Ⅱ.最新のアメリカの経済動向 :230522情報
昨日に引き続き、最新のアメリカ経済動向を観察していきます。
本日は、ある2人の「伝説の投資家」の言葉からの動向分析です。国際経済学者が解説します、
投資の神様と呼ばれたウォーレン・バフェット。そしてもう1人は先日、日経新聞でもインタビュー記事が取り上げられた、バフェットの盟友、チャーリー・マンガー。彼らの言葉から、今のアメリカが抱える問題、そして「正しい投資とは何なのか?」といった投資哲学が浮かび上がってきました…
■バフェットの投資哲学
バフェットの言葉に、彼の投資哲学をよく表したものがあります。それは2021年、バフェットが株主へ出した手紙の中に、書かれていた言葉です。「Never bet against America」
これは、「アメリカの国益にならない投資をするな」という意味です。
ここにバフェットさんの非常に単純素朴だけれども、力強い愛国心というものが表れていると思います。アメリカの経済が発展する中で自分たちのビジネスも成功してきたのだから、目先では少し儲かりそうでも、アメリカ自身を破壊するような投資はダメだと釘を刺しているのです。
彼は「長期投資」を重視して成功してきました。その長期投資というのは、国全体が長期的に成長していく中で自分の富も増やしていくという発想なのです。
■アメリカの繁栄は続くのか?
このバフェットさんの発言に対して、先日、英フィナンシャル・タイムズで面白い記事が出ていましたので紹介します。バフェットさんの盟友であるチャーリー・マンガーさんのインタビュー記事です。
アメリカの銀行に不良債権が蔓延していて危険だという話題の中で彼が言った面白い言葉があります。それは、先ほどのバフェットさんの言葉に対して、「そうではあるが、アメリカという民主国家が永遠に繁栄し続けるのを当たり前と思ってはいけない」と発言したことです。
実はこの記事、日経電子版でも翻訳されていて、アメリカの将来に対してバフェットは楽観的だが、マンガーは悲観的。つまり、「バフェットと相反する言葉」として報道されていたのですが、私はそうではないと思うのです。
これはバフェットさんの言葉を補うような言葉だったと思います。
バフェットさんもマンガーさんもアメリカがいつまでも健全に発展し続けてほしいと思っているわけです。ですからマンガーさんからすれば、バフェットの言う「アメリカを売るような投資はするな」は全くその通りで、
「放っておいてもアメリカが民主国家として発展していけると思ってはいけない。もしあなたがアメリカの国益に反するような売国奴的な投資行為をしたなら、アメリカの繁栄は続きませんよ」と伝えているのです。「あなたの行動次第でアメリカの繁栄は決まるんですよ」と釘を刺しているのだと思うのです。
ではなぜマンガーさんの口から、そのような言葉が出てきたのかというと、やはり現在のバイデン政権下のアメリカを見ているからです。トランプ政権の時は、理想的な経済の循環があったわけです。ところがバイデン政権になってから、インフレの悪化や、南部国境の崩壊といった、アメリカを弱体化させるような政策ばかりやっています。
これを放っておくと、アメリカの繁栄はいつまでも続くとは限りません。そのような警告のメッセージだったのではないかと思います。
(了)
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