四代目はなまはげが嫌いである
以前両国国技館の前で観光宣伝にやってきたなまはげを
直に見ているだけに 怖さ一層である
「新幹線のあきたこまちは乗りたいけれど
秋田には絶対行かない!!」
っと断言するくらいだ
たまに本当に怖がるので
「大丈夫だよ なまはげは悪い子や泣く子には来るけど
悪い子でなければ来ないから...」
っと慰めてみるが
やはり自分の中で「僕は悪い子なんかじゃ絶対ない!」っと
言い切れるほどの自信がないらしく
未だに怖がり続けている
ある日
「お父さんのところにはなまはげは来ない??」
っと聞かれた
それはもしかして
不肖の三代目は悪い子ではないのか??
っと聞いているのか?!
胸に手を当てて よ~く 考えてみる
「俺は悪い人間ではないのか?
いや 良い人間と答える事が出来るのか??」
答えに詰まってしまう
しかし、良い子と言い切れない私は何故 四代目のようにまなはげを恐れていないのか?
「あんなもの実際にはいないのだ!!」
っと思っているから ?
最近四代目も
「もしかしたら まなはげは人間が中に入っていて
その人は優しい人だったりするのじゃない?」
などと口に出したりする
しかし、そのたびに信ずる両親から
「そんな事は絶対ない! なまはげはなまはげ だから!!!」
っと言われ
しゅんとしてしまうのだ
であれば
もし、敬愛する二代目から私が
「お前 まだまなはげ を信じていないのか?
あれはいるぞ! わしは実際見たことがある!!!」
っと諭されたら?
いやいや
「何を血迷った事を言っているんだ!」っと一笑するだろう
そして
仮に
本物が現れたとしても
「お前こそなんだ!
だいたい そんな武器を持って 人を脅かすような真似をして
お前こそが悪い奴じゃないのか!!!!」
っと論理のすり替えで攻撃するかもしれない
「お父さんのところにはなまはげは来ないの?」
「おとうさんは...
悪い人ではないけれど....
純粋さに欠け.....
心根が少しだけ捻じ曲がってきているようだ....」
なまはげは
私のもとに
来るのか?
来ないのか??