福岡伸一『生物と無生物のあいだ』、講談社現代文庫
という面白い本があります。
著者による生命の定義: 生命とは自己複製を行うシステムである。
生命とは動的平衡にある流れである。
遺伝子やウイルス、更に今話題のPCRの発明物語も出ています。
二重らせんの発見物語も大変面白いです。
”動的平衡”の話もあります。
また、アメリカにおける研究者がどのように活動しているかについても生々しく紹介しています。
この本によるとウイルスは生物と無生物のあいだにあるそうです。
結晶のような構造をしています。
遺伝子も持っています。
自分では増殖できないので生物の細胞に侵入して増殖します。
その巧妙な仕組みに驚かされます。
動的平衡の話を読むとタンパク質レベルで起きているダイナミックな現象に圧倒され頭がクラクラします。
普段の生活では気にすることのない私たちの身体が実は複雑怪奇で理解不能な仕組みを持っていることを知りました。
遺伝子そのものは物質ですが、遺伝情報を担っています。
そこで、本のタイトルに倣って
「遺伝子は情報と物質のあいだの存在」
として理解するのが適当ではないでしょうか。