夏でも寒い日がある北海道。
97年の網走はとても寒く、到着してから現地で長袖を買いました。
半そでの上にウインドブレーカーをはおるだけでは
寒さに耐えられませんでした。
日中の最高気温が13度くらいだった気がします。
撮影させていただいているチームは、3年目の撮影になりました。
迷惑にならないように自分から話しかける事は
ほとんどありませんでしたが、挨拶をしてくださる方もいて嬉しかったです。
この年は2泊3日の撮影に36枚撮り、フィルム40本ほど使いました。
50人弱のチームを撮る上で心がけたのはフォワード
バックス、ケガで別メニューの選手、スタッフ、
グラウンドにいる人をひとり残さず内容良く撮る事です。
目をつぶっている等の基本的な没写真を含め、自分の写真に厳しくありたかったので
持参するフィルムも日程にあわせ増やしました。
日々節制を重ね機材を調達するところから、努力しなければならないアマチュアです。
一般的なカラーネガフィルムしか使えませんでしたが、焼き増しするには重宝しました。
ケガ人がでないよう網走神社にお参りして、撮影の始まりです。
気が遠くなるようなハードな練習は、一人ひとりの心模様が浮かんでくるようでした。
望遠レンズはプレーだけでなく、選手の内面にあるものまで
大きく写し出してくれた気がします。私は実際に走らなくても
息苦しさや痛みを感じ、無邪気な姿にいやされていました。
本数遅れで走ったり、タックルダミーにタックルできない
状態になっている新入部員。ただ黙々と練習するベテラン部員。
網走の風景を含めて構成したカットは総数400枚くらいになったと思います。
現像後のフィルムを見てカットを選び人数分焼付けし、
アルバムに入れ、タイトルを添える。プロの業者であればこのような作業は
いくらの対価になるか想像もつきません。
徹夜作業を続けたアルバムはチームの方に、喜んでいただけたことを祈りたいものです。
96年は暑い夏合宿。窓を全開にした帰りのバスで一斉にあがった「涼しいー!!」の声。
疲れてボロボロになっても声出せるものなんだ・・・。
そうだよね。練習の後って風が吹けば涼しいよね・・・。
一人納得してうつむく私がいました。
97年はただただ寒かった撮影。帰る日になって半そでが着られるようになり
ほっとして札幌に向かいました。