東神楽町・音威子府村・おといねっぷ美術工芸高等学校へ、行政視察に行って参りました

2012年07月14日 01時31分15秒 | 活動報告
皆さん今晩は。
蒸し暑い日が続きます。私の家にはエアコンが無いので、この季節は大変です。
特に、西日が直接当たる夕方の私の部屋はまさに天然サウナ状態で、昔から友人に「夕方のけんちゃんちはヤバイよね」と言われています。
しかし、東京にいた頃の快適なエアコン生活も懐かしくはありますが、季節の移り変わりを肌で感じる事の出来る今の生活も、慣れてしまえば却って心地良いものです。



さて、7月9日~7月11日の3日間、会派による視察研修に行ってきました。
今回の視察先は北海道上川郡東神楽町、中川郡音威子府村の2自治体です。



一日目の視察先は東神楽町です。
こちらは、北海道中部に在る自治体で旭川空港の所在地でもあり、全国でも屈指の人口増加率を誇る自治体です。

東神楽町ホームページ
http://www.town.higashikagura.lg.jp/index.html

その人口は、
1990年で5,763人、
1995年で7,676人、
2000年で8,127人、
2005年で9,194人、
2010年で9,296人、
と順調に推移しており、人口減に悩む勝浦市とは対照的です。
東神楽町は人口増加の為の様々な施策を実行しており、勝浦市においてもこうした先進自治体の取り組みを学ぶ事は重要であると考えました。
そこで、今回は東神楽町の取り組みの一つ、「公営住宅買取制度」について視察を行いました。

この制度は、国からの補助金や業者に対する割賦払い等を活用し公営住宅を自治体が格安で整備しようとするもので、勝浦市における市営住宅の今後の運営においても大変参考となる政策です。
近年どの自治体においても、公営住宅の運営は大きな問題となっています。公営住宅にはセーフティネットとしての役割が強く期待されているものの、その運営は困難です。
勝浦市の市営住宅においても、老朽化による建替えや補修が相次ぎコストが大幅に増加している事や、住環境の悪化、その住民構成の偏りなどの問題が顕在化しています。
この「公営住宅買取制度」は、公営住宅の建設整備に係わるコストを減らし、充実した居住地を整備する事で住環境を改善させる可能性を秘めています。
この視察の成果をまとめ、9月議会では会派を代表して磯野議員が市営住宅に関する一般質問を行う予定です。


東神楽町議会も視察。議場も明るく、何より傍聴席と議員席が近いのが素晴らしいです。





2日目の視察先は、音威子府村です。
音威子府村は北海道北部に位置し、北海道内で最も人口の少ない自治体であり、唯一人口が1,000人以下の地方公共団体です。
こちらでは、全国でも稀な村立の高等学校である「北海道おといねっぷ美術工芸高等学校」を視察させて頂きました。

音威子府村ホームページ
http://www.vill.otoineppu.hokkaido.jp/Cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AM04000

北海道おといねっぷ美術工芸高等学校
http://www5.ocn.ne.jp/~otokoh/

勝浦若潮高校の統廃合が県教委によって決定され(未だ県教委の横暴に対しては怒りが収まりません)、勝浦市として今後どう対応するか決めなければならない時期に来ています。
市立高校として存続するのか、私立高校を誘致するのか、または学校以外の目的で活用するのか。あるいはそれ以外の選択をするのか。少なくとも今年中にその方向性を決定しなければなりません。
そうした状況の中、全国でも稀な村立高校としてその運営に成功している音威子府村、及びおといねっぷ美術工芸高等学校に赴き、その運営方法や財政状況、経緯等を現地でしっかりと学ぶ事は、今後の勝浦市の教育行政にとって大変重要であると判断し、視察先として選定した次第です。

おといねっぷ美術工芸高等学校は、北海道の僻地にありながら、高校の受験倍率は2.6倍となっており、日本全国から生徒を集めています。
県立高校であれば学区外から生徒を集める事は制度上難しいですが、市町村立高校であればそうした束縛から逃れ全国から生徒を募集する事も可能になる訳です。
また、学科を「美術」「工芸」に特化した事で、日本中から目的意識の高い生徒を集める事にも成功しています。
授業も見学させて頂きましたが、生徒たちは皆真剣に授業に取り組んでいました。また校舎のあちこちに生徒の作品が展示され、そのレベルはまさにプロ顔負け。「お金を払ってでも欲しい!」と思える作品が沢山ありました。
授業はもちろん、あらゆる面でその学力や技術力の高さを感じる事が出来ました。また、工芸高校という事で、工芸の先進地である北欧からも交換学生や講師を招いているとの事。こうした自由な取り組みが出来るのも、市町村立高校の大きな魅力だと思います。


視察の様子。校舎内の至る所に生徒の作品が展示されています。



高校生と小学生との学校間交流の一環、小学生との共同授業の様子です。生徒も先生も活き活きと授業に取り組んでいるのが印象的でした。




この高校の運営費は年間で約2億円。
そのうち約1億8000万円が補助金、約2000万円が村からの拠出であるとの事。自治体の規模や生徒数を鑑みても、勝浦市においても高校の運営は十分可能なのではないかと感じました。

おといねっぷ美術工芸高校を視察してもう一つ感じた事があります。
それは、もし仮に勝浦市において市立高校として存続させる事になった際には、総合学科のような曖昧な学科ではなく、何かの分野に「特化」した学科の設置が必須だという事です。
その分野では絶対に他校に負けない!この分野では日本一だ!といった専門性や特殊性が、日本中から生徒を集める要因になると思うからです。
そして私は、もし勝浦市が市立高校を設置するならば、その学科は、「漁業に特化した学科」しかないと思っています。
勝浦若潮高校の漁業専門高校としての歴史、設備、ノウハウを無駄には出来ませんし、何より地域に愛され、地域に貢献出来る高校でなければ存続は難しいと考えるからです。

おといねっぷ美術工芸高校も、元々は定時制の普通高校でした。
生徒数が伸び悩み、その存続の危機を経て、村立高校へと組織改編し、「工芸科」を設置した理由。それは、「地域産業の発展に貢献する人材を育てるため」であったそうです。
音威子府村の主産業は林業。その豊富な木材を工芸品として活用出来る人材を育成し、地域に貢献出来る高校とする。
そうした信念があったからこそ、おといねっぷ美術工芸高校は地域から愛され、全国からも生徒が集まる魅力ある高校に成長したのだと思います。

近年、この地域の漁業は様々な問題を抱えています。後継者不足や資源の枯渇、暗いニュースばかりです。
しかし一方で、北欧等の諸外国では漁業の近代経営科やブランド化、資源管理に成功し、「儲かる産業」として漁業が人気の職業になっている地域もあります。
新生勝浦高校も、地域から愛され地域に貢献出来る高校として、漁業に特化した学科を設置し漁業に関する先進的で専門的な授業を施し、日本全国・世界中から生徒を集め、
勝浦若潮高校を、日本の漁業再生の拠点として再生する事が出来たら素晴らしいなと考えています。

今回の音威子府村での視察結果は、私にとって大きな収穫となりました。
今回の視察の成果を活かし、9月議会では会派を代表して私が高校に関する一般質問を行う予定です。

また、視察の詳細は報告書を作成し、事務局へ提出すると共に、こちらのブログでも近日中に公開致します。

これまで、議員の視察、というと「単なる慰安旅行」「税金の無駄」と言われる事が多かった様に思います。確かに、過去には慰安目的の旅行を行っていた議員も居られたのかも知れません。
しかし我々は、視察が単なる物見遊山で終わらぬ様、これまで目的意識を持って視察に取り組み、その成果を議場や委員会で積極的に提言し、政策に反映させる事を目的として活動して参りました。
今後も、行政視察が市民の皆さんから「無駄」と言われない様、視察で得た知識をしっかりと報告しまた勝浦市政に反映させ、勝浦市の発展に向けて役立てて行きたいと考えています。




追伸:写真で活動報告

7月12日(木)
この日は午前中国際武道大学を訪問、午後からは岩瀬洋男議員と共に市立興津中学校の公開授業を見学しました。
生徒は皆真面目に授業に取り組んでおり、積極的に質問する生徒も多く感心しました。
興津中の生徒数は現在全校で82名。確かに生徒数は少ないですが、その分きめ細やかな指導が行われているように感じました。
小規模校には小規模校ならではの良さがあります。
生徒同士・あるいは先生と生徒の距離の近さを活かし、生徒達の細かい変化や声なき声を拾いあげ虐めなどの防止に取り組んで頂ける様、校長先生にお願いしました。




7月13日(金)
今日は午前中市内をひと回りし、午後から議会報の原稿作成。夕方原稿を提出しに市役所へ。
夜は(社)勝浦いすみ青年会議所サマーキャンプの打ち合わせ。皆で手分けして参加者の最終出欠確認を行いました。後少しで本番。頑張ります!

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