というわけで、今回は前回急に便意を催した為に途中までしか書けなかった日記の続きです。
先日、教育委員会から、学校や塾の教師宛に「文部科学大臣からのお願い」という文章が配られました。今時安っぽい藁半紙で。
その文章そのものの画像をUPしようと思ったんですが携帯が新しくなって転送が面倒になったので全文をコピペします。
※文部科学大臣からのお願い
お父さん、お母さん、ご家族の皆さん、学校や塾の先生、スポーツ指導者、地域の皆さんへ
このところ「いじめ」による自殺が続き、まことに痛ましい限りです。いじめられている子供にもプライドがあり、いじめの実態をなかなか保護者等に訴えられないとも言われます。
一つしかない生命、その誕生を慶び、胸に抱きとった生命。無限の可能性を持つ子供たちを大切に育てたいものです。子供の示す小さな変化を見付ける為にも、毎日少しでも声をかけ、子供との対話をして下さい。
子供の心の中に自殺の連鎖を生じさせぬよう、連絡しあい、子供の生命を護る責任をお互いに再確認したいものです。
平成18年11月17日
文部科学大臣 伊吹文明
さらに子供に向けた文章も同時配布。こちらもコピペ。
※未来のある君たちへ
弱いたちばの友達や同級生をいじめるのは恥ずかしいこと。
仲間と一緒に友達をいじめるのはひきょうなこと。
君たちもいじめられる立場になることもあるんだよ。あとになって、なぜあんな恥ずかしいことをしたのだろう、ばかだったなあと思うより、今やっているいじめをすぐにやめよう。
いじめられて苦しんでいる君は、けっして一人ぼっちじゃないんだよ。
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、きょうだい、学校の先生、学校や近所の友達、誰にでもいいから、恥ずかしがらず、一人で苦しまず、いじめられていることを話すゆうきをもとう。話せば楽になるからね。きっとみんなが助けてくれる。
平成18年11月17日
文部科学大臣 伊吹文明
以上ですが。
全く、非の打ち所の無い正論ほど心に響かないものはありませんな。
こんな手紙一枚でいじめが減るのなら大したものだが、こんなものでは絶対にいじめは無くならない。まるで他人事のように書かれてるけど、いじめの原因は他ならない大人たちにあるはずなのに。
いじめられてる子供が保護者に訴えられないのは別にプライドがどうこうの問題ではなくただ単に「保護者が頼りにならない」からだ。「だれもたすけてくれない」から自殺するんだろうに。
いじめの事を相談できるような信頼出来るマトモな大人が身近にいるような幸せな子供は極少数で、そういったまともな大人が身近に居る子というのはそもそも苛められたり他人を苛めたりしないものだ。
結局子供というのは大人の真似をして育つんだから。
「競争社会だから他人は蹴落としてでものし上がれ! でも人には親切にしよう」とか「ウソをつくな! でも正直モノはバカをみる」とか、子供たちは日々相反する命令を受けて混乱しているわけで。んでどうしよう、と思って大人たちを参考にすべく実生活を見てみると、親は他人の悪口を言い、教師は競争に勝って良い学校に行く奴だけを褒める。学校では国や社会(つまりは自分以外)を愛するのはタブーだと教えられ、学校から帰ってテレビをつけてみれば、ワケ分からん芸人が他人を馬鹿にして笑いを取り、政治家や社長さんや「偉い」といわれる人たちは皆他人を犠牲にして私腹を肥やすばかり。
そういう社会で育った子供が他人に思いやりを持てずいじめに走るのは極当然だし、必要以上に過保護な教育現場の下ではいじめられるような軟弱な子供が増えるのもまた当然。いじめが無くなる様にするにはまず大人がしっかりしなきゃ話しにならない。
なーんて難しい事をついつい考えてしまうほど内容の無い文部科学大臣からの手紙の紹介でした。
こんな何の役にも立たない藁半紙配るくらいなら、山本直樹の「ありがとう」(講談社 全4巻)でも各学校に配った方がまだ宜しい。