっと露骨に出してもよかったような。それとも十分出てるのかな。
 ■ゼブラーマン■ さぁ『牛頭』と同じ監督・主演(一応)てことで覗いてみたわけですけど、やっぱ面白えわ。思わず『DEAD OR ALIVE』三部作も注文しちゃったよ。どうしてくれるんだよ。たぶんモンスター映画じゃないだろうに(『FINAL』だけ期待できそうだが)。でこれ、ゼブラーマン。モンスター度以外では『牛頭』にとうてい及びゃしないがそれでも結構な脱臼ワールド。緑色エイリアンのチャチなCGがウケる。まあナンセンスとしてはギリギリってレベルで、エイリアン調査室が風呂場だったりするあたりのミクロな演出のみ。「空を飛ぶ」ことにこだわってるあたりは無意味度中級ってとこか、おハナシ自体はずいぶん生真面目にホームドラマやってるので、全体は正統コメディにずれ込みかかってるのが相当惜しい。後半とくに失速というか大団円、巨大エイリアンが間近にそびえ立ってる緊急事態ちゅうに当事者間で二度も三度ものんびり疑似感動シーン演じてるのも、それまでのテンポの甘さ改めて思い出させる結果となり作品的にソンしてます。いや、教頭が死ぬあたりまでの前半はテンポのズレまくり加減そのものが奇妙味で超よろしかったんだが。そうですね、小学校教師のコスプレ・コンプレクスと家庭崩壊が核になってたのだから、そこもうちょい執拗にほじくり返してくれるくらいが、この作品世界のナチュラルなシュール度に見合ってたんじゃないかナ。

ドキュメンタリー系4

2005-02-27 06:18:46 | モンスター映画
 ■第二回 世界最強虫王決定戦■ 第1弾(ドキュメンタリー系3参照)に比べ、肉食虫が多くなったぶん、凄惨な戦いが増えて大満足。敗者は大半が死亡。オオスズメバチがサソリ(デスストーカー)に刺し殺されたり、リオック(インドネシアの巨大コオロギ)がオオゲジをバラバラに解体したり、一方的攻勢にみえたオオスズメバチがついに怒ったハブムカデに咬まれブン回されたり、オオスズメバチがタランチュラ(キングバブーン)になすすべなく連続咬殺されたり、サソリ(サウスアフリカンファットテイル)のケツにパラワンオオヒラタクワガタのツノがブッ刺さったり、一度は完全に宙に浮かされ敗北確実だったパラワンオオヒラタクワガタがマレーコーカサスオオカブトを逆転でぶっ飛ばしたり、リオックが小型タランチュラ(ビルマブラウン)を悠々一方的に喰い殺したりと、名勝負が多かった反面、タガメにおんぶされたままひっくり返ったヒシムネカレハカマキリが何もできずに優勢負けしたり(タガメもタガメで何もせずじっとしがみついてるだけ。得意の水中じゃないから仕方ないけどね)、マレーシアジャイアントオオムカデがスズメバチを無視したまま歩き回って判定負けになったりと、凡戦もそれなりに笑えた今回でしたわ。
 その中でとくに素晴らしかったベストバウト5についてコメントしよう。
 ★第1位 リオック対ヒヨケムシ(戦慄!)
 両者のっけから真正面牙と牙を合わせてなんと同時喰いあいを始めた! 最悪のキス、両者の獰猛さが迸った戦慄のファーストコンタクトだ。もぐもぐばりばり競い合ううちに、どうもパワーで勝るリオックがたちまち上になっていき、ヒヨケムシの頭先から白い体内が露出してくる。すごかったなあ。私的には「砂漠を走り回ってサソリやトカゲをも噛み殺す」恐怖のヒヨケムシに幻想を抱いていたので残念な結果だが、それだけリオックが化け物だったということだな。肉食バトルの神髄とも言える、凄マジイ〈喰い殺し戦〉でした。
 ★第2位 スマトラオオヒラタクワガタ・アチェ対イエローファットテイル(驚異!)
 第1弾ではダイオウサソリが甲虫に3戦全敗だったので、ここでサソリがクワガタに雪辱できるかどうか期待して観戦。ところが結果は、接触と同時にアチェの大顎がサソリの胴体を上から挟みつぶし、サソリの脚ピクピク、すぐに硬直。ヒラタがサソリを瞬殺してしまいました。恐るべき万力パワー。全く勝負にならん。やはり体の軟らかい肉食虫ではクワガタに勝つのはまず無理かと。挟まれたらもう致命傷は覚悟しとかないと。前回のダイオウサソリは、殺されなかっただけ幸運だったな。あれはサソリの中でも頑丈そうだったからな。
 ★第3位 オオスズメバチ対ヒシムネカレハカマキリ(熱戦!)
 「世界最強の殺人蜂」と触れ込みで参戦も期待外れの、まともな勝ちなしの国産オオスズメバチ vs 対タガメ戦で何もできず陸棲肉食昆虫の恥をさらしたヒシムネカレハカマキリ、という弱いもの同士の対決は、やはりそれなりに手に汗握る大接戦となりました。しかしどうもああいう狭い水槽はねえ。カレハカマキリが側面を登っていたところ落っこってひっくり返った体勢で戦いが始まったから、一度は立ち直ったカマキリがまたすぐ転んで、あとはずっとカマキリ仰向け、スズメバチ乗っかり、のポジション延々と。主に両者相手の脚を咬みあう戦いで、ただしスズメバチはひたすら鎌に大顎で食いついたままだしカマキリは脚や胴体をところ構わずもぐもぐやりはするけど致命傷以前にいつもすり抜けられてこれ、両者決め手なし。カマキリの鎌がスズメバチの脚をまとめて掴んで揺さぶったりして一瞬有利になりかけたけど、仰向けのままなので力入らず。しかし疑問なのは、スズメバチのケツがあれだけカマキリの顔や首に密着した場面多かったにもかかわらず、一度も毒針ぶっ込めなかったんかや? 他の4戦もそうだったけど、スズメバチにしてみればいくらでも刺すチャンスあったように見えたがねえ。案外ヘタなのかな、人間みたいな大きな標的は刺せても小さな相手にはけっこう刺さらんもんだと? あと結果だが、「僅差でオオスズメバチの判定勝ち」ってことで仰向けでじっとしてるヒシムネカレハカマキリ単独の姿が最後映ってましたけど、僅差ってことはあれ、死んでないってことか(けっこう静止状態だったけどまあ腹動いてたみたいだし)。スズメバチが諦めて離れてった、上になり続けていたから判定勝ち、てことかね。いまいち不明瞭なので、きちんとレポートしてくれないことにはなあ。(レポート不足ということでは、今回はサソリが二種「絶命」とアナウンスされたが――勝者はともにスマトラオオヒラタクワガタ・アチェ――たしかに一回戦のイエローファットテイルは胸を潰された死骸まで映した一方、準決勝のデスストーカーの映像は、アチェの大顎から逃げ回り続けてる時点で終わっている。死んだなら死んだで、ちゃんと絶命の瞬間を映してくれないと困るのだよ)。
 ★第4位 リオック対オオカマキリ(壮絶!)
 オオカマキリの強さは私ゃよく目撃して知っているので期待してたのだが、うーん……、リオックの戦闘意欲がとにかく凄まじくて。ちゃんとファーストコンタクト映してくんない粗悪なカメラワークだからちょっとわからんけど、映像しょっぱなでリオックが横から突進、戦闘態勢とは言い難いオオカマキリの脚に喰らいついたぞ。オオカマはすぐに向き直って反撃に転ずるが、咬まれた脚を不自然に上げた姿勢でいかにも負傷した模様。この時点で勝負は決まってたな。しかしリオックの前脚はただのコオロギの脚ですからね、武器として特化した大鎌に勝てるわけないと思いきや三発ほどの引っ掻きあいに組み勝って、たちまちオオカマをねじ伏せてしまったぜ。もうあとはメクラ滅法喰う、喰う、喰う! 下からちらりと見えたオオカマの顔、右眼が完全に黒くなっており、組み伏せられた直後に眼をかじられたものと推察される。リオックはしばらくオオカマの硬い首をかじるのに苦労していたようだが、やっと軟らかい腹を突き止めて、安心してガリガリ食い始めてました。カマキリびいきの私としては、せめて例のカマキリポーズ(威嚇のあれですね。プッぷっと音を出したりもする)をとる余裕を与えてほしかった。デカいとはいえコオロギはコオロギ、いつも自分が餌食としている虫に喰われちまうなんて、悔しかっただろうなあ。
 ★第5位 デスストーカー対タイランドブラック(技巧!)
 サソリ対タランチュラという、熱帯定番のライバル対決。サイズで勝ってそうなブラックが有利かと思われたが、前に出た瞬間、デスストーカーは両鋏でブラックの脚を押し戻しつつ、その脚に三発ほど毒針を連射。うまい。テクが違うって感じ。タイランドブラックはやがて動けなくなり、ひっくり返ったまま硬直してしまいました。
  ……というわけなのだが、あと他にクワガタ最強決定トーナメントってのも収録されてて、1位から8位まで完全決着という徹底ぶりだが、私ぁあまり興味なかったです。クワガタ対サソリ、スズメバチ対タランチュラといった異種格闘技戦の文字通り死闘を観たあとでは、クワガタどうしってのはどうも、プライドを観たあとで大相撲観るみたいなたるんだ感じというか。
 それにしても印象に残ったのはヒラタクワガタの気性の荒さ。肉食虫連続刺殺したあのデスストーカーが一転弱気に逃げ回るのを、アチェは執拗に追い回してましたぜ、肉食でもないのに。そうしてみると今回全勝だったリオック(今回リオックはトーナメントに不出場、肉食虫とワンマッチのみ5連勝)も、クワガタには勝てまいなとか、いろいろ考えさせられた今回でした。前回今回とサソリのなすすべなしぶりを見るに、クワガタと肉食虫との力の差はどうも歴然というか、強さの次元が違うようなので。
 あ、ネタバレになりますが、今回の二つのトーナメントは、ともに、パラワンオオヒラタクワガタの優勝でした。決勝はともにヒラタクワガタ種どうし。前回もパラワン優勝だったし、次第に最強虫が絞られてきましたね。私としては、甲虫最強は揺るがないにしても、クワガタではなくほらあの、オオキバウスバカミキリあたりの方が強力ではないか(ガタイあるし!)、いかなる甲虫の頭も挟みつぶせるのではないかと、密かに期待しているのである。第3弾でも残念ながらまだオオキバの出場はないようですが。