コラム(154):保育園問題について
ネット上の「保育園落ちた日本死ね」という書き込みが国会で取り上げられ波紋が広がっています。
民主党の山尾志桜里氏や、社民党の福島みずほ氏がそれぞれ取り上げ、国会前では、共産党の吉良佳子氏らが「保育園落ちたの私だ」と書かれたプラカードを掲げ政府批判をしていました。
このような状況に違和感を感じるのは私だけでしょうか。
国会では、政府に対する批判ではなく具体的な提案を含めた議論をしなければ意味がありません。こうした問題を政権批判のために利用するのであれば、本当の救済にはならないからです。また、ネット上の激しく罵る言葉での訴えが通るのであれば、圧力民主主義が助長され、それがまかり通ってしまいます。
政府を追及していた国会議員は、正義のつもりだったのかもしれませんが、その行為は、地道に保育園問題を研究している人たちの努力を水泡に帰すことになり兼ねません。
国会議員は子供たちのための議論を
保育園の待機問題は重要です。そのため民主党は保育士の給与を上げる法案を提出する方針です。また、おおさか維新は「保育・幼稚園の義務化」を提案しています。
実は、保育問題がうまく解決しない真因は、保育行政を管轄している厚労省と地方自治体、義務教育を管掌する文科省、財務省、総務省の財源・地方交付税制などの問題が錯綜している点にあります。
国会議員は、これらの諸問題を整理して、子供たちのために何をなさねばならないかということを与野党の立場を超えて議論していただきたいと思います。
保育園問題に新しい発想を
明日の日本を担う子どもたちを大切に育むためには、親や保育士・教師による教育以外に、年配者の知恵と経験を活用する方法があります。現役を退いた団塊世代を始め、世の中の役に立ちたいと思っている健康な年配者の中には、子供の教育に関心を持っている方が大勢います。
子供―親―教育関係者―年配者と幅広い世代で地域のコミュニティづくりにも貢献することができると思います。
年配者と子供が接する機会が増えることでさまざまな効果が期待できます。最近、老人ホームと保育園が一体化した施設が紹介されていますが、そこでは高齢者は若返り、子供は高齢者に対して礼儀正しくなり、人格の向上に寄与しているとの報告があります。
年配者に子供の教育分野での応援をしていただくことは、一億総活躍社会の一態様として考えてみる価値はありそうです。新たな地域コミュニティを形成し、社会的関係性を深めるきっかけになると思います。
保育問題はアイデアの出し方次第で解決する問題に思えてなりません。
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