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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「正体」を観る

2024年12月22日 | 映画

しばらく映画を観ていなかったので、映画サイトで評価の高い「正体」を観に行った、2024年、120分、監督:藤井道人(1986)、原作:染井為人、シニア料金1,200円、平日であったがけっこうお客さんは入っていた、大部分が若者だったのには驚いた

染井為人(そめい ためひと)の同名ベストセラー小説を、横浜流星主演、藤井道人監督のメガホンで映画化したサスペンスドラマ

凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)が刑務所で自傷し病院に運ばれる救急車から脱走した。鏑木を追う刑事の又貫征吾(山田孝之)は、変装して逃走を続ける鏑木の潜伏先工事現場の同僚(森本慎太郎)、出版社の編集者(吉岡里帆)、介護施設の新人社員(山田杏奈)らから証言を得るが、彼がおよそ殺人犯とはまったく別人のような好人物だったことにしっくりしないものを感ずる、鏑木は指名手配され、テレビでも変装したいくつもの顔写真が連日流され、だんだんと追い詰められていき、最後は・・・

さて、映画を観た感想を述べよう(ネタバレあり)

  • それなりに楽しめる映画だった
  • 横浜流星(1996)は初めて見る俳優だが良い演技をしていた、変装した顔と普通の顔の落差が大きかったのが良かった

  • 吉岡里帆(1993)もよかった、彼女は辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を原作にした同名の映画で知ったが、あの映画でもいい役を演じていたと思った、今回も大変よかった

  • その他で良かったのは刑事役の山田孝之だ、鏑木が犯人とされた殺人事件の捜査に当たり、鏑木を犯人とすることに若干の疑念があったが上からの圧力で強引に彼を犯人にして最後は死刑判決まで出てしまう、それでよかったと無理やり自分を納得させていたが、鏑木の脱走後の捜査を進めていく過程でもやもや感が増していき、一度はナイフを持つ鏑木を目の前に追い詰めながら発砲を躊躇したのは彼が犯人ではなかったかもしれないという思いがあったからだろう、ただ、発砲できなかった悔いもごちゃ混ぜになって残る、その辺の葛藤をよく演じていた

  • そして最後、介護施設に人質を取って立てこもる鏑木に対して上司の圧力で強行突入をして追い詰め、ついに今度は発砲してしまう、これでドラマは終わりかと思ったが、実は鏑木は一命をとりとめた、というか今回は発砲したが急所を外して発砲したのか、そこはわからなかったが多分そうでしょう、やはりもやもや感がまだあったのでしょう、その後、刑務所で彼と面会する場面があり、その後、捜査のやり直しを発表して大騒ぎになる・・・何が決定打になったのかはよくわからなかった
  • ここから先は再審裁判をして無罪になってめでたしめでたしだが、そこの描き方があまりにも単純すぎて、こうなるだろうなという通りに終わった、また、鏑木が刑務所で面会した又貫刑事に語る「逃走中に人から初めて信じてもらえた」という話があまりにテレビドラマみたいなおセンチで、ちょっともう一ひねり工夫が必要ではないかと思った、救いのない結論にしたほうが警察捜査の問題点についての鋭い警鐘になるのではないか(原作が何を訴えたかったかによるでしょうけど)

楽しめました