当店から南へ少し下ったところに、かつての「泉平銘木店」だった場所があります。
当店の店主である私の祖父がかつて丁稚から修行し、独立するまでお世話になった銘木問屋です。
その場所は、今は、こんな感じです。
少し前まで、コインパーキングでしたが、近々、商業ビルが建つらしく工事用フェンスで覆われています。
「泉平銘木店」当時は、もっと敷地が広く、東側を通る御堂筋の付近まで全てお店だったそうです。
お店も住み込みで多くの方を抱えていて大きなお店だったそうです。 明治初期頃の大阪市内の地図には、きちんと店名が載っています。
私の祖父も、そんなきちんとした銘木問屋の大棚に入れて頂き、基礎から修行させて頂いたようです。
そんな祖父が50歳を過ぎてから、現在当店のある場所にて、「泉亀銘木店」を開くことになりました。
そこもかつては、きちんと地図に載るぐらいの有名な料理店の跡だったようです。
祖父は、「わて、今度、独り立ちしますねん。」「よろしゅう。」と取引先の方々のご挨拶に廻ったようです。
開店初日には、「買いにきたで。」「おめでとうさん。」と取引先の方々が開店前から待っていて下さったと聴きました。
真面目で世話好きだった祖父の人柄が偲ばれるエピソードです。
その後、父を経て、私へ、というふうに「泉亀」の屋号が引き継がれていくことになります。
祖父は、マツの販売を得意とし、父は、マツから意向してスギを中心に取り扱っていました。 「泉亀には、良いものが揃っている。」
と謂われるような運営をすることが、祖父と父のポリシーでした。 そして私は銘木工芸品へ。
事業スタイルは、時代とともに変わってしまいましたが、当店は、ふと沸いて出たようなお店ではなく、きちんと祖父からの銘木の基礎が
ありました。
その基礎があったからこそ、「工芸品ショップ泉亀」が生まれたとも謂える訳で、そのルーツには、感謝を忘れてはならないと感じて
います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com