今朝も肌寒い散歩。麦が色づきはじめた。天気は下り坂。女山山頂の薄雲にうつるぼんやりとした深紅の太陽はめったに見れない。これこそ「早起きは三文の徳」である。
朝刊を広げる。一面の「堤論 明日へ」 車社会と生活空間 「歩くまち」へ住民の理解を!と題する記事が目に止まる。
先日、板橋さとし県議との懇談会で話題になった淸水山本吉~大草~長田に通す新道。この道路の整備に当たっては、「卑弥呼ロード」として、この地区の歴史と文化、これらと調和する道路づくりが求められる。これらが話題となった。
今回の堤論を、「卑弥呼ロード」づくりの参考になればと・・・。この思いを綴ります。
みやま市の観光の目玉として、「卑弥呼ロード」を整備することは価値があると思います。この地は卑弥呼伝説があり、淸水山・女山・新船小屋へ通じる現道の周辺には、史跡に恵まれ、緑が多く潤いがあり、自然豊かな地域である。これらを生かした道に、夢と未来を託し、この道路に観光と健康という付加価値をつけ経済波及効果を高めよう。
みやま・柳川インターから至近距離にあり、船小屋大橋、温泉、筑後広域公園、筑後船小屋駅へ通じる自動車交通とともに歩いても楽しい道路ともなる。
柳川や大川に向かう観光客を大切にし、この人たちが、「卑弥呼ロード」を歩いてみたい。と思わせることである。まさに史跡を巡る「歩きたくなるみち」づくりであります。
みやま市観光ガイドブック みやま浪漫 みやまの宝、として案内してあるように、(淸水山~女山を経て船小屋へ向かう新設道路を「卑弥呼ロード」として整備することは)みやまの宝を生かした道づくり、即ち、集客力のある道づくりへの大きなチャンスでもあります。
(農産物直売所の卑弥呼の里 写団ひみこ 卑弥呼観音など、名のつくものがあるように、卑弥呼を呼び戻すときでもあります。旧瀬高町時代では「卑弥呼まつり」があっていましたが、止んだ理由など知りたいと思います。先の定例市議会で旧高田町時代のまつりの復活について質問をされておりました。)
近々、景観まちづくりとして、まちの話題も多い。先日、柳川市の取り組みが有明新報で紹介されていました。大木町でも議会改革の一環として景観をテーマにしたワークショップが行われています。みやま市も先進都市を参考に学んで実践してほしいと願っております。
▼淸水寺入口交差点を起点に、始まった新道工事(5月13日撮影)
・国の支援策について、先ずご案内します。
▼歩いて暮らせる街づくりモデルプロジェクト地区の選定(
ここをクリック)
少し前置きがながくなりましたが、堤論の内容についてご紹介します。
今年のゴールデンウイークは晴天に恵まれ、私どものまち・
湯布院も。多くの人がまち歩きを楽しんだ。その中心となっているのが、土産物店などが立ち並ぶ湯の坪街道だ。
この通りはもともとは生活道路であった。1980年代に一軒のお店が立て替えの際に道路から建物を後退させて、そこにクヌギを植えた。周辺の店もこれを見習い「みんなの利益が自分の利益」という共通の意識が自然と生まれた。この意識のもと、緑が多く潤いのある町並みが形成されていた。
ただ残念ながら、この十数年で街は様変わり。沿道には周辺景観に調和しない店舗が出始め、商店陳列を道路境界ギリギリまでせり出す店舗も増えた。
休日になれば歩行者でいっぱいの街道に、乗用車やマイクロバスが乗り入れてくる。2006年の休日には、人ごみの中で、車と子どもの交通事故が起きた。交通と景観に関し深刻な問題を抱えていた。
そこで住民団体を中心に話し合いの場を設置。住む人にとっても、訪れる人にとっても、こ心地よいまちづくりを目指して検討を開始した。そして08年に周辺地域の景観計画・景観協定がつくられ、この街道にふさわしい景観や、その未来像が共有されてきている。
その一方で、交通問題は一向に解決していない。車が離合できる程度の道幅しかないのに一方通行にもならず、歩行者専用にもなっていない。休日のたび車と人があふれ、歩行者にも、運転者にも不幸な事態が続いている。
湯布院町では02年に、居住環境と観光の共存を目的に、交通実験が行われた。郊外に車を止めてバスや列車で観光地に向かうパーク&ライド、大型バスの進入制限や歩行者天国まど実施された。2日間あったが安全に歩けるまちの楽しさを味わうことができた。
この試みは、観光客の9割から「良い試みだ」との評価を受けた。しかし、人の流れの変わることや、日常生活への影響を懸念してか、事業者や住民からは半数を超える程度の支持しか得られなかった。交通問題での合意形成の難しさを知ると同時に「公共性とはなにか」を強く考えさせられたことだった。
これは、私どもの問題だけではない。生活空間と観光と密接につながっている地域では、共通する悩みなのだ。
例えば、世界遺産の岐阜県・
白川郷や、神奈川県
鎌倉市でもそうだし、「
小江戸」として近年人気が高く年間600万人が訪れる埼玉県川越市でも、観光客の要望の一番は「交通安全性の向上」(08年度観光アンケート)であるが、ここでも問題解決には至ってはいない。
先月、京都府
亀岡市、千葉県
館山市で、通学中の子どもたちが死亡する交通事故が相次いだ。少年による無免許運転など運転者側に大きな問題があるようだが、通学路という子どもたちにとって最も身近な生活空間に、車が入ってきて悲惨な事故が起きた。観光地での問題と共通するものもあると思う。
この10年ほど通学路の安全対策は、その必要性が指摘されながら進んでいないように思える。
子どもたちの命にかかわることである。交通量の多い地域ではガードレールの設置や、登校時の車の乗り入れ制限など、地域の実情似合わせた、さまざまな対策が考えられるはずだ。
地域での車の使用制限などは、住民生活に不便をもたらすかもしれない。しかし住民が話し合う場を早急につくり、多様な人たちによるオープンな議論を積み重ねるしかない。地元自治体はそのような議論の場を作り上げる役割を担うべきであろう。
内閣府は行った世論調査(09年)では、「歩いて暮らせるまちづくり」に93%が賛成している。超高齢化・人口減少社会に向かう中なか、「車から歩くまちへ」の変換はますます求められることになろう。
私心を少しばかりなくさないと心地よい空間はできない。私たちは、いま一度身近なところから、生活空間の安全について考え議論していくときではなかろうか。
以上が、堤論内容です。(N新聞5月13日朝刊引用)
▼板橋さとし県議ブログ・・・
政治学級二十日クラブとの懇談会(
ここをクリック)