赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

共産党とメディアの欺瞞 コラム(398)

2022-03-15 14:13:00 | 政治見解



コラム(398):共産党とメディアの欺瞞


郵便局の帰り、久々に、自転車を押しながら日本共産党の主張を流し情宣する高齢の女性に会いました。


日本共産党の欺瞞

わが家は荒川区に隣接しているため、かつては毎日のように荒川区の共産党区議の情宣が聞こえていました。それが最近では、数日に1回しか聞こえなくなっていました。また、これまで二人一組だったのがいまは一人でやっているようで、今日会った私よりも高齢の女性も一人でうつむき加減に自転車を押して歩いていました。

日本共産党員のこの現実を見て、私は「あと十年すれば日本共産党は自然消滅するな」と思ってしまいました。

それはさておき、日本共産党のスピーカーから流れる主張には驚きを禁じえませんでした。「ロシアのウクライナ侵略に断固反対する」と言っているのは共産党らしい世間を取り込もうとするいつもの欺瞞そのもののセリフですので苦笑するだけでしたが、驚いたのは「話し合いで解決せよ」と繰り返し主張していたことでした。

そもそも話し合いで解決するならロシアがウクライナを侵略することはありません。前提が初めから間違っているのです。この詭弁の論理が日本共産党を独善主義に陥らせています。

日本共産党が「話し合いで解決できる」というなら、ロシア―ウクライナの和平交渉の仲介役として志位さんに白羽の矢を当てたらいいと思います。両国ともかつては日本共産党と同じ仲間だったのだから話はつけやすいのではないかと思います。岸田首相に志位さんを特命全権大使にでも任命してもらったらいかがですか。日本共産党の腕の見せ所だと思います。

それができないなら、最初からできそうもないことを、さも実現可能のように主張する欺瞞行為はやめるべきです。


メディアの戦争反対論の裏側

メディアの戦争反対論の中にも欺瞞行為があります。

悲惨な戦争をやめさせて大勢のウクライナの人びとの命を守らねばならないのは極めて当然のことなのですが、メディアの論調には、ロシアの侵略を非難するよりもウクライナに「早く妥協して戦争を終わらせよ」と主張することに重きを置いて報道しているように聞こえることがあります。

メディア関係者にはロシアがかつてのソ連の継承国であるため無意識にロシアを擁護したくなる意識が働いているのかもしれません。彼らは、ウクライナの悲惨な光景をテレビに映し出して、ウクライナが早く降伏することが「ウクライナの人びとの命を守るんだ」、「命あっての物種」と厭戦気分を日本中に振りまいているように思えます。

その上、メディアはウクライナの人びとの祖国を守る覚悟についてはあまりふれたがりません。祖国愛を日本人に目覚めさせると、また日本が戦争の道に突き進むと勝手に解釈して、「ウクライナの人びとの異常なほどの祖国愛が国民を悲惨な目に合わせている」との刷り込みを意識して流しているように見えるのです。

まして、ウクライナ同様の危機にある台湾の蔡総統が防弾装備で「国家守るには全国民の団結必要」との呼びかけている様子をニュースに流すはずもありません。日本を侵略したい国にとってメディアは実に頼もしい友軍であるわけです。

さらに、メディアのおかしなところは、ロシアに対する経済制裁から派生するエネルギー危機、食糧危機を取り上げながら、「今後日本では物価が相当に上がるから大変なことになる」、だから、「早く戦争などはやめてすべて元に戻してほしい」ということを強く訴えていることです。しかも、その原因は一方の当事者である「ウクライナが早く抵抗をやめればいいのだ」という論調を映像と音声の中に忍び込ませています。

メディアがロシアを断罪し、ウクライナの人びとの危機を救おうと本気で思っているのなら、第一にロシアのプロパガンダをはっきりと批判し、第二にウクライナの悲劇を自分のこととして報道する、そして第三に、国際社会が協調して行っているロシアへの経済制裁から波及する様々な問題に対しても「ウクライナの人びとと痛みを共有して日本人も頑張ろう」と主張しなければならないのです。

これを逃せば、メディアは、日本共産党と同じようにこの十年の間に高齢者がこの世を去り行くとともに、その存在に幕を引かなければならなくなるように思えてなりません。




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