いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

投扇興 By クラブナイト

2011-05-05 05:37:19 | その他
パーソナルテーラーのクラブには
「狼」をテーマにしたサブクラブがあり
先日そのクラブナイトに参加してきました。

場所は美しい庭園が広がる清澄庭園
清澄庭園は江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡で
あの岩崎弥太郎が庭園を造成、没後も継続的に工事を進め
やがて明治の庭園を代表する
「回遊式林泉庭園」として完成しました。

当日は生憎の雨となってしまいましたが
それも又、これから来る初夏を感じさせ
風情があります。

会場は庭園内の涼亭。
銅版葺数奇屋建築の平屋で
27畳のお座敷です。

周りを池に囲まれた
とっても落ち着く場所にあります。





美しい藤の花。



池では鯉も私達を出迎えてくれます。



そして周りを回廊で囲んだ
優雅な空間。



ここが都心とは思えない程、閑静で
ゆったりと時が流れています。
とても贅沢な空間だと思います。

サブクラブメンバーはドレスコードがあり
「狼」にちなんだ装いが義務づけられます。

まだ、非会員の私は
W&Gのサファリにロンドンストライプの
ハケットのドレスシャツ
そして初夏を感じさせるコットンのボウタイ。
赤のインコテックスのトラウザース。



写真には写っていませんが
ハットはロックのトリルビー的な物
そして靴はマックバレンの
スエードシューズです。
見事に米、英、伊が混じった装いですが
破綻している訳でもないのでお許しを。

そして、各自が持ち込んだお酒に
豪華なお料理。
美しい伊万里のお皿に盛りつけされているのは
赤坂百菜でこの日の為に特別に作っていただいたお寿司。
これが二皿用意されました。



こちらがお品書き。



見て美しく、食べて美味しい
とても豪華なディナーとなりました。

そして会食も一段落つき
本日のメインイベント。

そう冒頭の写真にある投扇興です。
投扇興ご存知でしょうか?
お座敷遊びのひとつで
イチョウを模した的に
扇を投げ、扇と的の落ちた形を
源氏54帖になぞらえた図式に照らして
採点するという遊びです。



投扇興について詳しくお知りになりたい方は
こちらをご覧下さい。

流儀も何種類かあり
かなり奥が深い遊びです。

実際にやってみると
とても難しい。
中々扇が思ったように飛ばず
的に当たりません。
試合形式で進めますが
単純なだけに返って盛り上がります。

そして、見事、的を落とした場合は
的が落ちた形で見立てをします。
これがとても優雅ですね~。

因に冒頭の写真は扇が台に残っていますので
「澪標」(みおつくし)」といい、得点は11点と
とても高得点になります。

熟練すれば別ですが
なかなか出せる技ではありません。

これを出したのは
今回、クラブイベントに投扇興を提案してくれた
音楽家で演奏家でもある巨匠です。
流石です。

こうして愉しいひとときは
あっという間に過ぎていきます。
お互い、再会を誓って
涼亭を後にしました。



ジェントルメンズクラブ
日本にはほとんど存在しませんが
こういった形で
装いについて語り合えるメンバーが集い
やがてフレンドシップが形成されていく。
色々な年齢のメンバーがいて
お互い刺激出来、相談もできる。
生きていく上で人生に彩りを加えることが出来る
とても貴重な集まりだと思います。

願わくばこれが生涯続く事を願います。

パーソナルテーラーのR.H総帥
そして今回の企画の立役者の巨匠
サブクラブオーナーの団長
参加者の皆さん
ありがとうございました。

又、近いうちにお会いするのを
とても愉しみにしています。