三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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爬虫類・恐竜系4

2004-12-31 16:59:40 | モンスター映画
 ■ダイナソー■ ほほお、あの『ウォーキングwithダイナソー』(ドキュメンタリー系1参照)レベルのビジュアルをドラマ化するとこうなるか。冒頭チョイ出演、トンボ型カメレオンが最高でした。翼竜が卵運ぶ空撮なんかも恍惚もの。むろんディズニーだから肉食恐竜以外は全部擬人化、てぇ幼稚ッポサにさえ目をつむれば、素晴らしすぎる実写&CG。このレベルなら私ゃ何でも許しゃう(ただ可愛くしたいのはわかるけど主人公恐竜の口が小さすぎ。まあいいけど)。しかしなるほど大隕石落下のあとも、恐竜が何百世代と生き続けたことは確かなんだよな、どんな生活してたんだろう、と改めて真面目に考えてしまいました。猿と恐竜が共存してたり、大隕石直径10キロにしちゃ小さすぎたり、マッハ160にしちゃ遅すぎたり、科学性ゼロの映画なのにね。
 ■地底探検■ ディメトロドンの動きが超リアルなので、CGのないこの当時これ本物でしかありえませんよね? こういうトカゲがいま実在するのか、と。ほんとに居たらいいよなあ(しょせん普通のトカゲを変装させただけでしょうけど)。いきなりの共食いには唖然としたな。地底の海もやたら雰囲気出てましたしな。荒唐無稽すぎる話ではあるんだが(だいたい火山噴火に乗っかって生還できたとは法螺にもほどがある)コメディタッチの肌理がなかなか緊密でテンポ良くて130分間あっというまに過ぎました。地底の多彩なセットの中で一番うっとりしたのは塩の砂地獄かな。
 ■T-REX 白亜紀への旅■ 博物館と白亜紀が重なっている半タイムスリップは面白いが、まあ最大の見どころが結局オープニングの化石採掘シーンだったというのはチト淋しい。なんせほら、ティラノサウルスが顔撫でられて犬みたいにすり寄って来ちゃダメだってばぁ。怖い顔が可愛かったけど、『ダイナソー』ばりに徹しないなら。

ファンタジー系3

2004-12-24 01:36:55 | モンスター映画
 ■ネバーエンディング・ストーリー■ 昔観た記憶よりずっと面白えなあ。いきなり勢揃いしてくれるクリーチャーが背筋に響くんですってば。岩喰い巨人にレーシングカタツムリに大蝙蝠に。台風ばりに「ナッシング」の暴れ回る様なんかまさにダークファンタジーの王道だし(バルンガかソラリスかナッシングかってぇくらいで)。ただまあ、白馬が沼に沈んでく一番悲しい場面をちゃんと頭沈下の瞬間まで映してくんなかったのと(動物愛護上無理な要求だとわかってるけど)、あんな怖ろしげに追跡してきた人狼のやられかたが超呆気なかったのと、象牙の塔の場面が短くてもったいなかったのと、いやまあ、あら探しはやめよう。巨大亀のくしゃみ(コメディ)と殺人光線発射寸前のスフィンクスペア(SFホラー)のような正反対のシーンがすんなり共存できてるあたり、そんだけで映画として準超一流or超準一流以上の証明ですから。メタフィクション的仕掛けが物語的価値に貢献してるかどうかは別としてですね。
 ■ネバーエンディング・ストーリー 第2章■ あいてててー。〈作らなきゃよかった続編〉系の典型では。せっかくの正編の奥深げムードが一気に仮装行列になっちゃった。全然ダメっすよ、これ。ハサミ振り回すジャイアントどもも見かけ倒しだし(ぬるすぎる戦闘場面には苦笑も出ないや)、めぼしいニュークリーチャーもいないし(メインっぽいあの鳥人間はビジュアル的にインパクト不足)、父ちゃん巻き込むメタフィクショナル装置も効いてないし、ええともう、力入らないからコメントやめときましょっと。
 ■ネバーエンディング・ストーリー3■ プッ。見たかよ、今回のファルコンの姿。動き。仮装大賞じゃあるまいし。お話もこれ、コメントするほどのもんじゃないな。このシリーズの品質が回を追うごとに落ちてゆくのは、毎回役者が異なるため感情移入が巻き戻される、ってだけじゃあるまい。ドタバタコメディをやりたかったなら正々堂々とやればいいのに。腰が引けてるからファンタジーにもホームドラマにも学園コメディにもなり損ねちゃってるんだよ。
 ■ネバーエンディング・ストーリー 遥かなる冒険■ これ、DVD6時間強なので……。ちゃんと観終えたら、ここに報告します。劇場版の尻すぼみをこいつが挽回してくれてることを望むョ。
 ■スノーホワイト 白雪姫■ 黒髪なせいか白雪姫が東アジア系に見えてさ。モンゴロイドの目から見てふつーっぽく綺麗なヒロインだとやっぱ楽しいですな。にしても鏡からそのつど顔が飛び出して最高の美を主張するとは思わなんだ。最後のほうなんか継母の唇に余裕のキスだもん。ある意味スゴイビジュアルです。鏡を使ったテレポート場面のSFXも並みの水準じゃないし鏡大活躍。瓶の中のクマさんも可哀想で可愛かったし、コビトたちも虹に化けて本気だし、7人全員がコビトじゃないのも工夫だし、魔法使い男の微妙なスタンスも効いてるし、かなりいい映画じゃないですか~。
 ■アドヴェンチャー・オブ・シンドバッド 謎の怪物島■ ハリーハウゼンのシンドバッドシリーズ(神・呪術系2参照)に比べてなんと特撮の粗末なこと。40年差のアドバンテージあるはずだろ? いくらTV映画といってもこれじゃあ。大蜘蛛なんか無残な出来。大ガニも爆破の瞬間姿が映ってねえ! だいたい「怪物」を売りにしときながら登場は前半でおしまいってどういうこと。バイキングも前半で退場だしな。クズ以下だね(フォローしてやるとしたらガイコツ剣士がいい動きしてたことくらいね)。

平成ゴジラ系2

2004-12-23 02:46:05 | モンスター映画
 ■ゴジラ×メカゴジラ■ 何かこう、どーにも今どきスポ根路線というか、暑ッ苦しいのにゃ参ッちゃった。初代ゴジラ遺伝子対新ゴジラという同胞対決モチーフもっと活かせなかったのかよ。そもそも釈由美子じゃなくて水野久美めあてだった俺みたいなのぁ中盤以降どこ見てりゃよかったのですかと。(早々に首相交代で水野久美退場ってホント、名誉出演って意図露骨すぎ)。で話進んで、バトル終了(あんなカタルシス欠如の引き分けでみんな笑顔で握手しなさんなよ)とともにあっさりエンドクレジット流れてくれたんでやれやれ……煩い後日談が続かんで良かった~て安堵してたらなんとその後改めて、子ども巻き込んでのトレンディドラマ一齣オマケかよ。暑ッ苦し~……。
 ■ゴジラ×モスラ×メカゴジラ■ モスラがしゃしゃり出てくる必然性がなかったんだよね、よく考えてみると。どのみち幼虫2匹ともゴジラとちゃんと戦っちゃいないし。にしてもなにより都会の路上を群衆が走って避難する、て光景、今さらながらはっきり飽きたね。人集めんの大変だろうし、もうやめたら。ってゴジラあと一作で終わりか。なんかホッとしますね。まぁあと具体的なこと一言。アブソリュート・ゼロの出番なかったのは仕方ないとして、それゆえ盛り上げ方に決め手欠けたからって、わざわざひとり無断で危険な地下道進むなよと。整備工は整備工らしく戦闘員の護衛から離れず地上の迂回路を進んでください、確実に。――ア、あとそうか、死骸だけ出演のカメーバはいい味出してました、ってのは付け加えておかなくちゃ。
 ■ゴジラ ファイナルウォーズ■ 観たら、ここに書きます。いくら何でも最後だきゃ傑作で締めといてよね。頼むよ。

コンタクト系3

2004-12-20 00:24:27 | モンスター映画
 ■惑星ソラリス■ え? これ? そりゃあ立派なモンスター映画ですとも、ソラリスの海っつったら歴代全モンスター中最強だしね、バルンガかソラリスかっていうくらいで(爆)。ゾンビでもゴーストでもクローンでも幻覚でもない蘇生死者は断然モンスター固有種だし(レイ・ブラッドベリの『火星年代記』の死者たちより不完全な再生なので却って一層おっかないとも言える)。旦那と一瞬でも離れるとパニックになって金属ドアぶち破っちゃった奥さんの図とか、やっぱ怖くてロケットで奥さんを宇宙空間に放り出しちゃった旦那とか、まあアクション風シーンもあるにはあったけど、全体やたらおとなしすぎたなあ。海の俯瞰は幻想的でいいんだけど、基地内部と海とが完全に視覚上分断されてて、一度もインターフェイスが映らなかったってのはSFとして致命的とも言えそうな。いや、名作の名に恥じぬ格調高さ(ハリウッドみたいなドラマチックBGMが皆無なのも高級感アップ!)と堂々シュールなラストだっただけにホント惜しい。
 ■モンキー・シャイン■ ちっ。もろハッピーエンドかよ。わかってりゃ観るんじゃなかったわ。登場モンスターったら人為的に高知能化させられたとはいえしょせん小ぶりの介護ザル、思いっきし陰惨結末になだれ込んでくれなきゃモトが取れねえでしょうが。でもまあ猿の演技はなかなかでしたよ。最初に殺すのがインコだったりするあたり手順を踏みすぎてたけど。まあ車椅子男が猿を情で引きつけて抱擁の瞬間一転かみ殺す!てえ『ガス人間第一号』まっつぁお的決着は、人間も立派な猛獣なんだよなと、そういえば猿and車椅子男の交流ペアの犬歯がほぼ同型であることを見せつけるカットが多かったよなと、なるほど伏線として利いていたわいと感心いたしました、はい。
 ■コミュニオン 遭遇■ うーむ、なんともフヌケた映画になっちゃった原因は、ひとえに「実話かも」と思わせようとしたアザトさにあるな。脚本書いた小説家自身の体験とやら、本はベストセラーになったらしいが映画じゃそうはいかないさ。それでも黒コビトたちのおかめ型ひょっとこ型いろんな顔は楽しめたし、目の大きい肌色無機質人のほうは「なにこれ、マネキンじゃん」と思いきやマスク剥がした下にうっぁぁぁ爬虫類的奇っ怪口吻が……、てわけで見どころなくもなく真面目くさった憂鬱チラリズムもあと5ミリ寄ればいいとこ突きかかってたのだが――やっぱ全般ハズレました。結局誰も死にゃしないし傷つきすらしないし。実話かどうかなんて文字情報ならぬ映像的価値にゃ一切関係ありませんての、ッたく。酷似モチーフでは『スピーシーズ・リターン/種の終焉』(陰鬱ホラー系1参照)の後味最悪の救いなき徹底ぶりを見習ってほしいよ。
 ■さよならジュピター■ あのね、だからそーじゃないでしょ? A級やるつもりなら宇宙船映像んとこだけじゃなく人間ドラマ部分もA級ぽく決めなきゃ。会うなり殴りあいを始めるマッチョな友情やら、幼なじみが再会するやいなやセックス始めるやら、自然礼賛系の挿入歌が何度も入るやら、ほとほと暑ッ苦しいんですよねこの映画。歌いたいってなら『ゴジラ対ヘドラ』(不定形(ドロドロ・ネバネバ)系1参照)のオバカ公害告発歌の方がまだましだったかも。ジュピター教団の破壊工作員らも最後どうやってあんな枢要な作業船に乗り込めたのか不明だし、木星と月とでリアルタイムの超光速通信できてるメカも不明だし、地球いや太陽系の危機ってならせめて『妖星ゴラス』(サバイバル系1参照)程度のリアリズムは見習ってほしかったよ。で結局、あのジュピターゴーストとやら、超巨大生物だったわけね? イルカっぽい生命体? て解釈しうるゆえにこれ、モンスター映画の仲間入りと。べつに邪魔じゃないよね。

ファンタジー系2

2004-12-16 22:04:03 | モンスター映画
 ■ダーククリスタル■ おおお、不用意にまばたきもできないワンダーランド! 人間が一人も出てこないクリーチャーオンリーの完全異世界。これですよ。こういう映像をこそ見たいのですよ私たちは! クリーチャー、チョイ出含めりゃ何十種類いたことか、ここまでくるともう、ストーリーなんかど~でもよくなりますね。いやもちろんハナシ的にも、あの善良な種族と悪辣な種族が実は同体だったなんてな、と途中幾たびの布石も腑に落ちて歴史が完成。いやあ楽しかった、堪能しました。贅沢を言えばあのムシ型兵士、各脚が別々に動いてくれるとよかったですね。2本脚丸出しじゃなくて。
 ■ホーンテッドマンション■ 意外に面白かったゃ、これ。ビジュアルが良いからお話なんかどうでも。青白い大ヒトダマがさりげなく素晴らしいね。扉にひしめく蜘蛛も健闘。坊ちゃんの体にも勇気の勲章さながらいっぱいくっつきまくってたし(ただ冒頭でお姉ちゃんが一匹力一杯叩き潰したのはいただけませんでしたナ)。ゾンビやゴーストたちもさることながら最後おっさんを地の底へさらってった炎の怪獣、オーソドックスなインパクトを与えてくれました。かりにモンスター類一切抜きだったとしても十分楽しめる仕掛けだらけの屋敷ツアー、もとはディズニーランドのアトラクションですって? 知ってる人は忠実度を計りながら楽しめたんだろうな。俺ですら入りたくなってきたよ。ディズニーってホント商売うまいや。
 ■ビーンストーク ジャックと豆の木■ 同一人物だからこそ、凶悪巨人と善良巨人の表情のコントラストが効いてましたね。あと、豆の木が斧で倒されるときのメカが快感だった。蔓が一本ずつバチーン、バチーンってゴムみたいに弾けてくんですねえ。いい解釈。それにしてもあの欠伸してたでっかいドラゴン、結局二度と出番ないとはな、残念。2度目のときは骨になってたみたいだし。四本腕の青い巨人ももっと見たかったんだけど、大団円で地上に降りてきた3人に入ってなかったですね。二度の豆の木成長時のCGも怪奇植物ぶりを見せつけてくれて、うむ、3時間超える尺のわりにはたるみませんでした。
 ■ウォリアーズ 異空の戦士■ 最終パワーを手に入れるための紋章の奪い合いといい、世界を救う宿命に関する語りおろしといい、ドタバタ派手にやりあったあげく誰も死なないお約束といい、ワイヤーワークの乱用で荒唐無稽化したアクションといい、チープなセットに見え透いたメイクといい……。ファンタジーとしか言いようがないんで仕方ないのだが、それにしても。格闘技好きの私ですらあくび出まくりでした。いや、格闘技好きだからこそかな。北京の景色ちょっと見れたからまあいいや。
 ■SF起源 タイムゲイト トリップ編■ 台詞の多いこういうパターンって弱っちゃいますな。ヒアリング力不足ゆえほとんど筋を見失ってるよ。H.G.ウエルズの人物像には別段興味ない私としてはまぁ、後半の火星人らしきモンスターの活躍に賭けるしかなかったんですが、造形イケててもほとんど動きナシ。前半のアクセラレーターにしたって周りの静止風景は面白いにせよ科学的にナンセンスだし(机に置いたガラスが割れるときだけ通常速度で弾けるなよ。空気の動きともども声の伝達もスロー化しろよ。等々)。まあビジュアル的にかなり退屈でしたわ。