昨日から製作記事を書いている「ル・フォーショーリボルバー」ですが、私も作った事の無い分野の造形で、どう作るか分からない部分だらけでした。
幸い、中学の頃からモデルガンやエアーガンをいじっていたので、銃の構造やパーツ割等はよく知っていましたので、全体を一気に仕上げるのではなく、パーツごとに一つ一つ正確に作って行けばリアルな形状が作れるのでは無いか?
と言う事で、先ずは銃身部分を作り始めました。
次は一番面倒な「シリンダー」(弾倉)です。
リボルバー(回転式)と呼ばれる拳銃は、「レンコン」の様な弾倉が特徴で、6箇所の穴に各々装填した薬莢が回転して次々に銃身の後ろ側に回り込み、撃鉄で叩かれて火薬が発火、銃弾が発射されると言う物です。
この「ピンファイアリボルバー」と言うのは、薬莢の横にピンが飛び出していて、それを撃鉄が叩いて発火させると言う物です。
弾倉から横に飛び出している薬莢のピンが、まるでカニの目の様に見えることから「カニ目撃ち」と呼ばれていたそうです。
幕末の日本にこの銃は沢山輸入された様なのですが、「自称ガンマニア」と言う人でもこの銃の事は知りませんでした。
「ル・フォーショー」と言う名前から設計はフランスですが、ヨーロッパの各地で生産された様です。
ちなみに今回製作した物は「ベルギー製」でした。
坂本龍馬は河田佐久馬以外にもこの銃を配っていた様で、あの「人斬り以蔵」もこの銃を持っていたそうで、どこかの博物館に展示されているそうです。
ただ、使用した形跡がなかったそうです。
やはり、重くて、発砲音が派手すぎるので、昔の侍には持て余したようです。
話がそれましたので製作の方に戻します。
リボルバーのシリンダーは、レンコンのように6個の穴が有ります。
その穴に弾を装填するのですが、今回は貫通した状態にはしません。
銃刀法が有るので完全に塞がれた状態で作ります。
上の写真は5ミリのアクリルにマスキングテープを貼って、弾倉の穴の位置を正確に書き込んだところです。
これを通称「ミシン鋸」で切り抜きます。
レーザーとかで切り抜くと言う選択肢も有りますが、お金がかかるので自分でカットします。
上の写真が切り抜いたアクリルです。
アクリルは電動のこでカットするとすぐに溶けて焼きつくのでそれを防ぐためマスキングテープやクラフトテープを貼ります。
そうすると、テープのロウなのかノリなのか分かりませんが、焼き付かずに綺麗にカットできます。
これにプラ板を巻き付けて円筒形にします。
真ん中の物が弾倉(シリンダー)です。
右側にすでにグリップフレームが形になっています。
これもアクリルとプラ板の積層で、ミシンのこでカットした物です。
厚み調整でプラ板も挟み込んで接着しています。
まだ微妙な面取りや角の丸めが出来ていないシャープな斬りっぱなし状態です。
これを仮組すると、
グレーの部分はエポキシパテで、柔らかいうちに塗りつけて形を整えます。
銃口は後でもう少しへこませますが、開口はしません。
銃口を見た時詰まっているのが見える状態にします。
こんな大きさの拳銃です。
銃身も多分6インチ有り、非常にバランスの良いカッコの良い銃と思います。
しかし、坂本龍馬は他人にこの銃を押し付けてたにも関わらず、自分はアメリカ製の「スミスアンドウェッソン」の「No.2」と言うリムファイアリボルバーを使っていました。
なぜ、坂本龍馬が、この「ピンファイアリボルバー」を使わなかったのか?
はっきりとした事は分かりませんが、ピンファイアリボルバーの安全性に不安が有ったからでは無いのでしょうか?
実際に形にして持ってみると、バランスや撃ちやすさだけ見ると断然ル・フォーショーの方が上と思いますが、このピンファイアのカートリッジ(弾)が落としただけで発火したり、銃のシリンダーから飛び出した発火用のピンに何か当たったら暴発するかも?
それに、銃に弾を装填した状態で銃本体を落としても暴発しそうですので、これを懐に入れて持ち歩くと言うのはかなり怖いですね。
この安全面で問題が有りそうなので、せっかく仕入れたル・フォーショーを他人に押し付けたのでは無いのでしょうか?
これは私の勝手な想像なので信じないで下さい。
この安全面がクリア出来れば非常に良い銃だと思います。
照準も大きく狙いやすいし、銃のバランスが良い。
グリップの角度もいい感じです。
これからまだまだ細かい造作が続きます。
続く!