中国AI産業の裏側:240505情報
中国政府は昨年、Chat GPTの使用を規制し始めました。最新のAI技術を導入できないことで他国に遅れをとるかと思いきや、むしろその逆。規制したことによって国内で独自の生成AIシステムが開発され今や世界有数のAI大国になっています。
・上海市では「世界AI大会」が開催
・2017年には杭州市に「AIタウン」建設
・「次世代AI発展計画」なんて政策まで 作られているそう
そんな中国ですが、実は、そのAI技術を使ってひっそりと他国に攻撃を仕掛けていたということがわかりました。選挙妨害、詐欺、プロパガンダ…
今年の4月、Microsoftが発表した調査で、中国によるAI工作が次々と暴かれたのです。
中には、日本と直接関わる事例も…。国際情勢アナリストの解説です。
突然ですが、下記の画像をご覧ください。
ビルのある街中に立ち上る黒々とした煙。住宅のすぐそばまで迫る炎。空は火の色を反射するように赤黒く燃えている…。これは2023年8月、ハワイで起こった山火事の写真です。ニュースでも連日報道されていたので覚えている方も多いのではないでしょうか?
この写真は、ネットに投稿された瞬間、世界中に拡散されました。それは単に、被害が大きかったからではありません。人々の同情を誘ったからでもありません。写真と共に、こんな衝撃的な言葉が添えられていたからです…
「英国のMI6(秘密情報部)によると、この山火事は アメリカ政府が『気象兵器』の威力を試すために仕掛けたものだった」
この投稿は、すぐさま日本語、フランス語、ドイツ語のほか、イボ語、オディア語、グアラニー語などのマイナー言語も含めて31の言語に翻訳されました。そして、日本でも、ピンタレスト(Pinterest)やピクシブ(Pixiv)(日本人向けのイラスト投稿サイト)などさまざまな媒体にアップされ、拡散されていきます。
世界中がこの投稿を真実だと信じて疑わず、アメリカ政府を批判しました。なぜなら証拠写真があったからです。ですが、実はこの画像、中国の情報部隊がAIで生成した「偽物」でした。
Microsoftの警告
Microsoft脅威分析センター(MTAC)の調査の結果、中国がAIを使って、山火事のフェイク画像を作り、アメリカ政府への反感を煽ったという事実が発覚しました。しかも、それだけではありません。Microsoftが2024年4月4日に発表したレポートによると、
「中国がAI生成コンテンツを悪用してアメリカ・韓国・インドの選挙を妨害しようと計画している」と書かれています。
実際、すでに台湾の総統選挙では、AIによる選挙妨害が行われていました。候補者の声がAIで偽造され、中国側に有利な発言がSNS上で出回ったのです。もちろん、この候補者はそんなことは言っていません。
(出典:MIcrosoft On the Issues:China tests US voter fault lines and ramps AI content to boost its geopolitical interests https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2024/04/04/china-ai-influence-elections-mtac-cybersecurity/)
そして、今年の11月に控えるアメリカ大統領選。中国のAI工作は大統領選に向けて日に日に激化しています。アメリカのSNSでは、アメリカの有権者になりすましたアカウントが既に大量に発見されているそう…。
SNSのアカウントを通じて、AIで生成した動画や画像で、世論を分断させようと画策しているのです。
中国が狙うAI工作の"急所"
中国は、AIを使って、内側から国を崩そうと画策しているということがお分かりいただけたでしょうか。
そんな中国が、AIで他国に認知作戦を仕掛ける時に、1番に狙うものがあります。ここに攻撃を仕掛けられたら、政府にも、国民にも甚大なダメージを与えられる。まさに、AI工作の“急所”のようなものです。
それは、一国のトップを決める選挙でもありません。ハロウィンやクリスマスなど、国民の関心が集まる大きなイベントでもありません。もっと効率的に、確実に、国に大きな打撃を与えるものです。これをうまく利用できたらAIでの世界支配をも可能にしてしまう…そんな急所がAIにあります。
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