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フェスティヴァル・ランタンポレル/シューベルト&ラッヘンマンを聴く

2024年12月08日 | クラシック音楽

[フェスティヴァル・ランタンポレル]レ・ヴォルク弦楽三重奏団&東京文化会館チェンバーオーケストラ・メンバー~シューベルト&ラッヘンマン~を聴きに行ってきた、場所は東京文化会館小ホール、3,300円、15時開演、17時40分終演、7割がた席は埋まっていた

この日は公演30分前から音楽学者の沼野雄司氏によるプレトークがあった、これをすっかり忘れて5分ほど経過してから席について氏によるラッヘンマンや本日の曲目の説明を聞いた、説明は大変丁寧でわかりやすかった、このような取り組みを高く評価したい

出演

レ・ヴォルク弦楽三重奏団

  • ヴァイオリン:オード・ペラン=デュロー
  • ヴィオラ:キャロル・ロト=ドファン
  • チェロ:ロビン・マイケル

東京文化会館チェンバーオーケストラ・メンバー

  • ピアノ:大崎由貴
  • ヴァイオリン:依田真宣
  • チェロ:上村文乃
  • コントラバス:白井菜々子
  • クラリネット:アレッサンドロ・ベヴェラリ
  • ファゴット:鈴木一成
  • ホルン:濵地宗

レ・ヴォルク弦楽三重奏団は南仏のニームで毎年行われているレ・ヴォルク音楽祭の核となっているメンバーで構成されている三重奏団、初来日、この音楽祭は一人の現代作曲家に焦点を合わせ、その作曲家が影響を受けた過去の著名な作曲家と組み合わせて、その2人の作品のみでプログラムを構成する音楽祭、音楽監督は今回来日した三重奏団のヴィオラ奏者のキャロル・ロト=ドファン

曲目

  1. ヘルムート・ラッヘンマン作曲(1986-88)/アレグロ・ソステヌート クラリネット、チェロとピアノのための(大崎由貴、上村文乃、アレッサンドロ・ベヴェラリ)
  2. ヘルムート・ラッヘンマン作曲(2021/22)/弦楽三重奏曲第2番「我が告別」(レ・ヴォルク弦楽三重奏団)
  3. シューベルト作曲/八重奏曲 ヘ長調 D803(レ・ヴォルク弦楽三重奏団、依田真宣、白井菜々子、アレッサンドロ・ベヴェラリ、鈴木一成、濵地宗)

鑑賞した感想を書いてみたい

  • 先日の阪田知樹によるマヌリの現代音楽に続き、この日はラッヘンマンの現代音楽を聴いたが、やはり私には理解不能であった、特に今日の2つの現代音楽は「音楽」というより単なる「音」であり、「楽」の要素がほどんど感じられなかった、演奏者も眉間にしわを寄せて演奏しているように見えた
  • ヨーロッパでも現代音楽中心の演目では客があまり入らないという、やはりみんなベートーヴェンやモーツアルトを聴きたいのだ、現代音楽を演奏するにしてもなじみのある作曲家の作品とセットにしないと客が入らないのが現実なのだろう
  • このような現代音楽だけやっていてもヴァイオリンなどの楽器の弾き方をマスターするのは無理なのではないか、先ず古典音楽をやって基礎を学び、次に現代音楽に挑戦するということになるのであろうか、奏者に聞いてみたいところだ
  • 今回のフェスティヴァル・ランタンポレルは「時代を超える音楽」と題し、古典音楽と現代音楽を同じ奏者が同じ公演で演奏することにより、新旧で何らかの歩み寄りとか相互理解とかの化学反応とでも言うようなものを奏者と聴き手にもたらそうという試みだと思うが、果たしてそれは成し得たのであろうか
  • 最後の演目であるシューベルトの八重奏曲は初めて聴く曲だがたいへん楽しい曲だと思った、シューベルトらしくない曲ともいえる、長調の曲ということもあり、テンポのよいリズムを刻み、演奏しているメンバーの姿や表情を見ていると実に楽しそうに見えた、特にクラリネットのアレッサンドロ・ベヴェラリ君はメロディーに合わせて体を前後左右に揺らせて実に気持ちよさそうに演奏していたのが印象的である、まさに音楽の「楽」を体現しているなと思った

良い試みだと思うが、なかなか難しい内容だった