当店の開業当初、商品を扱う際に必ず、使用していたものがありました。
これです。
白手袋です。
商品を移動する際、梱包する際、商品撮影する際に、指紋や汚れが付かないようにという配慮から使用していました。
貴金属専門店や高級ジュエリーショップなどでは、店員の方は、そのようにして商品を扱われますよね。
当店もそれに習って、同じようにしようと思い、扱っていました。
ただ、そのように扱っているうちに気付く事がありました。
貴金属やジュエリーなどは、無機質の素材が多く、銘木工芸品はやはり有機質の製品であると。
ですので、無機質製品と同じような扱い方は、果たして、如何なものかと気付きました。
銘木はやはり「呼吸」しているのです。 また銘木の中には、永く息づいていた証として、油分を多く含んでいるものもあります。
ですので、このような白手袋を使用すると、逆に油分を白手袋の繊維が吸収してしまって、銘木の良さを引き出せないことになって
しまうケースもあります。
また、銘木本来のもつ温かさや風合いも直接手で持ってみて、肌で触れて、初めて違いやその銘木の本質が分かる場合もあります。
直接、銘木に手で触れてあげることで、その銘木の、その時のコンディションを確認することもできるのです。
もちろん、手垢や汚れなどが付かないように、充分注意して扱うようにしていますが、銘木も直接触れる事で、「元気だよ。」と
応えてくれているように感じます。
ご注文頂いた商品も出荷前には、もちろん汚れが付かないように、注意し、またよく拭き取ってから梱包するように心掛けています。
しかし、直接手で触れてみて、最終チェックをしてからの出荷も、チェック項目のひとつとして心掛けるようにしています。
ただ、方法は違えど、商品を扱う姿勢や気持ちは、貴金属専門店や高級ジュエリーショップと同じように感じています。
心に白手袋をして、高級品として、丁寧に、そして慎重に、銘木工芸品の商品と向き合い、取り扱う姿勢は、開業当初から何ら変わって
いません。 これからも、「銘木工芸品と真摯に向き合う」、 その心掛けは、貫いていきたいと思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com