富士フィルムのX-PRO3は、アクロスモードというモノクロ撮影モードを持つ。モノクロ描写の優れたカメラである。だが昨年までライカM10モノクロームを使っていたせいか、モノクロの濃さについては、どうしても不満を持っていた。後の処理である程度カバーできるのだが、フラストレーションが溜まる。まあライカのモノクロ専用機は特殊だから仕方ないと割り切っていた。
ところがどう言う訳か、この夏くらいからX-PRO3から納得のいく「黒」が出るようになってきた。今回の写真はLightroomで調整しているものもあるけど、何枚かは全くの無加工である。どうしてこうなったのだろう。原因として考えられるのは、次の5点だ。
①本当は同じ描写で単に僕が慣れた
②カメラがやっと僕の意を汲むようになった
③むしろセンサーの劣化など機械的な要因
④カメラの設定を変えたから
⑤モノクロが際立つ場面で使うようになった
心情的には②としたいが、常識的には①と⑤だとは思う。そんなわけで久しぶりに訪れた横手市の増田地区、その撮影は楽しいものとなった。
X-PRO3 / XF35mm F1.4R
各写真、興味深く拝見しました。X-Pro3での画を拝見すると、自身もX-Pro2を時々使うので、凄く刺激を受けます。
暖簾、猫の看板、木目調の扉のようなモノ、路面の水溜りというような各作品を見入っていたところでした。
結局「黒」が「無限の“調子”」を有していて、その無限の中から何らかのモノを画面に定着させるのがモノクロ写真なのかもしれません。そういう意味で「黒」、言葉を換えると「暗さ」や「影」も在るような場面でモノクロ写真は好いのかもしれませんね。
自身の場合、モノクロが愉しくなり過ぎて、「色が売り」という場所でさえも常時モノクロで撮って、「色!!」と思った時にフィルムシミュレーションを慌てて切り替えるというような妙な調子になっています。
素敵な画に感謝!
心が落ち着きます。
昔は、モノクロでした。
それをカラー化することによりまた違った世界感が広がって見えるのも不思議ですね。
でも田舎ゆえ、変化の少ない街景色。慈しむように撮らないと撮るものがなくなってしまいます。励みになる言葉を頂きましたので、精進します。ありがとうございます。
>何らかのモノを画面に定着させる
僕はまだそれを定義する言葉を持ちませんが、同じ趣旨のことを考えております。でもまあ、とどのつまりモノクロ写真は本当に楽しいですよね。
この不思議な愉悦を思いっきり楽しんでいます。
削ぎ落として見えるもの、付け加えて見えるもの。本当に面白いと思います。
見て頂く方の想像力が刺激されるのであれば、これ以上の喜びはありません。僕個人の考えたとしては、「その先」は撮った者ではなく、観る者に委ねられると思っております。オジンさんの「その先」はどんな光景ですか?