二重スリット実験における干渉縞は検出電子の確率分布により生じることを前回のブログで示しました。
電子が検出された位置に波動関数(波束)が収縮するという問題について多くの議論がなされています。
当ブログではこの問題が擬似問題であることを度々主張してきました。
今回は、干渉縞が示す確率分布に対する波動関数の役割について取り上げます。
1列に並んだ多数の検出器が捉える電子の個数について考えます。
検出器の大きさは有限なので検出器が捉える電子の個数は、実験回数を増すに従って増えていきます。
但し、波動関数の干渉により一部の検出器には電子は1個も到達しません。
各検出器に到達する電子の総計を並べた頻度分布の曲線は実験回数を増すに従って滑らかになります。
そしてその曲線は最終的には一定の曲線に収束します。
これらの頻度を規格化すれば最終的な確率分布が得られます。
波動関数は多数の独立な電子集団(超時空独立量子集団)のランダムな振る舞いを表現しています。
このことは、波動関数に確率的性質があることを意味します。
波動関数は複素数なので実数である確率とは対応しません。
そこで、波動関数の絶対値の2乗を取れば実数になります。
これが前述した電子の確率分布に対応していると考えられます。
最後に注意して欲しいことがあります。
それは、干渉縞は電子の固有の性質により出来るものであり、波動関数やボルンの確率解釈があって初めて出来るものではありません。
これらの理論は、あくまでも干渉縞を説明するためのものですから。
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