所蔵名品展(その2)
2007年1月27日から3月4日
MOA美術館
さて、陶磁器、茶道具もMOA美術館の名品がでていた。
国宝 色絵藤花文茶壺 野々村仁清は、前回訪れた時にも拝見したが、今回も展示室3に鎮座していた。それと対となるように展示されていたが、
青磁大壺 郊壇官窯 中国 南宋時代;郊壇官窯とは、南宋官窯の一つで修内司官窯に次いで郊壇官窯(新官窯)が設けられた。新官窯は、杭州市南郊の烏亀山麓に設けられ、修内司官窯に劣らぬ優品の青磁を産した。本青磁大壺は、郊壇官窯としては、稀に見る大作とのこと。二重貫入が美しい。釉薬は少しくすんだ色合い。南宋官窯の作品は、まだ数点しか拝見したことがないが、二つの窯があったことを頭に入れて今後鑑賞したい。
展示室1には、伊万里、鍋島が並んでいた。MOAの鍋島の自慢の品は、大阪で現在展示中だが、まだまだ所蔵しているようで、状態のいい七寸、五寸の皿が五枚揃いで展示されている。
重文 染付草花文瓶 伊万里 江戸時代 17世紀初期
染付蔓草文手鉢 伊万里 江戸時代 17世紀初期
色絵唐子遊文平鉢 伊万里 江戸時代 17世紀
色絵五艘船文大平鉢 伊万里 江戸時代 17世紀末~18世紀初期
色絵蔓花文銚子 伊万里 古九谷様式 江戸時代 17世紀
色絵松下橋人物文九角皿 伊万里 古九谷様式 江戸時代 17世紀
色絵牡丹文大皿 伊万里 古九谷様式 江戸時代 17世紀
重美 色絵酒宴図大平鉢 伊万里 古九谷様式 江戸時代 17世紀
色絵粟鶉文八角鉢 伊万里 柿右衛門様式 江戸時代 17世紀
色絵花鳥文蓋物 伊万里 柿右衛門様式 江戸時代 17世紀
色絵菊花文瓜形壺 伊万里 柿右衛門様式 江戸時代 17世紀
色絵石楠花文皿 鍋島 江戸時代 17世紀末~18世紀初期 ;七寸
色絵花筏文皿 鍋島 江戸時代 17世紀末~18世紀初期 ;七寸
色絵棕櫚文皿 鍋島 江戸時代 17世紀末~18世紀初期 ;五寸
展示室6には、東福門院に献上品との伝来の仁清があった。これは前回にも拝見した。
色絵金銀菱文重茶碗 野々村仁清 江戸時代 17世紀;土井相模守から山澄力蔵をへて平瀬家より益田鈍翁に転伝。
展示室7には、中国の陶磁器が並んでいたが、こちらにもいくつか名品が出ていた。
重文 黒釉金彩瑞花文碗 定窯 中国 北宋時代 11~12世紀
重美 青白磁蓮華文盤 景徳鎮窯 中国 北宋時代 11~12世紀;青白磁は美しい。
青磁牡丹唐草文瓶 耀州窯 中国 北宋時代 11世紀
青磁筍花生 龍泉窯 中国 南宋時代 13世紀
重美 白地掻落牡丹唐草文瓶 磁州窯 中国 北宋~金時代 12世紀;磁州窯はコントラストが明確でなく民芸風になってしまっている陶磁器が多いが、この磁州窯は白黒のコントラストも鮮やかで、素直に感服。
重美 五彩双鳳凰唐草文盤 古赤絵 景徳鎮窯 中国 明時代 16世紀
重美 五彩瓢形瓶 金襴手 景徳鎮窯 中国・明時代 嘉靖期 16世紀
さて、展示室6の茶道具。こちらは圧巻。
策彦周良墨跡 桃山時代 16世紀
山水図 相阿弥 室町時代 16世紀
蓮に鶺鴒・葦に翡翠図 伝牧谿 中国 南宋時代 12~13世紀;双幅で鶺鴒と翡翠が可愛らしく描かれています。
寒山拾得図 梁偕 中国 南宋時代 13世紀;
重美 石菖図 子庭祖柏 中国 元時代 14世紀
斎宮女御図 鎌倉時代 13世紀;これは茶掛けとして展示されていたとは思うのですが。彩色。
重美 消息 三条殿宛 豊臣秀吉 桃山時代 16世紀
書状 滝川雄利宛 熱海入湯の文 千利休 桃山時代 16世紀;流石MOA美術館。熱海入湯の文とは。秀吉小田原攻めのときに同行した由。
斗々屋茶碗 銘松島 朝鮮時代 16世紀
井戸茶碗 銘翁 朝鮮時代 16世紀;梅花皮は生じてはいない。益田鈍翁遺愛品。大正名器鑑収載。
井戸茶碗 銘常盤 朝鮮時代 16世紀 ;小井戸。釉は枇杷色。井上世外、高橋箒庵と伝来。
彫三島茶碗 銘残雪 朝鮮時代 16~17世紀 ;大正名器鑑収載。
玉子手茶碗 銘玉椿 朝鮮時代 16~17世紀初期;大正名器鑑収載。つるりとした表面なので玉子手というのでしょう。
御所丸茶碗 朝鮮時代 17世紀 ;馬越化生旧蔵
灰被(はいかつぎ)天目茶碗 秋葉天目 中国 宋~元時代 13~14世紀;添台 雲龍堆朱天目台「大明永楽年製」銘。伊達政宗所持。古今名物類聚、大正名器鑑収載。添台のある天目茶碗は、初めて。添台すら絵になります。
玳玻天目鳳凰文茶碗 吉州窯 中国 南宋時代 12~13世紀 ;鴻池家伝来。内面に鳥の文様(鸞天目)。見こみに梅の模様。わが国では吉州窯の製品を総称して玳玻天目と呼んでいる。とのこと。
奥高麗茶碗 桃山時代 16世紀後期~17世紀初期 ;黒漆天目代添
信楽茶碗 銘 初時雨 桃山時代 16世紀末~17世紀初期
志野遠山檜垣文茶碗 銘 山路 桃山時代 16世紀
瀬戸黒茶碗 銘 ワラヤ 桃山時代 16世紀;高台脇に朱漆で表千家六世覚々斎原叟筆の「ワラヤ(花押)」銘、内箱蓋裏には同八世啐啄斎の銘。
黒楽茶碗 銘 あやめ 長次郎 桃山時代 16世紀 ;長次郎外七種の一つ。利休が天正十五年五月に用いたものと推測される。宗旦、一翁宗守、官休庵、永楽善五郎、草間伊兵衛伝来。黄褐色のかせがむらむらと表れていていかにも古色蒼然。見こみは乾いてしまっているが、最近使っていないのでしょうか?
唐物驢蹄茶入 中国 南宋~元時代 13~14世紀 ;鴻池家伝来
大名物 唐物羽室文琳茶入 中国 南宋~元時代 13~14世紀;東山御物内別帳にも「羽室文琳薬師院」とあり、葉室家、堺薬師院、土屋相模守、若狭酒井家と伝来、大正名器鑑収載。林檎の形の文琳茶入。堂々たる風格です。もうMOA美術館には大名物の唐物箆目肩衝茶入が所蔵されている。こちらも拝見したいものです。
中興名物 瀬戸肩衝茶入 渋紙手 銘 山桜 桃山時代 16世紀;廂肩(ひさしかた)で肩先より裾まで次第に張る。渋色の釉薬。三井家、大阪の藤田家伝来
中興名物 高取茶入 銘 横嶽 江戸時代 17世紀;この茶入れは松平右衛門太夫正綱が高取焼窯元に命じて焼かせもの。正綱が小堀遠州に見せ銘をつけてほしいとねがったところ賞讃し、すでに著名な高取焼の茶入「秋の夜」「染川」よりもすぐれているとして、九州の名勝横嶽にちなみ銘としたいう。廂肩に小耳をつけた姿。黒飴釉にY字の白い景色。土屋相模守数直所持のとき失火にあい、素地、釉色を損じ、付属品は消失。大正名器鑑収載。
志野一文字香合 桃山時代 16世紀
織部亀甲香合 桃山時代 17世紀初期
青磁浮牡丹文花生 龍泉窯 中国 南宋~元時代 13~14世紀
伊賀耳付花生 桃山時代 17世紀初期
備前耳付花生 桃山時代 16世紀
伊賀重餅水指 桃山時代 17世紀初期
祥瑞蜜柑水指 景徳鎮窯 中国 明時代末期 17世紀
第九室で目に付いたもの
夏水 竹内栖鳳 夏草の上 すへり行 京の水
源氏夕顔蒔絵棚 図案 神坂雪佳 蒔絵 神坂祐吉;神坂雪佳展を見逃しているのでこのような事実をはじめて知りました。
板谷波山 彩磁端花祥鳳文花瓶
板谷波山 金沙釉蕗葉彫刻花瓶
2007年1月27日から3月4日
MOA美術館
さて、陶磁器、茶道具もMOA美術館の名品がでていた。
国宝 色絵藤花文茶壺 野々村仁清は、前回訪れた時にも拝見したが、今回も展示室3に鎮座していた。それと対となるように展示されていたが、
展示室1には、伊万里、鍋島が並んでいた。MOAの鍋島の自慢の品は、大阪で現在展示中だが、まだまだ所蔵しているようで、状態のいい七寸、五寸の皿が五枚揃いで展示されている。
展示室6には、東福門院に献上品との伝来の仁清があった。これは前回にも拝見した。
展示室7には、中国の陶磁器が並んでいたが、こちらにもいくつか名品が出ていた。
さて、展示室6の茶道具。こちらは圧巻。
第九室で目に付いたもの