情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、波束の収縮問題、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

日常の景観は脳が創発したもの

2020-12-04 09:56:55 | 情報と物質の科学哲学
草花、果物、建物、乗り物などの色や形は脳が創発したものです。
これらは主観的なものであり、物理的実在ではありません。

私が見ているものと友人が見ているものとは同じだと感じて生活しています。
そうでないと会話が成り立ちませんから。
「あぁ、きれいな夕日だね!」「紅葉がきれいだね!」「このスマホ、カッコいいね!」等々

ところが、友人が見ている印象そのものを私は知ることが出来ません。
他人のクオリアは決して体験できません。
何よりも、自分の左右の目で感じる色が微妙に違うのです。

クオリア、意識は脳が創発した主観的なものです。
主観的なものにも拘らず他人も似た経験をしていると信じています。

これには立派な根拠があります。
それは、同じ人類という種に属しているからです。

同じような環境で育ったヒト同士は.似たような感性をもつ筈です。
その極端な例は、双子の行動です。
何かを質問されたとき、二人は同時に全く同じことを言います。

哲学者は、他人の意識を経験できないことに関して未だに喧々囂々の議論を続けています。
極めて不可解な印象を受けます。

脳は情報を食べる臓器

2020-12-03 10:51:55 | その他
脳には他の臓器と違う特徴があります。
それは、脳は情報という非物質的なものを”食べる”ことです。

情報を食べないと脳にはストレスがかかります。
終日、外界との情報交換を断って過ごせますか?

脳は、情報が入ってこないと不安で仕方ありません。
ネット中毒という症例の報告が激増しています。
情報が脳にとって一種の麻薬になっているのです。

歩きながら、自転車に乗りながらスマホを見ている人が大勢います。
ゲームに入り浸ってる人も大勢います。

ネット中毒やゲーム中毒を軽減するためには、意志の力で1日の特定の時間帯に限って情報を遮断する習慣をつけることが必要です。

リラックスする音楽を聴いたり瞑想したりするのがいいと思います。

クオリアの力と意志の力

2020-12-03 09:57:19 | 情報と物質の科学哲学
感覚野を持つ動物は、クオリアを持ちます。

例えば、臭い物体から放出された気体が嗅覚受容器に入ったとします。
受容器は、その情報を創発してパルス列で表現して感覚野に送ります。

感覚野は、その情報を読み取って”臭い”というクオリアを創発します。
その情報が運動器官に伝わって先の物体を避けるように行動します。

ヒトが熱いものに手が触れると”熱い”というクオリアが創発されて手を放します。

このようなクオリアの影響をクオリアの力と名付けます。
クオリアの力は、動物の生存にとって不可欠なものです。

ヒトの場合、クオリアの力に加えて意志の力が働きます。
熱いコーヒーを入れたカップを持ちあげたとき、熱さを我慢して手を離さずに安全な場所に移します。
これは、意志の力によるものです。

ヒトの場合、意志の力がクオリアの力を抑えることができるのです。
寒中みそぎ 、火渡りなどはよく知られた例です。
極端な例には焼身往生 があります。

人間の意志の強さに驚嘆します。




日常経験する潜在意識

2020-12-02 09:41:56 | 情報と物質の科学哲学
自由意志の実験を行ったリベットの解釈は、潜在意識の存在を無視したため間違っていることを指摘しました。

ところで、私たちも潜在意識を経験します。

例えば、顔はすぐ浮かぶのに名前が出てこないことがよくあります。
あれこれ考えて出てこないので一旦あきらめます。
数時間たって何かをしているときに突然その人の名前が出て来ます。
物の名前でも同様な経験をします。

これらの事実は、脳内では潜在意識に関わる神経回路が常に働いていることを証明しています。

従って、リベットの解釈のように単純に自由意志を否定することは間違いです。
被験者は、リベットから実験の趣旨を聴いた瞬間から潜在意識の神経回路が働くのです。
その結果、被験者が動作をする前にニューロンが発火しても矛盾しないのです。