静岡県三島市で毎月一回新作の詩の発表、合評会をやっている人たちのアンソロジーを作らせてもらいました。毎月一編の詩ってけっこう大変なんだけどほとんどのメンバーが新作を作ってきます。そのエネルギーはすごいと思います。面白い詩を紹介します。
手ぶら 室 十四彦
空を手にしたような
軽さだ
手ぶらで
颯爽と街路を歩くんだ
しがらみも おかねも
家族も りんごも
愛とやらも 置き時計も
自由も 靴紐も
約束も ゴミ袋も
なんでも かんでも
手放してさ
風を 手に入れよう
手ぶらで
生きていこうぜ
「しがらみも/・・・・ゴミ袋も」の連の言葉は思いつきのように見えるけどよく読んでみるとつながりがあるんですね。私たちの身近なものや所作と自分とのつながり・・・・。説明しない言葉が何かを言ってくれています。詩は省略という人もいます。言葉に説明はいらないんですね。