三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オカルト系12

2006-09-30 16:36:57 | モンスター映画
 ■レイダース 失われたアーク■ なんだ、超常現象モノだったのか。ただのアドベンチャーかと思ってたよ。てわけで儲け物ってほくほく感あり。記憶に残ってるシーンの多さからして観たのは何度目かなはずだけど筋覚えてなかったというか、ずーっとごく普通の活劇だったんで、改めて飽きました。ほどよい退屈さというか。考古学者がスーパーヒーローなのはいいとしても、トラック爆走のとこだけかなあ、アクションがよくできてると思ったのは。ただエキストラに至るまで間一髪的スタントをようやるな~危なっしょ~と感心したけど、あの努力はもっといい映画のためにとっといたほうがいいんでないかと。ともかく活劇が大味すぎて、普通だったら殺されて当然のところを何度も生き延びちゃうし、蛇嫌いって言ってたはずがあとになると全然平気じゃんって風情でチョイ一貫性なし。カッコつけて刀振り回す相手に平然ピストル一発で終了ってクールさが売りかと思いきや、なんか暑苦しいとこもあって。暑苦しいのはあの女のほうか。勘弁してほしいよな、ハリウッド類型のヒロインってば。で、結局あれ、蓋開けたとき何が起きただ? 亡霊? 妖怪? 霊体っぽいのが骸骨になったりもしてたけど。殺人光線ほとばしりまくりだったけど。「目つぶってりゃOK」みたいなことジョーンズがヒロインに言ってたし。てことはあれってある程度予期できてた出来事? 字幕消して観てるとああいうとき困るんだよな。つうかまあ、敵がナチスである必要があったのかについても詳細が聴き取れてないんで何とも言えんが、一方的な善vs悪って構図になりきれちゃいないらしかったことはうすうすわかりました。てことは、みんな観てて楽しいの? もろハリウッド系でそれってのは。
 ■ござまれじ■ ありがちもありがち、民話奇談って言やすぐ東北地方かよ。刑事がメインの役回り務めるいきさつもいい加減ナシにしといてほしいよ。ござまれじを読み上げてるときのわーわーきゃーきゃー学芸会ったらモーうるさすぎ。前半はなかなかムードよろしかったんですがねえ、どうしてもああやって理屈で繋げようとする? 超常現象を小出しにして漫然と流しちゃうのが日本のホラー共通の欠点だってことがよくわかるな。
 ■奇談■ ぶっちゃけ退屈です、キリスト教ものって。何が何に対応していて誰がキリストに相当しどれがユダで何が知恵の実で。そんなんどーでもいいから。せっかく隠れキリシタン伝説使おうってなら、聖書の解釈なんぞあわただしくこなす路線じゃなく迫害の怨念路線でやったほうがよかったんでないかい。おたおたしまくってるだけの神父はちっとも状況に貢献してないし、阿部寛も例によりいい味出してくれてるかな~と期待したのもスカタン。このテの設定で決まり文句として「学界を追われた」ってよく言うけど、「妖怪は実在する」程度のプチトンデモ学説唱えたくらいで追放されちゃう学界ってどこにあるんですかね。そういう学界(学会?)をテーマに一本作ってくれたほうがずっと怖い映画になるんでないかと。天保年間つったっけ、百何年前から戻ってきたオネーチャンったら見かけ倒しでちっとも活躍してくんなかったし。結論、記憶喪失に村八分に近親婚フリークスに神隠しに何も知ってるばっさまに大量処刑の因縁に蘇生に復活シミュレーションに、詰め込みすぎましたな。で詰め込んだわりにはありきたりな組合せのモチーフ群に過ぎずどれもこれもスケール極小で冒険精神乏しかったし。ただほら、地獄の亡者の束でできた生命の木のCGだけは見応えあったです。勝負所はあれだけなんだから、もっと見せてほしかったよ。「すべて謎のままで変わりました」系だってヒロイン自らがラストで独白している程度のお話だったんだから、せめてビジュアルでまとめといてくんないと。あとそうね、子役はよくやりましたわ、呟き続けるところとか。
 ■惨劇館 夢子■ まず画質悪いのなんとかしろよ。(←夢子が雇った探偵さんの口ぶりで)。21世紀の映画でしょうが。科白もろくに聴き取れやしねえし。妹の顔見えてねえからだいたい誰が殺されたのかわかんなかったでしょうが、途中まで。てか説明不足気味なくらいでさくさく進んでくとこがこの映画独特の持ち味って気もしないでもなく、そこは評価できたりするんだけど、ストーリー自体が要領得ない話だったよなあ。ヒロインだからって危険なとこに一人でのこのこ出かけんでください、定型とはいえ。それはそれで尾行の警察は何やってたんですかと。途中から「おにーちゃん」に出てきてもらっても唐突すぎてなんとも思わねーっつの。オカルトとサイコが中途半端に混じって焦点ボケボケよ。バトルも一呼吸置いちゃってから始まるから間抜けもいいとこ、間の悪さをスケールで補うでもなし白けっぱなし。あとときどきチョイ出のCGオサムシはなんなのでしょうか。画質悪いもんで古本屋の中で飛び立ったシーン見逃すとこだったでしょうが。ムード悪くないんだからもちっとリアリティ持たせてよね。じゃなきゃぐっとシュールにするとかさ。予知夢が微妙に不鮮明だったり不正確だったりするあのへんのメカをもっとうまく利用できなかったものかな。
 ■案山子■ こんなんばっかかよ。ゆるゆるな話だなあ。近親相姦的モチーフをもっと出してくれてりゃ別だけど、これじゃあどうゆーリアクションほしがってのかわかんねーっつのよ。おにーちゃんも診療所に思わせぶりにうずくまってた手前、そうあっさりと我に返るなよ。案山子とほとんどつながってないじゃん。近親相姦仄めかしてるだけだから味があるんだ、なんてのは甘いよ。村からどーしても出られない、的なモチーフ強調してくれたらずっと面白くなったと思うんだけど。
 ■私の骨■ こういうの観ると、「めぼしいアイディアがないときゃホラーなんて作んなくていいのに」って思いますわ、ほんと。何が呪いなんですか? 前半がもーまだるっこしいったら、かと思うと後半、血縁がどうの言い伝えがどうのっていろいろ新たにかぶせてきてもらっても布石がしっかりしてないんで困っちゃうってば。奥さんにやたらクサいヒステリックなセリフまくしたてさせても家族ごっこの演出にゃ貢献してませんし。幻覚めいた虚無僧の描写なんぞも行き当たりばったりだし。ま、作品ってのは、作りたくなったときに限って作ってください、義務感でこなす必要ないですから。あそうだ、安楽椅子に腰掛けてたオジサンて人の科白のヘタッピぶりは尋常じゃないですが、あれ、わざと? わざと棒読みセリフする必然性もなかろうに……。

阿呆理詰日記1870

2006-09-28 23:50:14 | アフォリズム日記
悔恨は強い。裏切られる恐れのない感情だから。
諦念はもっと強い。裏切られてもかまわない感情だから。
幻滅は最も強い。裏切られるのを望む感情だから。
懐旧は弱い。裏切られる恐れにみちた感情だから。
期待はもっと弱い。裏切られずとも揺らぐ感情だから。
憧憬は最も弱い。裏切られないと潰える感情だから。