長谷川修司、『トポロジカル物質とは何か-最新・物質科学入門』、
ブルーバックスB-2162(2021.1)、が発売されました。
数多くの不思議な性質を持つ物質について興味深く紹介されています。
読んでいて興奮します。
学生時代にこのような研究分野があることを知ったなら挑戦したいと思いました。
記事の中で特に面白かったのは、たった1個の原子の層からなる物質グラフェンです。
身近な物質グラファイトから粘着テープを使って単離されたそうです。
粘着テープを張り付けて引き剥がす作業を何回も繰り返して最後にたった1個の炭素原子の層からなる2次元物質グラフェンを作り出したというのです。
グラフェンの発明者ガイムとノボセロフは、2010年のノーベル物理学賞を受賞しました。
ガイム教授は、2000年に非常に強い磁場の中でカエルを浮遊させることで「イグノーベル賞」を受賞しています。
グラフェンの中の自由電子は、「質量ゼロのディラック電子」と呼ばれディラック方程式で表現されます。
ところで、同書の”はじめに”p.4に著者の意外な主張があるので引用します:
生命現象や意識の本質が、物質のまだ発見されていない隠れた性質に起因しているのではないかと考えても不思議ではないでしょう。
本書のテーマである「物質のトポロジカルな性質」も、人類がつい最近気づいたものなので、実は、その他にももっと私たちが知らない隠れた性質が物質に備わっていて、それらが生命や意識の本質と深く関わっているのかもしれないと想像しているのは私だけではない筈です。
物質科学の究極の研究テーマはそのあたりにあると考えています。
(引用終わり)
本書のテーマである「物質のトポロジカルな性質」も、人類がつい最近気づいたものなので、実は、その他にももっと私たちが知らない隠れた性質が物質に備わっていて、それらが生命や意識の本質と深く関わっているのかもしれないと想像しているのは私だけではない筈です。
物質科学の究極の研究テーマはそのあたりにあると考えています。
(引用終わり)
この主張は、物理法則ですべての現象を説明できる筈だという物理主義そのものです。
しかし、意識という概念を物理量で表すことは原理的に不可能です。
何故なら、物質と意識とはカテゴリーがまったく違うからです。
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