以前のブログで「時間は情報概念の一種である」という新しい解釈を提案しました。
今回のブログではもう少し具体的な説明をします。
物質には重さや大きさなどの属性があります。
これらの属性は、秤や物差しで計ることが出来ます。
一方、時間は物質の属性ではありません。
では、時間は一体何の属性でしょうか?!
変化する物質の状態の属性の一つだと思われます。
時計で時間を計るという言葉を頻繁に使います。
でも、物質的に存在していない時間をどうやって計ることが出来るのでしょうか!
実は、“重さを計る”というときの計るという言葉と“時間を計る”というときの計るという言葉には本質的な違いがあるのです!
ニュートンの慣性法則(第一法則)は、あらゆる物体はそれに力が作用しない限り、静止または等速運動をし続けるというものです。
等速運動とは物体の移動距離を所要時間で割ったものが一定であるということを意味します。
この場合、距離と時間が比例関係にあるので比例定数を除けば両者は数値的に等価になります。
つまり、移動距離を計ればその数値が所要時間になるのです。
この事実を新しい時間概念の出発点にします。
まず、剛体で出来た無限に長いレールを作ります。
このレール上には等間隔に目盛が付いています。
この目盛の位置には物体が通過すると“カチッ”という音を出す仕掛けがあります。
いま、このレールの上で剛球を等速度で転がします。
この球がレールについている目盛を通過するたびに“カチッ”という音がでます。
ここで、移動距離はそこまでの所要時間に数値的に等価であるという事実を使います。
物質的存在である球の移動距離は、レール上の目盛で計ることが出来ます。
そのことが物質的存在ではない時間を計ることに繋がるのです!
剛球が出発点から等速でレール上を移動します。
時間目盛上の仕掛けを通過する時に出る“カチッ”という音をカウントします。
そのカウント数の合計は、球が到達した目盛を表します。
それが等価的にその位置までの経過時間になるのです。
カウント数は、物質的概念ではなく情報的概念です。
アナログ式時計のチクタク音の数は、時計の針が動いた距離を表します。
同時に、時間の経過を示しています。
等速運動する剛球による時間は、時計の時間と同じ性格のものです。
以上の分析により、時間は情報概念であることが分かります。
従って、時計は時間を計る機械ではなく、時間情報を定義して創発する機械です。
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情報と物質の科学哲学研究室
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