徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

没後50年 モーリス・ド・ヴラマンク展

2008-06-20 | 絵画
没後50年 モーリス・ド・ヴラマンク展
2008年4月19日から6月29日
損保ジャパン東郷青児美術館

あまり前評判も聞かず、会期も終わってしまう前にと慌てて訪れた。モーリス・ド・ヴラマンクといえば、佐伯祐三をアカデミックと叱咤したという印象だけだった。今回の展覧会で初めてその画風の変遷を知った。ゴッホ、セザンヌの影響を受け、ドランともにCHATOUに住み、フォービズムの中心にいた。彼の1905年のSalon d'Automneに出品。フォービスムのパステルカラーの色彩の作品は展示されていないが、《静物》(1906)(ポンピドゥーセンター蔵、サン・トロペ・アノンシアード美術館寄託)は、まさにセザンヌ風。そして時代は下り、1920年頃以降の叙情的な風景画。画風を確立した時期。そして佐伯が訪問したころの作品。これには魅せられた。たとえば、《オーヴェール・スュル・オワーズの雪》(1924)、《雷雨の日の収穫》(1950)。どんよりとしたヨーロッパ冬空を厚手の絵具で塗りたくり、農村の風景や地方の町並みを描く。意外に楽しめた展覧会だった。

帰って調べてみれば、昨年パリで見た画商Vollardの展覧会のカタログで、ヴラマンクのいかにもフォービズムという作品を発見。もうすこし優品はあるようだ。
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