佐藤卓史シューベルトツィクルス~ピアノ曲全曲演奏会~ 第21回「ピアノ・トリオI」を聴きに行った、場所は東京文化会館小ホール、開演7時、終演8時50分、全席自由席で5,000円、8割くらい席が埋まっていた、こんな素晴らしいメンバーの演奏が5,000円で聞けるなんて驚きだ
出演
ピアノ:佐藤卓史
ヴァイオリン:白井圭(当初の林悠介から変更)
チェロ:辻󠄀本玲
曲目
シューベルト:
ピアノ三重奏曲 変ロ長調 D28
ロンド ロ短調「華麗なロンド」Op.70 D895
ピアノ三重奏曲 変ホ長調「ノットゥルノ」Op.148 D897
ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 Op.99 D898
(アンコール)
歌い手の持ち物D832
第11回シューベルト国際ピアノコンクールの覇者佐藤卓史が2014年にスタートしたフランツ・シューベルトのピアノ関連器楽曲(独奏曲、連弾曲、室内楽曲)のすべてを網羅的に演奏するプロジェクトの第21回、今回は「ピアノ・トリオI」。ゲストにヴァイオリニストの白井圭、チェリストの辻󠄀本玲を招いた公演
この日の4曲の中で自分が日ごろ聞いているのは最後のD898だけで、後は初めて聴く曲で1楽章のみの曲であった、一方、D898は4楽章の曲だった
今夜の公演を聴いて感じたことなどを書いてみたい
- 世の中のピアニストにショパン弾きは多いと思うががシューベルト好きそれよりかなり少ないのではないか、映画や小説にもなるショパンの波乱万丈の人生に比べシューベルトの人生は地味で、恋愛や結婚にも無縁で、彼の作曲する音楽も華やかさはない、そんなシューベルトのピアノ曲が大好きで全曲演奏公演を企画して実行している佐藤卓史氏にはシューベルトファンとして感謝したい
- この日は全席自由席であり、前から6列目くらいに座って三人の演奏を目の前でじっくりと見れたが、演奏中の三人の表情を見ていると佐藤氏が一番曲に対する思い入れが多い情緒豊かな表情をして演奏していた、本当にシューベルトを愛しているんだな、というところが表情に出ていた
- この日、開場後ホールに入ると、舞台上で調律師がピアノの調律をやっていた、演奏10分前くらいまでやっていた。今年、ピアノの調律師をモデルにした宮下奈都著「羊と鋼の森」(ブログはこちら)を読んで調律のことを多少は知ったが、公演直前まで調律しているということはピアニストはその調律後の音を確認せずに本番を迎えるということで普通は有り得ないと思うが、どういう事情があったのだろうか
- この日、私は舞台に向かって中央やや右側の座席に座った、私が座った所からさらに右側は空席が目立った一方、左側はほぼ満員であった、これはピアニストのピアノを弾いている指や鍵盤が見えるほうが勉強になると感がている人が多いからだろう、実際、来ていた人はピアノを弾く人が多いのではないかと感じた、ただ、上の宮下氏の本にもあったが音をしっかりと聞きたい人はむしろ右側に座るべきだとの考えももっともな気がして、ピアノを弾けない私は右側に座った、隣に人も座ってなくゆったりと聞けたのは良かった
- この日の公演では開演10分前から5分間、佐藤氏によるプレトークがあった、公演の概要や共演者とのつながりの説明などをしてくれてよかった、また、曲と曲の合間にも白井氏や辻󠄀本氏に話を振ってくれて彼らの話も聞けて良かった、更に全曲演奏後、佐藤氏が一人で舞台に現れ、感謝の言葉と次回公演の案内、これから弾くアンコール曲の説明などをしてくれて、これもまた良かった
- 主演後、出口の近くに今夜のアンコール曲の掲示が出ていたのは良かった、ただ、もっと目立つところに掲示してほしい、私は掲示がないかなと意識して探したので気付いたが、気付かない人も多いのではないな
楽しめました
さて、今夜の公演前の夕食は銀座線稲荷町近くの「らーめん稲荷屋」に初めて入ってみた、注文したのは醤油ラーメン(太麺)、900円だったか、先客1名、その後、けっこう入ってきた
一見、量がちょっと少ないかなと感じたが、シニアにはこれで十分、大きなチャーシューが2枚も入っていた、おいしかった
その後、稲荷町から銀座線に乗って上野まで移動し、上野でホームに降りると、先日、日比谷線の上野ホームのデザインが随分洒落ていたことを思い出した(こちらの一番下)、銀座線ホームもリニューアルし「歴史にフォーカスした重厚な美術館空間をイメージ」にしたと東京メトロが説明していたので確認してみらこんな感じだった
ただ、こういうのは如何なものか、日比谷線では見られなかった